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――回想――
[過去に来てからいつもそうしていたように、...は皆と食事の席を囲みながら久し振りに体内へと流し込んだアルコールにほのかに酔いしれながら、ぼんやりと賑わうクラスメイトの姿を眺めていたが。]
…ん?なんか…体が…変?
――まさかこれ位では酔っ払わない…筈?
[急に目の前がぐらりと揺らいだかと思うと、ふっと無重力状態になり。
気がつけば人気の無いガランとした空間へと文字通り放り出されていた。]
いてて…。何だよ急に…って大丈夫か?ローズ。
[折り重なるように自分の体に落ちてきたローズマリーの体を、怪我の無いように受け止め訊ねる。
こくりと頷く姿を見て、安堵していると聞こえて来た声は――]
あ…れ?あーヴのおっさん?って何でおっさんが?つーかここは何処だ?
[「お帰りなさい」の言葉に首を捻りながら疑問に思ったことを口にする。]
は?元の世界?みんなは、あっち?
[返ってきた答えに指差された方を見れば、映像が乱れているが、先程まで確かに一緒に居た級友の姿が目に入る。]
は…本当に…戻ってきたのか?
[嘘かと思い、自分の頬を抓り]
いひゃい…。夢じゃ無ぇな…。
[典型的な確認方法で実証を得る。]
[そして、昔の方が楽しかった?と聞かれれば、さぁ?と苦笑を漏らし]
結局…過去に行っても現在に居ても…。俺はただあいつを見守っているだけしか出来ないってことを悟ってきただけだよ…。
[テレビに映る姿を見ながら何処か他人事のように呟くと、休養を取る為に用務員室へと向かっていった。]
――昼 梅ばぁの銭湯――
[目を覚まし、構内を歩き回るがやはり昨日まで居たメンバーは何処にも見当たらず。やはり現代に戻ってきたのだろうかと...は、ラッセルとクインジーと一緒に行った銭湯へと顔を出す。]
『いらっしゃい…おや、ナサじゃないか。久し振りだねぇ…』
[この前は無人だった番台にはやや歳を召した梅ばぁが、学生時代と変わりない様子でちょこんと座っていた。]
や、梅ばぁも元気そうで何よりだ。
[懐かしむように手を挙げて挨拶をすれば、梅ばぁの目尻に皺が寄る]
懐かしいねぇ。あんたが卒業してもう6年も経つんだねぇ。しっかり大人になって…。私もそりゃぁ歳を取るってもんだよ。
[昔と変わらず、小さい体の大きな声でカラカラと笑むと声が脱衣場に響き渡る。その懐かしい声に...も口許を緩めながら、脱衣場へと足を運ぶと]
『あぁ、…そう言えばあの子とは結局どうなったんだい?ほら、6年前お前さんがこの地を去る前に気持ちだけでも伝えたいって思ってたあの子!なんて言ったっけ…え〜っと…』
あー…梅ばぁ。俺今からストリップするんだけど、見るなら別料金取るぞ?
[一生懸命思い出そうとする梅ばぁを遮るように苦笑を漏らしながら遮ると、彼女は悟ったように口を噤み]
『そういえば富士の顔に新たな落書きがされてたんだけど、あんた、知らないかい?』
[背中越しに訊ねられればただ一言、「知らない」とだけ答え、...は浴室へと足を運んだ。
そして、言われたとおり壁画に視線を移せば。
タイムスリップした6年前で落書きをした文字が、今でも黒々と残っていたのを見て]
――俺、本当に過去に行ってきたんだな…。
[ぽつりと呟くと、水道の蛇口を思いっきり捻った。]
――元雑貨屋の店舗――
[梅の湯(梅ばぁの銭湯)から帰って来れば夕方で。そろそろ夕食の支度でもしなければと思い、雑貨屋の厨房へと足を運ぶが、さすがに閉店してから長い年月が経っている所為か。火元が確保できそうにも無く。]
仕方が無ぇな…。学校の調理室借りるか。
おい、アーヴのおっさん。あんたも飯食わねぇか?何でも良かったら俺、作ってくるぞ?
泊り込みで同級会やるつもりだったなら、食料位買い込んでんだろ?
[タイムマシンの調整に勤しむアーヴァインに声を掛け、調理室へと向かっていった。]
――調理室――
[備え付けられた冷蔵庫を覗き、ある材料でざっとメニューを考える。
片隅に置いてあった米を砥ぎ、笊に上げて水気を切り、冷蔵庫から豚肉、キャベツ、しょうがを取り出し、しょうがを摩り下ろし醤油とみりんとごま油と混ぜてたれを作る。
米に水を浸して炊飯ジャーへ入れた後、キャベツを千切りに刻み、鰹節で出汁をとり、味噌汁の準備へ。
つまみ用として買ってあったのか。冷凍枝豆をさやから取り出し、ベーコンはオーブンであぶりカリカリにし、炊けたご飯と混ぜ合わせておにぎりにし、出汁に味噌を少しずつ溶き、豆腐と刻んでいた葱を散らして火を止める。
熱したフライパンに肉を入れて焼き、最後にたれを掛けて香ばしい匂いが立ち上がったところで火を止めて皿に盛り付けた。]
ざっとこんなもんで良いかな。
そういやレンジと卓上コンロはあっちにもあるんだっけ?
[雪平鍋とおにぎり、しょうが焼きが乗ったトレイを手に持つと、零さないように慎重に歩きながら、...は元雑貨屋を目指し歩き始めた。]
――元雑貨屋 居間――
おーい、アーヴのおっさん、飯作ってきたけど食わねぇ?え?居間忙しいから後で?解ーった。つーかローズも姿見てねぇなぁ…。
[何とか零さず夕飯を運んできた...は、居間のちゃぶ台に料理を並べ、早速箸を着けながら向こう側と繋がっているというテレビへと視線を向け]
ぶっ…!何だあれ?ラッセルの額に肉ねぇ…。誰がやったんだか…。
[味噌汁を啜りながらおにぎりに手を伸ばし、ケラケラと映し出された映像に、腹を抱えて笑っている。]
しかしお嬢も努力家だな…。料理作ったことねぇのに頑張ってるし。
何か…ローズと先に帰ってきてしまって…悪い事したな…。ま、それはローズにも言える事なんだろうけどな。
[しょうが焼きを口に放り込みながら、昨夜耳にしたローズの言葉を思い出す。]
俺がローズの事を祈っていれば…。もしかしたらまだこっちに来なくても良かったかも知れねぇし…。
>>171 シャロ
[ぼんやりとしながら、一人の食事を進めていると、三角巾とエプロンを外して手を振るシャーロットの姿が画面に映し出された]
向こうは肉無し肉じゃがか。頑張ったな、お嬢。
ちなみにこっちは俺が作ったしょうが焼きだぞ。
[シャーロットにつられてこちらを見るセシリア>>172にも手をヒラリと振り、味噌汁を啜りご飯を口に入れ]
一方通行ってのも…寂しいな。まるで片思いのようだ。
[苦笑を漏らせば場面が変わり。音楽室に入るラッセルの姿が映し出される。]
>>173 ラッセル
ローズ、今不在なんだよ。確認できなくて悪いな。確認出来た所で、そっちには情報が流れねぇんだっけ。
[残念そうに呟けばおにぎりにかぶりつき、遠くでアーヴァインがなにやら奇声を上げているのに気付き。]
アーヴのおっさん、一息入れたらどうだ?
[一応声は掛けてみた。が、返事が有るかどうかは解らない。]
――調理室――
[油のこびり付いたフライパンにたわしを掛けながら、思うことは6年前成し遂げられなかった告白の事。]
あれからもう、6年も経ってるんだぜ?幾らなんでも女々しいだろ、俺。あいつだって…好きな奴が居るだろうし、きっと『向こう』で幸せを掴んで帰ってくるに違いない。
それに――
[と、呟いて擦る手を休める]
俺みたいな根無し草と付き合うのが大変だろ?あいつにはあいつの夢があるだろうし…。
俺はその夢を壊すような真似は…したくねぇ。
[水道を勢いよく捻ると、ぬるめのお湯が表面を濡らしていく。
綺麗に汚れを落としたフライパンを片付け、流しの水滴も拭き取ると、冷蔵庫から缶ビールやチューハイを数本拝借して。
...は再び雑貨屋へと足を運んだ。]
――元雑貨屋――
[ビニール袋を携えて雑貨屋の居間へと入ると、そこには誰かが食事をした後が残っている。]
ん?アーヴのおっさんでも来て食っていったのか?
[室内を覗き込むと人影は無く、代わりに校舎から僅かに光が漏れている。その場所を見遣り]
あ、科学室へと戻ったんだな。
根詰めるのは良いけど、無理するなよ?おっさん…。
[腰を下ろしてチューハイのプルタブを起こせば、炭酸の弾ける音が室内に響き。
暖房をしっかりと効かせた室内で中身を煽りながら、...はぼんやりとブラウン管へと視線を向けていた。]
――用務員室――
[目を覚ませば早朝。辺りがまだ薄暗いのにも構わず、...は目を覚まし身支度を整える。
元雑貨屋に行き、昨晩の夕食の片づけを行いながら消えたままのテレビに視線を送るが]
この時間から起きている奴は居ねぇだろうし…。寝ている所を覗く趣味もねぇしな。
[くすりと苦笑を漏らしてトレイに食器を載せ、調理室へ]
――調理室――
[ひんやりと冷えた室内で茶碗を洗いながら、朝食の支度を始める。
小さい器にバターとマスタードを入れ混ぜ合わせ、きゅうりと紫玉葱を薄切りにする。サニーレタスをちぎり、鶏肉は軽く切り目を入れて塩、胡椒を振りフライパンへでじっくりと焼き上げ、削ぎ切りにしておく。]
[ベーコンを昨日と同じようにオーブンでカリカリにしてペーパータオルで油を取り、山型食パンにバターを塗り、それぞれの具材とスライスチーズを載せ、ピンで押さえをして半分に切ってからそれぞれをワックスペーパーに包んだ。]
確か籠ってあったはずだよな…
[調理室脇にある準備室へと足を運び、食器棚から小さなバスケットを二つ見つけて色とりどりの布巾を敷きその中にサンドイッチと野菜ジュースを詰め込み、一つはアーヴァイン用とし手かごを携え調理室を後にした。]
――科学室前――
[さすがに疲れているのだろうか。科学室の中からは物音は聞こえず、ただ静寂が辺りを支配していた。]
おっさん、根詰めて作業するのは良いけど、あまり無理するなよ…。
[ドア越しに小声で声を掛けると、僅かにドアを開けてサンドイッチの入った籠を中に置き、ドアを閉める。
そして自分も雑貨屋へと足を運べば朝食として、サンドイッチを口に運んだ。]
何で今の時期に…再会なんかしたんだろうな…。会わなければ後悔なんて…しなくても良かったのに。
何で今の時期に…。
[呟きながらポケットから取り出したのは、JOCVから届いた、派遣前研修の日程表。
...はその紙をまだスイッチの入っていないテレビを見比べながら、深い溜息を*漏らしていた*]
――昼 元雑貨屋――
[朝食を取りながらぼんやりと派遣前研修の案内を眺めている事数時間、気付けば日はすっかり高く上がっており、お昼を告げるチャイムが辺り一帯に鳴り響いていた]
時間が過ぎるの…早ぇな…。
[筋肉を解すように大きく伸びをすると、過去とを繋ぐテレビにスイッチを入れようとしたが、見れば向こうにいる彼等に無性に会いたくなるような気がして、伸ばした手を止めた。]
こうしているのも何だし…少し体でも動かしてくるかな…
[誰に言う訳でもなく呟くと、...は当てもなくふらりと外へと出て行った。]
――夕方 調理室――
[半日をかけて校舎を見回り、日の傾くのと共に腹の虫が食事を催促する。]
あ〜…もうこんな時間か。飯、準備しないとな…。そう言えばローズの姿が見えねぇけど…。大丈夫だろうか?
[一昼夜見ていない級友を心配しつつ、冷蔵庫からサラミソーセージとにんにくを取り出し、細かくみじん切りにしていく。
万能葱も刻みフライパンでで炒め、昨日炊いたご飯を加えて塩、胡椒をまぶし仕上げにさっと醤油を垂らして皿に盛る。]
[鍋に水を張って鶏がらスープの素を入れ、硬めに茹でた春雨とワカメをさっと散らし、火を止めると、昨夜と同じようにトレイに乗せて、雑貨屋まで運んだ。]
――元雑貨屋――
[誰も居ないガランとした雑貨屋の居間に食事を並べると、さすがに向こうの様子が気になったのか。テレビのスイッチを入れると、映像は案の定乱れてはいたが、きちんと過去の様子が映し出されていた。]
へぇ、向こうでは花火でもやるのか?楽しそうだな…。皆向こうが良いとか…言い始めねぇよな?さすがに…
――本当に…皆帰ってこれるんだよ…な?
[アーヴァインが大いなる誤解をしながら食事に勤しんでいる事など知りもせず、しんみりとした様子で夕飯に箸を*着けはじめた*]
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