くくく。
目ぇが醒めたぁ。
あははははーー。
いっぱい美味そうなのがウロウロしてるじゃないか。
あはあはあははははー。
どいつから喰っちまおうかなぁ。
しかし。なんだなぁ。
久しぶりに入ったニンゲンの身体。
慣れねぇな。
[と。身体の奥からかすかに聞こえる、苦痛、悲しみ、拒否の悲鳴。本来のこの身体の持ち主が必死の抵抗をしている。]
なんだぁ。まだ声出す元気があるのかよ。
しぶといやつだな、こいつ。
まぁ、だから目つけたんだけどな。
くっくっく。叫べ叫べ。今のうちだぜ。
一人でも喰っちまえばこの身体は完全に
オレの自由になるしなぁ。
あははははーー。
[こちらに向かって手を振る少女の姿を目に留めた。]
あぁ?見たことあるカオだなぁ。
[コハルの記憶を覗いてみる。]
んー。そうだ。
クルミっていうんだ。
知ってる。知ってるぞぉー。
あいつも美味そうだな。くくく。
うむぅ。こんな感じかなぁ。
ニンゲンの身体にもだんだん慣れてきたな。
せっかく久しぶりに目が醒めたんだぁあ。
かくれんぼー、上手くやらなきゃなぁ。
そんで、そんで。
いっぱいいっぱい喰うんだよぉー。あはは。
クルミかぁ。
せっかくだからこいつからでも良いな。
どうしようかぁ。
[おそらくクルミにはいつもと同じ様に見えているだろう、やわらかな笑顔を作りながら、ひっそりと思考する。]