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[飛び込んだ、水の中。
つめたい。
そんな感覚は、すぐに消える。
けれど、この流れに乗っていけば。
そうすれば、『堰』を越えられる。
相互侵蝕で混濁した存在は。
ただ、それだけに、すがる、けれど]
[力の足りない呪いは、望むようには行かせない。
越えられない、『堰』。
封じは破られない。
先には、進めない。
『思い違い』。
そう言ったのは、誰だったか──]
(……あー……)
[ぼんやりとした、意識]
(なんかこれって、ただの濡れ損?)
[それどころではない、という認識はなくて]
(……ちぇ……行きたかった……な)
[川の先、『堰』の先。
ココロの隙間に入り込んだモノ。
それから聞いた話を思い返す]
(……なー)
『…………』
(見てみたかった……なぁ)
『……ああ……』
[ぽつり、返る、呟き。
それきり、ナニかは黙りこみ。
少年の意識もまた──闇へと、堕ちる。
それでも、右の手に握る、てるてる坊主は、放す事はなく]
[古き魔のヨリシロとなっていた少年は。
水の流れに抗う事無く。
やがて、越えようとしたモノ──『堰』たる岩に、その身を預け。
ゆらゆらり。
揺らぎながら、狭間を漂う**]
[ぼんやりたゆたう、闇の奥。
響いてきたのは、誰かの声]
「――沈むな、タカハル !」
[とおいような、ちかいような。
ただ、なんとなく──それから、遠ざかっちゃいけないような。
なんでか、そんな気がして。
ゆらり。
闇の深い方へ堕ちかけていた意識が、少しだけ、光の方へと動く]
(……沈まなかったら……)
[何か変わる?]
(……沈まないなら……)
[何処かにいける?]
(……オレは……)
[どこに いって なにを したい?]
(……わかん、ない……)
[意識はもう少し、彷徨いの内**]
[彷徨いの中。聞こえてくるのは、ナニかの声]
『……望み、は。我らの望み、は』
(オレは、そとに、いきたい)
『我は、縛から、逃れたい』
[なら、一緒に目指す。
切欠なんて、その程度。
けれど]
(越えらんなかった、な)
『越えられなかった、な』
(……このまま……消えちゃうんかな)
『……消えたい、か?』
[疑問に返るのは、問い]
(消えたら。
……どこか、いける?)
『消えたら。
……なくなるだけ、だろう』
(……そっかぁ)
『……そう、だ』
[ゆら、ゆらり。
揺らぐ、ゆらぐ。
ゆらぎは侵蝕をほんの少しずつ、緩めて。
本来二つの存在だったソレらを、あるべき姿へ戻してゆく]
(なくなったら……)
『……望みは、二度と、叶わぬ、な』
(それ、やーだなぁ……)
『……なら……どうする?』
(…………わっかんね)
『……我も……わからぬ』
[互いに、わらう。声はない、けど]
[どこからか、聞こえる泣き声。
沈んでいたモノたちがゆれる、ゆらぐ]
『……喧しい……』
[何気に、酷い物言いの後。
ゆらり、立ち上る、ぎんいろのひかり。
それは陽炎のよにしばし揺らめいて。
やがて、半透明の姿を形作る]
『……つかれた。ねむい』
[誰にともなく、一方的な言葉をぶつけて。
現れたソレ──銀灰色の、三本尻尾の小さな狐は、眠る少年の横で、身体を丸めた**]
[不安定だったひとつはふたつに戻り。
やがて、目が覚める]
……んー……。
[目蓋越し、感じる光が、眩しい。
何度か瞬いてから、起き上がった。
身体が重いのは、濡れたからか、それ以外の要因のためか。
ぼんやりしながら周囲を見回したなら、目に入るのは、三尾の銀狐]
…………。
[傘を飛ばして、何もない、左手。
そっと伸ばして、ソレを抱え込んだ]
あー……。
[左腕には、銀狐。右手には、てるてる]
どーすっか、なぁ……。
[まだ少しぼーっとしたまま、空を見上げて。
ぽつり、小さく呟いた**]
[それで悩んでたら、当の銀狐が尾を踏まれ]
……正気にっていうか、分離したっつーか……。
つか、足! 足、どけて!
[じたばたもーどに、ちょっと焦った声を上げていたり]
……え?
なんもねー、って。
[自分には、じたじた振り回される三尾がきっちり見えるわけで]
……見えないん?
[とりあえず立ち上がりながら、問いかけてみた]
え、だって、ここに……。
[左腕に抱えた銀を見て。
それが隙になった]
ちょ、ま、ガム兄、いたい、いたいっつーに!
[ぐりぐりされてじたばた。
両手が塞がってるので、抵抗できなかったり。
銀狐もばたばたばたばた、尻尾振り回し]
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