情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了
『あ、ネギヤ―?!』
[通りかかった「グレート・ブリテンおよび北アイルランド連合王国」の
屋根の煙突の先でもがいている、餅っぽい影はネギヤだろうか。]
おやまあ…
[煙突から出たそれは、
不安定に屋根を渡ろうとして、[庭園]の方へすり抜けて行ったようだ。*]
―河原・タカハル&ンガムラ漁の後―
ありゃ、まあ、ギン坊…。
[もはや透けていないギンスイの身体。
目を丸くする。
確認のため近寄りかけると、草履の先で小石が音を立てた。]
ありゃ、まあ…。
[両手を、身体を見下ろす。
もういちど石を蹴れば、確かな感触がある。]
……もどってきたんかぁ。
[いつもどおりの腰の痛みが現実感を伴う。
眩暈の感覚を覚えて、手近の大きな石へ寄りかかり、ぼおっとしていた。]
[己の内からナニカが浮き上がる気配。]
[ふわり。
ソレは、タカハルを覗き込む。]
『どうしちゃったのかしら。
どうしちゃったのかしら。
ここにいるのに、なんだか遠いみたい。
どうして こうなっちゃうの。
わかんないわ、わかんないよぉ。』
『ヌイには、願いを叶えない手だって、ゆわれたの。
アンには、とおせんぼ されたの。
[「晴れたらあーそーぼー
晴れたらまたあーそーぼー」
内がわで、蘇りこだまするアンの歌声。]
どうしよう。
これから 好きになってもらいたいのに、遊んでもらいたいのに、
このあと どうすればいいか わからないわ……』
[己の所業、反省もせずに、身勝手に泣いていた ひとならざるモノは、]
[混じり合っていた気配が変容するのを感じとり。]
……あれ。
[少年と、三本尻尾の狐へ、忙しなく頭を振り向け]
もう いいの?
[ぽつり、問いという程でもない。]
[どーすっか、なぁ……という、先をおもう、少年の声の響きに、ふらりと揺れ。」
[振りかえったヌイの顔色を認めて悄然と縮めると、
いよいよ老婆から離れ、川面へと風に流されて行く* ]
[黄蜂ぶーん]
[なぜかそばで、ロケット花火ばーん。]
……やかましかっ!
[原因を悟り、ンガムラの無事を認めれば。ホズミと、ついでにンガムラも怒鳴りつけた。
それから]
…わしゃ、蜂は、好かんわ。
[耳元を過ぎて空へ上って行く蜂。
それでもまだどこかから羽音が聞こえるよう。]
[きらめく蜂の羽が飛び行くのが、どこか流れ星にも似て見えて。]
いべんとの、あんころ餅の当たりが、
あたりますように。
[小さく小さく、そんな願いごとを口にした。]
[自分の、いべんと、の言葉に、ふと]
今年ももう、トランクス音頭の時期じゃのう。
アンやおキクたちのトランクス姿が楽しみじゃわ。
[トランクス音頭を踊る際には、トランクス着用するみたい*]
[すると、タカハルの謝罪が。]
…あ?
[憑かれていた間は意識が混濁していた。彼らとの会話は思い出せたとしても、ぼんやりとしたもの。]
川へ飛び込んだのは驚かされたわい。
……まったく。
[べしり、タカハルの頭をひとつ撫でる。老婆にしては、強い力で。
てるてる坊主は少し色あせて、巾着に下がっていた。]
まあ、わしもおかしなのに憑かれておったようじゃ。あまり、人の事を言えんかのう…
[心配かけたなら悪かった、とまでは告げられない老婆だが。言葉尻が窄んで、心の内を表す。]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了