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全ての者は、神ですら思い通りには動かせない。
だから全てが物珍しく、面白く感じる。
――そう思わない? クインジー。
[ひょっこりと相手の視界に映り込んでは、
人懐っこい表情を浮かべる。
含みを持った笑みで。]
だから空を形に出来ないから別なものを形作ることも、
ひとつの選択なんだと思うよ。
――例えばその像が、すこし細面になったのもね?
[男の手で形付けられる姿を一瞥して]
そう言えば、クインジーはもう聞いた?
アーヴァインの話。
[形造る男と、他愛の無い話を二つ三つ。
見回るアーヴァインについては、
可もなく不可もない話で終わりを迎えた。]
空――…か。
[ふと、天を仰いで小さく呟く。
澄み渡る美しい空は、形をそのままに、
しかし何処か不穏な空気を。
――幽かに孕んでいる様に思えた。]
気の、所為かな?
[じわりじわりと嘲笑うかのように滲む黒い薄雲を、
思い過ごしとして片付け、小さな村の中を歩く。]
ヒューバート…? 今、帰ってきたの?
[見慣れた後姿が家路に着く前に間に合えば。
村外の噂話などひとつ、好奇心で*強請っただろう*]
「お利口」だなんて…。
ウェンディじゃあるまいし、子ども扱いしすぎだよ。
[ヒューバートの、細められた視線を見上げる。]
商売は、それなりに上手く行ってる?
…えっと、「美術商」だっけ?
この村にはちっともそぐわない商売だけど、
村の外だと固定客とか沢山居そうだよね。
[瞳には、羨望にも似た色が滲んでいる。]
「年寄り」から見たら。
僕もウェンディも、大差ないって事?
[唇の端に毒を潜ませて。
降参するポーズに、洩れるのは溜息ではなく苦笑。
一息吐いて]
…え? これ、貰っていいの?
ありがとう、ヒューバート。
[差し出された細身のペーパーナイフに、
視線は引き寄せられる。
凝った造り、細かく再現された夜鳥を指でなぞる。
何処かすれ違う視線の行き先に、*気付く事はなく*]
――南の町?
[「うわさ」。
その言葉に少しだけ引っかかるものを感じるも、
梟の彫り物が珍しくて仕方が無い。]
そっか。梟ってそんな意味があったんだね。
じゃぁ、このナイフは僕にとってお守りになるね。
――へへっ、後でハーヴェイにでも自慢しようっと。
ありがとう、ヒューバート。
貴方にも、災いが降り懸りませんように。
[家路に着く後姿を見送りながら。
少年の唇は、祈りの言葉を小さく紡いだ。]
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