思えば奴と「遊ぶ」というのも覚えの無いことだな。
[一応、そのゲームとやらの事は調べてきた。
情報が正しければもう少し人影があってもよさそうなものだが]
……。
[食堂の入り口で立ち止まる]
まさか狸の置物まで参加させまいな?
[人とさして変わらぬ大きさの信楽焼と見つめ合う]
と。ちゃんとした人もいたか。こんにちは。
[食堂を覗き込めば先客の姿。
挨拶をすると「珈琲は飲むかね?」と勝手にお茶を始めようとする*]
[ネギヤが振るった料理を満喫し終えたところで]
おっ、やっと人が来たよー!こんにちは、俺はバクっつーんだ。ネギヤの兄ちゃんはガキの頃から世話になってるご近所さん。よろしくなっ。
大人のひとだ……ネギヤの兄ちゃん交友関係広いんだなあ。
珈琲は砂糖どっさりがいいな。苦えもん…
[簡単な自己紹介後は共にお茶を始めて、軽いノリで「雪道辛い」「迷ったぜ」「ゲームどんなだろうな」等の他愛のない話をべらべら話しかけながら他の客を待つだろう**]
没収って、何それ。
[愛用している携帯電話を没収されてしまう]
……信じられない。
[本来、流行の風邪にやられた父の代理で参加させられている。
父親の仕事仲間という、顔も見たことない相手のゲームとやらに付き合わさせるだけでも不満なのに、愛用している携帯を没収されてテンションはかなり落ちた]
……だいたい、なんでわざわざこんな山奥の別荘なんかでやるのかな。
ちょっと調べてみたら、カード版とかもあるみたいだし、いいじゃん、それで……
[独り言を呟いていたら、他にも人がいることに気づく]
……あ、白瀬 杏です。
よろしくお願いします。
すまないがそこをどいてくれないか。
[そこは食堂。
ぼうっとしてるアンを椅子ごと足蹴にしてスペースを確保したかと思えば、軽快な槌音を響かせてオレンジ色のテントを設営し始めた。]
いやぁ。
良いロケーションだ。此処は良い。さすがネギヤの食堂だ。**
ちょっと、ネギ兄!
人手不足っていうから来てやったら、いきなり携帯没収ってどういうこと!?
……は?
[ドアを開けた途端、目の前に立ちはだかったオレンジの三角に勢いを殺がれ立ち尽くす*]