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[瞳を閉じれば、甘い匂い。
ごうごうと流れる水の音。
眠らずとも黄泉の気配はすぐ近く眼裏に。
夢ではない。
自分は今もその河にいるのだ。]
<うふっふ…> ≪ふふ…≫
<…あはっはははは>
≪くすくす≫≪きゃはっははは≫
<助ける?>≪くすくす≫≪ふふ…≫
≪できるのかしらね?≫
<うふっふ…さあ?>
≪見守りましょう≫
<今は静かに>
[息を深く吸った。
甘い匂いの奥に微かな泥の匂い。
水のなか、流れに逆らい立つ。]
ずっと、ここに居たかったの。
誰も喪いたくなくて、どこへも行きたくなかった。
<<<<なんてこと!>>>>
<あと少しだったのに><そう…あと少しで>
≪乗っ取れた≫
<そう…あと少しで乗っ取れたのにこの子の身体>
≪邪魔された≫<そう…あと少しのところで邪魔された>
俺さ、幽霊とかは駄目だけど…
さっきまでいた、木下や木島は、
なーんも嫌じゃなかったし、むしろ消えちまって寂しい。
来生も消えちまったら寂しい。
木下や木島がゾンビだったとしても、だ。
腐って目がどろーとかなら話は別だが…。
≪…ねぇ、どうする?≫
<これからどうする?>
≪消してやるの≫<そう…消してやるわ>
<邪魔されたもの>
≪もう、言うことを聞かないわ、この子≫
<<こんな身体…>>
<<<<もういらない…?>>>>
≪だめよ!≫<あんたはどっちの味方なの>
≪…ねぇ、どうする?≫
<我らはミサキにて>
<神と人の間におり>
<神の使いでもあり><呪神でもあり>
[モミジの言葉に苦笑した。]
ふっ…あははは。
心だって?心の中で生き続けます?
記憶なんて…俺は永遠じゃねーと思うけどな?
例え忘れねーっつても、
今そこに居るのと心ン中に居るんじゃ話にならねー。
それを同レベルで語るなよ。
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