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─ 宿屋前 ─
ほうほう、ンガムラさんは化粧師をなさっておいでですか。
私ですか。いや、雑誌を作っておりました。
[身体を壊して、休職。静養のために両親の郷里であるこの村に来たばかりである事、体調が戻れば、また東京のポンチ絵と扇情的な読物を掲載する雑誌作りに帰るつもりである事などを語る。]
──ああ、貴女は、このお宿の方でしょうか?
先生に、ツキハナまで?
[集う顔ぶれに、さすがに声が低くなる。
手の中の羊羹を見つめて呟いた]
ゼンジさんが、お茶を淹れてくれると思います。
編集者さんも、どうぞ中へ。
お夕飯もすぐ用意しますから。
[薄暗い廊下を静かに進んで、台所へ**]
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