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[食べ終わればジュンタが慌てたようにテーブルにお金を置き、何か変だと店を出ようとするジュンタの後を慌てて追う。]
あんまりオムライス美味しくなかった?
[ジュンタがおかしいと言っている意味が分からずとんちんかんなことを尋ねる。]
人がいない…?
あ…言われてみれば、誰もいないね。
親とかいるかって…。
[確かに回りを見渡せば先程と同じように雪はひらりと舞い続けているのに、人の気配は感じられない。
気にし始めれば、音のない世界に耳がキーンと痛くなる。ジュンタの言葉の意味がわかればこくりと頷いて]
うん。家に帰ってメールする。
[彼にそう告げて自宅へと慌てて駆けて行った。]
−回想:終−
[誰もいないと思っていたはずの場に。
黒髪の少女が立っていた。
自動ドアの無機質の音だけが響いている。
その背後には変わらず落ちる雪。]
……何か用?
[少女がとつとつと語る話。
同じ制服のところを見ると同じ学校の生徒だろう。
けれど、覚えているはずなんてなく。]
……馬鹿馬鹿しい。
[言うだけ言って、姿を町へと消していく。
その様子にただ一言そう呟いた。]
―学校・理科室―
[誰もいない学校で、俺は女を探していた。一人は先ほどいなくなったアン。もう一人は………]
ち、昼過ぎじゃ、もういねぇかなぁ。
[一休み、と理科室の机に寝転んだ。]
[けれど町に人がいないことは事実であり。
このコンビニや町自体がおかしいことは否定できない。]
でも…おもしろいことなら大歓迎ね…。
死者だかなんだか知らないけれど。
これ、掲示板に書いたら面白いかも。
[鞄をガサゴソと漁り、携帯電話を取り出す。
携帯についている、水色と透明のビー玉のストラップ。
それが音を立てて揺れる。
いつもなら煩いぐらいに鳴る携帯電話が、今日はその様子を見せることもない。
それは、構わないことなのだけれど。
少し寂しいような心地もして。]
あれ……なんだろ…電波悪いのかな…。
おかしい…ちゃんと3本立ってるのに。
[いつもの掲示板にアクセスが上手くできずいる。]
もう暫く…時間を置いてみようかしら。
[店内に人がいないガランとした様子を携帯のカメラに収める。
それから普段は入れない、STAFFONLYとかかれた所も、人がいないかを確認するため入る。
案の定、誰もいない。]
………あの人の言う通り。
だけで、どうにも嘘くさいなぁ。
やっぱ夢でも見てるのかしら。
[そのまままた、店内に戻り。
適当にジュースとお菓子を袋に入れて、店を出ようとする。]
[入り口の辺り、はたと立ち止まる。
しばらく無言でその場で俯く。
何か考えるようにして、視線は床から自分の持っている袋へと。
そのまま袋をしばらく凝視する。
何かを決めたかのようもう1度店内へ。
レジのところで財布を取り出す。
自分の財布から1000円札を取り出し。
それからノートにを破いて、メモを書く。]
『商品もらいました。お代です。』
[1000円札とメモが飛ばないよう、レジにあったチョコの箱を重しにした。
ついでにそのチョコを3つほど頂戴する。]
…1000円ではないだろうけど。
ま、いいよね、誰もいないのが悪いし。
[今度こそ店を後にする。]
[昨晩家に戻り、ジュンタへ両親がいないという内容のメールを送った後に眠りについた。
目が覚め大きく伸びをして外を見れば降り続いている雪。そのまま階下へ降りていっても両親の姿は見えない。]
なんでいないの…。
[はっと隣の家へと走り、インターフォンを鳴らす。反応はない。ジュンタの言葉を思い出す。]
ほんとに誰もいないのかな。人も歩いてないし。変なの。
[家に戻る途中、目の前に黒髪の女の子が立っているのを見て少しほっとする。]
あ…昨日お店で…。
[唐突に目の前にいる少女がなぜ誰もいないのかについて話始める。口から紡がれる内容はとても信じられる物ではなくて]
な…に、言ってるの?そんな話嘘でしょ?
[語るだけ語ってどこかへ消えていく彼女の背中を呆然と見送り、はたと思いだし自宅へと戻る。
携帯を取り出し仲の良い友達数人とジュンタへとメールを送る。]
宛先 ジュンタ
題名 誰もいない…。
内容
朝になってもパパもママもいない。お隣のおばさんもいないみたい。
それにさっき黒い髪の女の子が誰もいない、消えたって…。
どうなっちゃってるんだろ。
[そうメールを送って返信を待つ間に出かける準備をし始めるだろう。]
[少し古い歌の着信音が鳴っている。美夏ちゃんからのメールが届いたようだ。内容を確認して、クラス中の人間と美夏ちゃんにメールを一斉送信した。]
11/1 SUN
宛先 美夏ちゃん 和志 イマリ 武志………
件名 緊急連絡
内容
誰がいる?いる奴は連絡してくれ。
会いに行きたい。
[制服を着るか着ないか迷って時間が昼過ぎなのに気付いて私服を着る。着信したメールを確認すればジュンタからのみで。]
チカコ達も消えちゃった…?
[ぶるっと身震いをして、まずはジュンタにメールを返す。]
宛先 ジュンタ
件名 Re:緊急連絡
内容
ミナツはいるよ。
他の友達にも連絡してみたけど誰からも返信がないの。
どうしちゃったんだろ。あの女の子の話って本当なのかな?
[ぽふっとベッドへ携帯を投げ、窓の外を誰か通ったりしないかとじーっと見つめる。]
宛先 美夏ちゃん
件名 多分本当だと思う
内容
俺今学校にいるんだけど、誰もいねぇんだわ。
イマリとズイハラさんは、昨日一緒だったよな?
だからあの二人はいると思うんだー。
他、誰かいないのかな?四人だけの世界?(笑)
宛先 ジュンタ
件名 そっか…。
内容
うん。きっとその二人はいるよね?
4人だけって、他にも誰かいるのかな?
ジュンタ、学校にいるんだ。
じゃあ、私もそっち行く。寝坊して学校行きそびれちゃった。(笑)
宛先 美夏ちゃん
件名 寝坊助さんへ(笑)
内容
四人だけって事もないだろうけどね。
誰がいるかの見当はつかねぇ。
おぉ、学校にいるよ?
美夏ちゃんいるかなーと思って来てみた(笑)
待ってるから、おいでよー。一人の学校はこぇーよー
[学校へ向かう途中、自分と同じ制服を着た先程の黒髪の少女とは違う少女を見かけた。声をかけようかと悩んで、話かけたかもしれない。
話しかけることに成功していれば、学校に他にも人がいるからと伝え、マシロがいやがらなければ一緒に学校へと向かうだろう。]
宛先 ジュンタ
件名 どこにいる?
内容
学校についたよー。
ジュンタどこにいるの?
[メールを確認し、理科室へと。からりと扉を開ければ長い机の上で寝転がっているジュンタの姿。]
ほんとに誰もいないね。
皆どうしちゃったんだろ…。
[寝転がっている彼のつむじを前日と同じように人差し指でぐりっと押しながら声をかけた。]
[頭をぐいっと押されたら、ぴょこっと起き上がり]
さっきまではいたぜ。アンが。
[と、美夏ちゃんの方を見た。マシロがいたなら]
あれ?マシロもいたんだ?
[などと声をかけるだろう]
[アンという名前にこてり首を傾げ、マシロも一緒に来ていたなら]
うん。途中で会ったの。
ところでそのアンちゃんって子は?
せっかく学校に来たのに誰もいないなんて、がっかりだね。ジュンタ。
[知った顔に会って、少しほっとしたのかくすりと笑い冗談を言う。]
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