よし、そうと決まれば早速剣技の鍛錬をしなければならないね。
誰が相手だろうと僕の敵じゃあないだろうが、それでも備えは怠らない。
我ながらパーフェクトだ。
[せいっ、せいっと屋上で突きを繰り出すその手に握られているのはクーラーのリモコン。Wiiリモコンと勘違いして校長室から持ち出したらしい]
[せいっ、せいっ、と振りぬくリモコンのボタンに指がかかる。ピ、と音がして暖房の表示が灯った。職員室から聞こえてくる悲鳴を合図に稽古を中断する]
そうだ、学園の敵もさることながら、この暑さへの対策もしなければならないね。
………爺、夏になると巷では、流し素麺という行事が人気だと聞いた。それを皆にプレゼントするというのはどうだろう?
む? 何か踏んだかな?
[足をどけると教室のクーラーのリモコン。お約束どおりの暖房表示]
ああ、うぃーこんとろーらーか。
[すぐに興味をなくし、紅茶のゼリーをすくうと口に運ぶ]
あまーい。