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お誕生日おめでとう。
地球があなたの誕生を祝福しているよ。
[ふ、と短く息を吹き付けて、“レン”の炎を消した。
火が消えたとき特有の匂いが鼻腔をくすぐる。
闇はまた一段と深くなった]
地球の誕生日はいつだろうね。
[感情が見て取れぬレンの顔を眺め、微かな笑みを*浮かべた*]
ありがとう。誕生日……か。
[ソラに何かうまいことを言おうかと思いつつ悩んでいるうちに炎を消されてしまい、あわてて口を開く]
オレはソラさんの居場所が見つかって、幸せになることを祈ってる。
[ふーっと息を吹きかけて、”ソラ”の炎を消した]
間に合って、良かった。
[蝋燭が消えると同時に、ぴゅうと消えてしまう気もしていたので。
ほっとして、ソラに笑みを返す]
地球の誕生日は、今、でいいんじゃない?
―ひとりの部屋―
[目覚めると、柔らかな光がにじむカーテンが遠く見えた]
ふぁ……。
[起き上がって大きく伸びをすると、左手が引っ張られる感覚。
振り向くがそこは壁だ]
んー?
いい天気。
[窓枠に腰掛けて、苺ジャムを乗せたトーストを頬張りながら階下を眺める。
おもむろに、ジャムを指先に付けて見つめた]
新しい今日におめでとう。
[抑揚のない声で呟き、赤い指先に息を吹き付けて舐め去る。
やがて身支度を終えると、次のオーディションへと向かい出した]
−?−
[”ふぁーあ……ねむいな……寝てていい?”
合成音声がえんえんと間抜けな声を繰り返している]
寝てていいよー。
[目覚ましにのんびりした声が答えて、布団から伸びた手が頭を叩くと声はやむ]
[”ふぁーあ……ねむいな……寝てていい?”
目覚ましのスヌーズ機能が再び喋り始める]
……。
[あきらめたように布団から起き上がり、金髪の首をこきりと回し、仕様どおりの無残な姿にする。
”人狼なんているわけないじゃん。みんな大げさだなあ………。”
”あぅ。”
最後にそう言うと、目覚ましは沈黙した]
どういう目覚ましなんだこれ。
[半身を起こして、ぽりぽりと頭を書く]
もう、5年も建つってのになぁ。今更夢に見るとか。
[長い夢を見ていた気がした。
瞬きをして首やら肩をくきくきと鳴らし、大儀そうに起き上がる]
何で今頃なんだろうね。
正夢、なのかな…………?
[子供の頃から幾度となく見た正夢を思い出すが、軽く笑って頭を振る]
まさかな人狼に食い殺される夢なんて。
絶対チカノの贈り物の仕業だ。
[大人気との触れ込みの”ゲルト目覚まし”。
全くもって趣味が*わからない*]
─?・キッチン─
[火の気の無いキッチンで家政婦の猫村さんに挨拶をする。残念ながら人なのだが。
コーヒーを入れてもらってのんびりしていると、背中に聞きなれた妹の声が聞こえてきた。
キクノに朝の挨拶を返して、タカハルのことを聞けば朝練だと言う]
大きくなったもんだなー。
[キクノに口をへの字にされて、じじむさいと言われつつもどうしても感慨に耽ってしまう。
──そこで夢を思い出す。タカハルとキクノ。
夢の中で自分は弟と妹になっていた。
なりたかったのだろうか──庇護される対象に。
口の端に笑みを浮かべてわずかに頭を横に振る]
そういえば、お前さ、和菓子の洋菓子化に反対してたよな。
[キクノはこくりと頷く。
近年の和菓子の売上の低下。洋菓子──スイーツへの流れ。職人の反発と若手の後押しに挟まれていて、あんまり寝ていなかったかもしれない]
無理して変らなくてもいいのかもな。うちはうちだし──な。
[一番自分が逃げてしまいたかったのは老舗の和菓子屋を継いだ頃だと思っていた。
その頃は山のような重圧に耐えつつ、がむしゃらに、何とか片付けてきた。
新たな一手を打とうかと言う時に、逃げたくなるって言うのは何だろうか]
焦ったのかもな。ま。羊羹でも食いながら、ゆっくり考えるか。
[猫村さんに入れてもらったお茶と羊羹を食べていると、朝から羊羹なんて太るよ、とキクノが笑う]
お前少し太ったほうがいいんだよ。まじめな話。
ほら、ソラさんみたいに──。
[それは夢の中に出てきた女性。
誰よと聞かれて、少し口ごもれば何か誤解をされたよう]
イヤイヤ。ええと、知り合い。
[適当に答える。
さらに誤解されているかもしれないけれども、なんとも説明のしようがない]
ほらキクノ時間だしそろそろ行かないと遅刻だぞ。
[無理やり話を切り上げてキクノを見送る]
じゃあオレも行ってきます。よろしくお願いします。
[猫村さんに挨拶をして家を出る]
森を出て、駿河の国に出なくてもいいか。
[吹いてくる風に目を細める。
夢で感じたような、涼やかな風]
のんびり行こう。無理に変らなくてもいい。
[楽しそうに笑いながら、歩き出す。
変えないことでまた何かあるだろうけれども、*実に迷いがなく*]
―マンションの一室―
[いまいち弱々しいベルの音が響いている。時々途切れかけながらも、そのベル――四角く小さな目覚まし時計――は、部屋の隅、机の上、倒れる気配も、仕事をやめる気配もなく]
……う、……
[机に突っ伏していた男が、ふいに身じろぎ。少しの間を置いて、またやや動く。それから緩慢な動きで片手を目覚ましの方へ伸ばし――ぴたり、とベルが止まった]
……。
[ゆっくりと瞼を開き、顔を上げ、尚ぼんやりとした様子で周囲を見回す。ずれた眼鏡を押し上げてから、ふう、と小さく溜息を吐き。
顔と腕の下敷きにしていた原稿用紙、そこに書かれた文章――隣人がいつの間にか未知の生物と換わっていたという内容の小説だった――を見下ろして]
……こんなものばかり書いているから……
あんな夢を、……
……どんな夢、だったかな?
[独りごちる言葉の最後は、疑問系だった。
覚醒を促すように軽く頭を振り、男は椅子から立ち上がる。閉め切られたカーテンを開けては、日の眩しさに目を細め]
[何か、化け物になっていたような気がする。そして大抵お腹が空いていて、何だか、甘いものが美味しかった。それか、食べたものは皆甘かった、か?
そんな事を考えるでもなく考えながら、男は台所に向かい。やがてコップ一杯の水を手に机の傍へと戻ってきて。コップを机上に置くと、引き出しから内服薬と書かれた袋を取り出し、開きかけて――]
……ん?
[電話が鳴る音に、動きを止める。
袋を一旦机に下ろし、電話がある方へと歩いていき]
[がちゃり。電話がとられる音]
……はい。石田です。
あ、……朽木さん。
寝て……いえ、はい。寝てました。
今日、ですか? ええ、私は……大丈夫、ですが。
[しばらくの間、会話が続き]
はい。
では、また後程。
[通話が切れる音。がちゃり、と受話器を置いて]
ー日本家屋の広間ー
[最後の蝋燭を消して数回瞬きすると、目の前に闇が広がりました]
さようなら、にせもののお母さん。
[リウに別れを告げると、暗闇の中に瑠璃色の丸い目が二つ]
瑠璃。お前も一緒の夢を見ていたの?
[瑠璃と呼ばれた黒猫は、少女の頬をぺろりとなめて、大きなあくびをしーー引き戸を開ける音がすると立ち上がり、にゃあと鳴きました]
お母さんかな?
[ただいま、という女性の声に少女は起き上がり、玄関に向かいました*]
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