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ゆり?
んー……話したことはあんまねーけど、当時の顔なら。
[考えるようにしながら記憶を呼び出して、飛鳥の問い>>36に答える。風音荘に遊びに行ってたものの、専ら学友のところに行くため、その子と顔を合わせるにしても、数回程度だった。当然、今も連絡を取っている、なんてことはあるはずも無い]
呼ばれてる気がした、か。
あっちに居る時に過去を見たりはしたから、それと似た感じな体験でもしたんじゃないか?
となると、ここでもワスレモノ探せるかもしれねぇか…。
[もうワスレモノを探せないと思っていたが、そうでもないかもしれないと思い直し。考える間に飛鳥に背を叩かれる]
っと。
ん…そうだな。
ああそれと、チカもこっちに落とされてっから、チカも探そうぜ。
[誰か居るかも、と言う話には確定で名前を挙げ、移動し始めた]
[飛鳥としばらく移動を続けて。その途中でふと異変に気付く]
……あれ、そーいや……。
[少し前まで聞こえていた声が、祐樹の声が聞こえない。数は多くなかったが、それまでぽつぽつと聞こえていたものが全く届かなくなっていた。力を使ったなら結果を呟くはず。その結果が聞こえてこない]
ってぇことは……。
[考え得る可能性に半目になって頭を掻いた。その様子を飛鳥に問われたなら、溜息を零しつつ]
どうも、祐樹も狭間に落ちたっぽい。
俺と祐樹、あの兎に力押し付けられたせいで離れててもお互いの声が聞こえるようになってたんだけどさ。
俺がこっちに来た後も聞こえてたのに、今は聞こえねーんだ。
多分、祐樹も落ちたからだと思う。
[自分も狭間に落ちてからは祐樹に声を届けられなくなっていた。こちらに来てしまうと声の疎通が出来なくなると考えるなら、可能性は高いはず]
祐樹も探そう。
アイツのことだから心配ねぇとは思うけど、あっちで何か進展あったかもしんねぇし。
[情報交換のために探し出そうと、探し人に祐樹も加えて辺りを散策した]
[何度か曲がり角を折れて、辺りを見回しながら歩み進む。と、その矢先、名を呼ぶ声>>102が聞こえて、ハッとそちらを見た]
祐樹!
と、それにチカも!!
[探していた人物が両方ともそこに居て、驚きと共に安堵の色を表情に載せた]
あー、良かった、無事に合流出来て。
こっちは何ともねぇよ。
チカも大丈夫だったか?
[祐樹に大丈夫かと問わないのは、問題無いと思っているからこそ。それから祐樹に視線を向けて]
お前が来たってことは、他は落ちてないはずだな。
送り込む奴がもう居ねーし。
………しっかし、この先どうする気だ、あのクソ兎。
[2人ともこちらに来た以上、『仕事』を続けることは出来ない。時計へきちんと力は届いたのかすら分からない。溜息をつきつつ眉根を寄席、苛つくように後頭部を掻いた]
[音が消えた直後、急に世界がぐるりと回る]
ぅ、わ!?
[視界が回る不快感に思わず声を上げ、瞳を瞑った。それからしばし後、ゆっくりと瞳を開けるとそこには]
………戻って、来た?
[立っていたのは駅前公園の中。目の前には一部が壊れた子供の像がある]
終わった、かぁ……。
何か、長かったような、短かったような。
…どっと疲れた。
[言って大きく息を吐いた]
皆大丈夫か?
[傍に居た者達に声をかける。狭間に居た者以外にも居たかも知れないけれど、無事が確認出来たなら安堵の息を漏らした]
……あっ、あんのクソ兎殴るの忘れたっ。
[「ワスレモノ探し」以外の遣り残しを思い出し、ぐっと拳を握った。おそらくはもう目にすることは無いのだろう。あの兎がまたヘマをしない限りは]
ま、一段落した、ってことなんだな。
大事にならなかったんなら良いか。
[色々あって疲れたのもあり、そう言って切り上げることにする。それぞれの無事を確認したなら解散して、自分は公園傍の道端へと向かった]
あー、やっぱあった。
[そこにあったのは飛ばされる前まで持っていた乾物屋の袋。10年前に飛んだ時には既に手に持っていなかったから、落としたのはここしかあり得なかった]
そんじゃ家帰りますかね。
[自分の「ワスレモノ」がなんだったのかは分からず終い。けれど確認してみたいことはあったから、そのまま家路を急いだ。その後、買い物をして来なかったことで妹に批判されるのはまた別の*話*]
─ 後日 ─
[ある程度の調合を終え、店番をするその最中。暇を潰すように捲るのは、古めかしいノートのページ。それを見ながら別のノートに新たな文字を書き連ねていた。書き記すのは、いくつもの系図のようなもの]
あそこん家って同じ症状発症するんだな…。
てことはこれとこれが併発する可能性もあって…。
[祖父が書き残した治療歴のノート、それを紐解き読み込めば、様々なことが見えてくるようになった。これまでの治療歴とこれからの治療歴、それらを合わせれば、この先どんな病にかかり易いかも見えてくる。祖父が培って来たものと、自分が大学で学んだことを融合させた結果だった]
───ふー、ちょっと休憩っと。
……あれに巻き込まれなきゃ、こんなのがあるなんて知らなかったよなぁ。
[傍に積んだノートの山。それを見つめながら小さく呟く。蔵から引っ張り出してきた祖父の治療歴ノート。祖父が死んで以来、片付けたそれを開こうとしたことは無かった。単なる祖父の遺品で、読む必要がないと思っていたからだ。けれど10年前に飛ばされたあの時、祖父の書斎でそれを目にし、戻って来てから確認して。読み込むことでそれが如何に重要なのかを初めて知った]
でもなぁ、これが「ワスレモノ」って感じはしないんだよな。
そもそも知らなかったことなんだし。
[あの時見つけられなかった「ワスレモノ」は未だ見つからないまま。祖父が遺したはずの、自分宛の封筒すら見つけることが出来なかった。あの封筒が仕舞われた小箱は一体どこにあるのだろうか]
…まぁ、考えても分からないことは分からない、か。
これがあるって分かっただけでもめっけもんだろ。
[「ワスレモノ」は見つけられずとも、大切なものは見つけた。これから先、自分が店を続けるために必要なものが]
──あ、こら。
そっちに入るなっつってるだろー?
[座ったまま伸びをした時、母屋と繋がる廊下から飼い猫が店の方まで入って来る。猫がそのまま扉を開け放していた作業場へ入って行こうとしたため、慌ててその身体を拾い上げた]
お前の毛が入るとダメだから進入禁止、OK?
[言いながら作業場の扉を閉め、畳に座って猫を膝に乗せる。頭から背中にかけて撫でてやると、大人しく胡坐の上に猫は丸まった]
ナツメは向こうで大人しくしてるのに、ツユクサお前は何でいっつもこっちに来るかね?
営業妨害は勘弁してくれよ。
[カウンターに肘をついて手に顎を乗せながら、胡坐の上に陣取る猫を見下ろす。猫は不満そうな態でぱたりと一度尻尾を揺らした]
[猫がこちらに来る理由がなんなのかは理解している。2匹共通でお気に入りらしい場所があるのだが、いつもそこをナツメが陣取り、ツユクサが負けて追い払われてしまうのだ。猫達のお気に入りの場所は、窓際に置かれたクロスのかけられた小箱の上。いつからそれがあるのかは覚えていない]
喧嘩しちまうなら、あれ取っ払っちまった方が良いかなぁ。
[その言葉に、膝の上の猫が不満げに、にー、と鳴き声を*上げていた*]
─ とある日のこと ─
そりゃーまぁ、一度受けたのはなかなか断れないもんだよ。
見合いなら尚更。
[愚痴を零す話し相手>>150に茶を用意しながら肩を竦める。あの日以来、柏餅のために来店する若いお客さまは、いつの間にか常連のようになっていた]
ひとまず会っておいでよ。
断るのはそれからでも良いんだし。
親父さんの面子もあるだろうしさ。
一回会った後なら「性格が合わない」って言って断るのも可能だしね。
[家族を大切に思う彼女のこと、こう言っておけば少しは素直に受けるようになるだろうか]
(この様子じゃあ相手の見合い写真見てないんだろうなぁ)
[くつくつと笑いそうになるのを柏餅を口に含むことで隠す。突然頭を横に振る仕草>>159も、一つのことを暗示しているように思えて可笑しくなった]
そらお茶、飲んで落ち着く。
[用意したお茶を差し出して相手の気持ちを落ち着かせようとする]
(当日が楽しみだなー)
[心の中で呟いて、自分もお茶を口にして。その日は何も言わず彼女を店から送り出した]
[そんなやり取りをした後。
見合いの当日、自分は気が乗らなそうな彼女をいつもの笑みで*出迎えたのだった*]
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