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そう、災いが降り懸りませんように――…
だって。あははっ! なんてばかばかしい。
こーんなちっぽけなツマンナイ村、
滅びたって構わないのに。
――ねぇ、君だってそう思わない?
……ハーヴェイ?
[薄暗い部屋で男の白い指は、
手にしたばかりのペーパーナイフを弄んでいる。
細工された梟には、真新しい鮮血がうっすらと塗られていた。]
そう言えばアーヴァインは何に気をつけろって言ってたっけ?
[赤い舌で、ぺろりとナイフに付着した血を舐める。
瞬時に鉄の味が口内に広がった。]
あぁ、「魔女狩り」に気をつけろって言ってたね?
[窓辺から遠のく、自警団長の後姿を見送る。]
ねぇ、物知りなハーヴェイは知ってる?
魔女狩りってなんなのか。
[無邪気に響く声が尋ねる問いに、
名を呼ばれ続ける男の柔い声は、もう既に過去のもの。
代わりに上がるのは、抵抗する術すら無くした、
地を呻くような声のみ。]
そっか。ハーヴェイも知らないのなら、
想像するしかないよね?
[少年は肩を竦めて首を傾げる。]
でもホント、魔女狩りってどんな事をするんだろう?
ちっとも想像つかないや。
あ、でも案外こういう事とかするのかな?
[言うか早いか、紙切刃とは異なる鋭い刃が、
宙を切る音が部屋に響いた。
同時に床に散らばる血液と、名を呼ばれ続けるだけの呻き声が、
無邪気に笑う少年の声と相俟って。
部屋の中を赤黒く*染めていった*]
[少しずつ、部屋に血腥い匂いが立ち込める頃。
シャーロットの声が階下から聞こえた。]
折角僕とハーヴェイだけの、
二人だけの楽しい時間を過ごしていたのにね。
邪魔がはいっちゃったみたい。
じゃぁ、ちょっと行ってくるけど、
寂しいからって泣いたりしないで、ね?
[濡れたタオルで自身の肌を拭くと、
くすくすと小さな笑みを零しながら。
何事も無かったかのように階下へ。]
――やぁ、シャーロットから尋ねてくるって珍しいね?
話って…何か*あったの?*
[集会場でまず目に入ってきたのは、
年齢をそこそこ重ねた男二人の奇妙な舞だった。]
――サバトでも再現するつもりですか?
縁起でもない…。
[溜息混じりに指摘する。
魔女狩りの再来と、奇妙な噂が飛び交うこの時期にと、
洩れる声色は、暗い。]
それに…如何見てもヴィン先生の踊りは、
恋のおまじないには効きそうでもありませんよ。
[空気の入れ替えと、開け放たれた窓からそよぐ風は、
どこか肌寒く、奇妙な気分にさせられた。]
へぇ、この村って魔女が居たんだ。
[次々に広げられる古書を一瞥し、
気になるものから手にとりページを捲る。
先を強請る少年の指先には、
拭い去れなかった他人の朱色の体液が、
所々赤黒く変色し、こびり付いていた*]
だ、大丈夫だよっ!
――あ、ごめん…シャロ。
シャロの手を汚したら…いけないと思って。
[伸ばそうとした厚意を一蹴して。
次の瞬間、滲むのはひどく後悔をした表情。]
…ヴィン先生も、ありがとう。
ちょっと、ね? ナイフで切っただけだし。
これ位なら舐めておけば平気。
[細心の注意を払って、医者の申し出は断り。
ポケットにねじ込んでいたハンカチで、
指先の赤を乱暴に拭った。]
寝ぼけていてね、ついうっかり…。
だから本当は恥ずかしくて、言い出せなかったんだ。
[囁かれた言葉に笑みを浮かべ。
乾いた唇は淡々と嘯く。]
優しいね、シャロは。将来いいお嫁さんになれるよ?
きっとね?
[最後は冗談めかして会話を結ぶ。
これ以上、自身の話題には触れられたくはない故の、
柔い防御を*施して*]
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