みどりのゆび ギンスイは、眠りに落ちる間際、聞こえた、糸、という単語を反芻した。*

みどりのゆび ギンスイは、タオルケットを被って、肝試しの幽霊のような格好で歩いている。

みどりのゆび ギンスイは、私立探偵 ゾウサクの動作をじぃっと見ている。パントマイムか何かを見る目で。

みどりのゆび ギンスイは、机の上の紙を衝立にして、ぽふり。学生気分を味わってみた。

みどりのゆび ギンスイは、卵を横からつんとつついた。

みどりのゆび ギンスイは、料理人がスコーンを持ってきたから、調理場があると考えている。

みどりのゆび ギンスイは、が、伝え方が分からないので、黙っている。

みどりのゆび ギンスイは、学生 リウとゾウサクのやりとりを、きょろきょろ見比べ。

みどりのゆび ギンスイは、鶏を抱えた。さすがに3匹は無理なので、1匹だけ。

みどりのゆび ギンスイは、片手に卵。片手に鶏。間違った仮装パーティの参加者のようだ。

みどりのゆび ギンスイは、養護教諭　小鳥 ヒナに、来る？というかのように鶏がコケ、と鳴いた。

みどりのゆび ギンスイは、私立探偵 ゾウサクのアドバイスに従い、鶏の目を覆ってみた。が片手なので半隠れ。

みどりのゆび ギンスイは、抱えた鶏にも、名前を尋ねてみようと目を合わせてみた。

みどりのゆび ギンスイは、しかし、ちいさな瞳できょとんとされるだけだった。残念。

みどりのゆび ギンスイは、茶羽（仮）との交流を諦めて、ヒナに倣って離してみた。

みどりのゆび ギンスイは、何処かで波の音が聞こえた気がした。

みどりのゆび ギンスイは、しかし、慌てて見失う前に鶏追跡再開。

みどりのゆび ギンスイは、「…！」鶏へ伸ばした手の先に現れた頭に、ブレーキが間に合わず

みどりのゆび ギンスイは、学生 ムカイにぶつかっても、鶏は守ったはず。たぶん。ぎゅむ。

みどりのゆび ギンスイは、肩をさすりつつ、鶏を抱えて、ほっ。しかし駄目だしされた。