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[みんなが腰掛ける。
みんな、疲れてきている・・・
自分は何をしているんだろう・・・
みんなが諦めずにドアを叩いていた時
みんなが部長を助けようとしていた時
自分は何をしていたんだろう・・・
答えは明白だ
なにもしていない
ぼくは・・・
ヨシアキとの会話を思い出す。
怖がってるだけじゃ・・・何にもならない]
[次、また・・・なにか起きたら・・・その時は・・・]
[周りの話は耳に入ってなかったかも知れない。
ただ一人で、何かを決めたようにほっぺたを軽く叩いた]
・・・?
[ぼくは・・・ここにいたほうがいいかな。結島先輩を一人に出来ないもんね
黙ってナオの近くに腰掛けて二人を見送った
でも・・・どうしたんだろ?]
・・・
[タカハルはそっと二人のいる教室の前から離れる。物音が聞こえたから伝えに来たのだが
そこで聞こえた会話
きっとあの物音は七不思議に関係するものだと思う。それに関わったら・・・きっと消えてしまうだろう。
タカハルは階段に戻り、ナオに伝える]
ちょっと様子を見てきますね。すぐ戻ってきますからここに居てください。先輩たちもすぐに戻ってくると思いますから。
[怖くなかった。と言えば嘘になる。でもそれ以上に・・・
タカハルは一段づつ階段を上る。
ナオがついてきていてもいなくても。
自分を止めても止めなくても。
その足は止まらない。
屋上に向かって]
[タカハルは屋上の階段についていた。まるで自分の意思とは関係の無いように足が動く。
疲れているはずなのに。走って。下って。上って。こんな事態に巻き込まれて。疲れているはずなのに。
タカハルは足を上げ、ゆっくりと一段づつ上っていく。上らされている?]
[一段上るごとに人の顔が頭に浮かんでくる。
親しくなれた人たち。
親しくしてくれた人たち。
守りたいと思えた人たち。
守ってくれた人たち。
なんだかんだで大好きな姉]
[九段目]
[・・・怖いよ]
[十段目]
[怖いよ・・・]
[十一段目]
[やだ・・・《そこ》には行きたくない・・・]
[十二段目]
[・・・たすけてっ]
[そしてまた一段]
[十三段目]
[そこに足を踏み込むと、目の前に黒い空間が広がった。扉のような・・・さっきまで屋上への扉が見えていたはずなのに]
・・・っ
[足が・・・止まらない]
にゃっ・・・ゃ・・・
[手が震える。懐中電灯が手から離れて・・・階段を転がり落ちた]
[それでも止まらない。止まれない]
たっ、たすけてっ!!
[その一寸先も見えない闇の中に足を――]
[闇の中から声が聞こえた]
オイデ……
オイデ………
コッチニオイデ………
[闇へと誘う甘い声。とても優しくて・・・冷たくて・・・怖かった]
おねがい・・・
「…――――――」
[最後に何かを言って。
タカハルは闇に消えた。
普通に階段を上るように]
[何事も無かったかのように元通りになる階段の下にあさっての方向を照らす懐中電灯だけが残されて]
―同刻 タカハルの家・リビング―
「・・・遅い!!
なにやってんのよあいつは!!」
[バンとテーブルを叩き、イライラしたように叫ぶ女性。
タカハルの姉の恵美だ]
「いま、何時だと思ってんのよ!!
ちょっと遅くなるって・・・あいつにとってのちょっとの定義を帰ってきたら問い詰めてやるわ!!」
「まったく・・・あいつのハンバーグも食ってやろうかしら
人がせっかく食べないで待ってやってんのにあいつはどこで何してるのよ!!」
[通じないだろうな。と思いつつまた携帯を掛けて見る。
やっぱり通じない。
恵美は携帯を乱暴に閉じた]
「はぁっ・・・もー、早く帰ってきなさいよ。
寂しいじゃない」
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