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―湖畔―
ふむ…祭の会場はここでしょうかね。
[湖畔にある櫓。
周辺では、屋台を組んで商品を並べたり、一足早く酒盛りをする人々でにぎわっている。
間違いないだろうと当たりをつけると、バスケットに相棒―首に巻いていた大きな白蛇―をしまった。]
ちょっと窮屈だろうけど、我慢しておくれよ。
お前を見かけると、失神してしまう人もいるからね。
…さて、本番が始まるまでには、まだ時間がありそうだ。
少し回ってみましょうか。**
―湖畔―
それにしても、祭りというのは、やはり良いものですね。
我々の演舞も、喜んでもらえると良いのですが…
[自分はこの国の文化をよく知らないが、祭りの雰囲気に浮かれる人々を見ているだけで、こちらまで楽しくなってくる。
目を細めながら、籠の中の相棒に語りかけるようにつぶやいた。
とはいえ、この祭りについて全く知らずに、自分たちの芸だけ見てもらおうというのはさすがに失礼にあたる。
基礎知識だけでも仕入れておいた方が良いだろう。
たずねられそうな人はいないだろうか、と辺りを見回した。]**
―湖畔―
>>52
これはこれはご丁寧に。
[無愛想な顔で挨拶をしてきたその男に、皮肉ではない笑顔でそう返す。
職業柄、客の仏頂面など見慣れている。
興味を持ってくれるだけでありがたい。
どんな相手にも心からの笑顔で接するのが彼のポリシーだ。]
私はトゥーリッキ。観光客ではなく、旅芸人をやっております。
今日はこの村の祭りだと聞き、ぜひ、みなさんに演舞を観ていただきたいと思いましてね。
[そして、その男が籠に視線を向けたのに気づくと、それを少し高く上げて示しながら、]
相棒も一緒なんですよ。
失礼ですが、爬虫類は苦手ですか?
>>67
ニルスさんですね。どうぞよろしくお願いします。
ほう…昆虫学者を…では、こいつを見て卒倒する、なんてことはないでしょう。
ほら、ごあいさつなさい。
[そう言いながら、ニルスの顔の前でパカッと籠を開ける。
透き通るような白色の大蛇が、籠から頭を覗かせた。]
>>69
これは失礼。驚かせてしまったようですね。
[白蛇を見るなり、一歩引いたニルスを見て、さすがにいきなりはまずかったかと心配になったが、すぐに触っても良いかと訊ねられ、安堵する。]
ええ、どうぞ。
こんなナリですが毒もありませんし、おとなしいので襲ったりはしませんよ。
なんなら首からかけてみますか?
[彼にとって相棒は家族にも等しい存在。
蛇を見ると、悲鳴を上げたり、失神する者も多い中、興味を持ってもらえるのは、嬉しいものだ。
トゥーリッキは快く応じた。]
>>79
そうでしょう?
蛇というだけで、逃げて行く人もいますが、共に暮らしていれば可愛いものですよ。
ニルスさんは蝶がお好きなのですね。
[白蛇もまた美しいと言われ、気をよくする。
彼の相棒を撫でる姿から、少なくとも動物嫌いではない様子が伝わってきた。
せっかくだから、というので、かけてやろうとすると、それよりも先に、相棒が動き始め、腕を伝って、自ら器用に彼の首へと移動した。
その様子を見て、くすり、と笑う。]
これは驚いた。こんなことはめったにないんですが…
相棒も、あなたが気に入ったようです。
[>>137蝶のことを穏やかな顔で語るニルスをにこやかに見つめながら話を聞く。
おそらく常人からは変わり者だと言われる種類の人間なのだろうが、トゥーリッキはそうは思わなった。
相棒を受け入れてくれたこともあるが、旅芸人というだけで、自分も充分変り者の部類に入るだろう。
似た者同士なのかもしれない。
やがて、彼は礼を言い、白蛇を自分に返そうとするので>>138手を伸ばすと、相棒は自らトゥーリッキの首元へと移動した。
そして、演舞の準備をしなくて大丈夫なのかと聞かれ、ようやく当初の目的を思い出す。
手をぽん、と叩き]
ああ、そうでした。
準備、というほどの準備は必要ないのですが、この国の文化や、祭りについては、すこし学ばねばと思いましてね。
その土地の慣習なんかによって、喜ばれる演目は、違ってきますから。
よろしければ、ご教示いただけませんか?
ああ、と言っても、それほど難しく考えなくて良いんですよ。
この祭りの見どころとか、この国でいちばんおいしい食べ物とか、変わった風習、なんでもかまいませんので。
>>146>>147
ふむ…なるほど。
[ニルスは夏至祭について、かいつまんで説明してくれた。
自分の相棒も受け入れられるだろうとも付け加えられ、安堵する。
気を使ってくれたのかもしれないが、家や家畜を守る主だという部分は嘘ではないだろう。
祭りに来たのは正解だった。]
サウナに入って湖に飛び込む?
どうしてまた…おっと、あまりひきとめてしまってはご迷惑ですね。
[続けざまに疑問を口にしかけるが、相手にも自分にばかり構っている時間はないだろう。
そう思い、話を切り上げることにする。]
ありがとうございます。大変参考になりました。
なにせ、私が知っていたのは、「ユハンヌス」という祭りの名称くらいでしたから。
>>168
いえいえ、とても助かりましたよ。
[礼を言われるほどのことはしていない、との言葉には、そう返し、羽目をはずすなとの注意には、]
…ふふ、ご心配なく。
お酒も多少はたしなみますが、その辺はわきまえているつもりですので。
[実際は、かなり強いはずだ。
飲み過ぎて羽目を外したことなど一度もないが、初対面の相手にそこまでいう必要もないだろう。
冗談めかして、そう答えた。
やがて、ニルスは会釈をし、去って行った。]
ええ、本当にありがとうございました。
縁があれば、またどこかで。
[再び礼を言いニルスと別れると、別の人にも祭りのことを聞こうと、再び湖畔の周辺を歩き出した。
今度は相棒を首に巻いたまま。]
[手の空いていそうな者を探してぶらぶらと湖畔を歩いていたが、歓声が上がったので足を止め、そちらを見る。]
ほう、あれが篝火…コッコの櫓なんですね。
立派なものだ。
[ニルスに聞いた話を思い出しながら、目を細めて、しばし眺める。
村の者が、今年はいつもとは違ったコッコになるだろうと言っていることは知らないが、それでも立派だと感じた。]
水の悪魔ナッキを追い払うための篝火コッコ…
…何もないと良いのですが…
[火がともされれば、災厄は起こらない。
分かっているはずなのに、なぜか言いしれぬ胸騒ぎを感じた。
心なしか、相棒の様子も、いつもとは違っているように見える。
安心させるように、首に巻きつくその身体をそっと撫でた。]**
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