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---あそこかな?
[寂しい山路の先に点々と家屋が並んでいるのを見て呟く。]
静かで 綺麗なところだ…
[目を細めて うっすらと雪に包まれる村落を見つめる。
皮手袋をした手にはぁと白い息を吹きかけぎゅっと 荷物を掴みなおすと 気をとりなおして 村を目指してまたゆっくりと歩き始めた]
革靴…は歩きにくいな…
…後で長靴でも管理人さんに借りるか
[滑らないように気をつけながら、管理棟までやっとの思いで辿り着いた。
中に声を掛けながら ドアを開ける。]
あのう 予約していた 天馬啓太ですが・・・。
[先に来ていた少年に気づく]
あぁ、獏君 先に着いていたのか ごめんよ革靴が歩き辛くて遅くなってしまった。
[と声を掛けると。少年の手にみるからにむさい叔父さんが特大ハートチョコを無理やり押し付けている様子が目に入る]
ちょっ 誰 その人?
[小声で獏に尋ねた]
[男から少年に視線を戻すと ほっとした様子で。]
来てくれてよかった。瑞樹が逝って丁度一年たつのかなぁ。久しぶりだね。
瑞樹も喜んでると思うよ。
ずっと瑞樹は弟の君の事を心配していたから僕も気になっていてね…。
元気だったかい?
ここはね いつか 瑞樹と二人で来ようって約束していた場所なんだ。
[握手をしようと獏に向かって手を出す]
[しかし 差し出した手は宙に浮き]
あ…あぁ そうか。
まだ許しては貰えてない・・・よね。
事故った車を運転していたのは僕なのに…
君のおねいさんだけが死んで僕が助かって。
[所在無げな手を握り締める。]
うん…でも 君がここに来てくれて、僕は本当に嬉しいよ
誘ってよかった。
[ニッコリ笑うと管理人のほうへ振り返り 受付けに記帳すると部屋の鍵を*受け取る。*]
[記帳が終り管理人のネギヤから簡単な注意事項を聞いて鍵を受け取る。その間も管理人は初老の医師をかるい口を聞いていた。]
こんにちは先生。先生はこの村の専属医さんですか? 人里離れてるけれど、専属の先生がいるなんて安心ですね。
[話しかけながらも視線は綺麗に編んだ髭にいってしまう]
[茶を啜りながらも 家じゃ死んだ事になってる幽霊サン…そう呼ばれた男をそれとなく見ている]
(そういえば うちはちょっと複雑なの…そういって笑っていた。血の繋がらない弟の父親…か。)
[目が会えば丁寧に会釈をする。]
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