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…付いてきて。
[アンに告げ、表通りを歩く人影達の視界をジャックする。姿勢を低く保ち、物陰から物陰へ移動。自分の鼓動の音が周囲に聞こえないのが不思議な程。]
! ……?
[聞こえてきた速い足音に、驚き身構えたが、続く声を聞き、現れた姿を見れば、安堵の息を吐いて]
……良かった、人か。
あの化け物から、逃げてきたのかい?
[少し表情を緩ませ、すぐに警戒を戻して辺りを見回し]
―集会場―
[座布団の束へ片足乗せ、未だ理性残る村の若者達を主に招き集め、先刻得た情報を]
いぇあ〜♪ 皆、知ってるかーーっ?
今、四辻に客人が来てるのだぜ!
客の一人は、ネクタイしめた企業戦士風の若い男。でもって専務とか部長よりも何か…親近感湧く感じ?
もう一人は、お上品な雰囲気のおばさま。
こっから逃げられるわけないけどさ、念の為――
うむ、頬染めてるイマリちゃんは、ネクタイ男を狙うと。好きだね、君。
おっ、チカノちゃんはアンちゃんの抜けがけが許せない?そっち追う? …抜けがけって、それ、乃g―
ま、まー兎に角だな、ほら手分けして、御湯治場や古い集落の方まで探……ジャム蕎麦は後にしなさい、あっ、美津保おばちゃんって呼ぶなコラっ!
[外から戻って来た弟が耳打ちをする。
ギンスイが? と呟くと、血色の悪い頬から紅涙を払う。若者集団を送り出しつつ、集会場を出た。ざざ。視界にノイズが走る]
―何者かの視界―
[廃屋のある風景。
時折下向く視界。
そこに映る、歩む足、胴体。
体つきは、男のもの。
緩慢ながらも、目的意識を感じさせる足取り。]
―――――――――
誰だろ?
[赤い水の脇を通りかかり、ふとネギヤを思い出す。
[サイレンが鳴る日、真っ先に屍に成るのは境界の番人。そうきまっている。
その事には…たしか何か、謂われがあった気はするけれど。記憶はもう定かでない。
ひょっとしたらネギヤならば、熟知しているのかもしれないが。]
―どこか―
[そこには(その時)、屍人の影など全くなかった]
ギンスイ、みーつけた♪
あたしの勝ちだね、かくれんぼ。
次はギンスイが鬼やる?
ギンスイが勝ったら、かごめかごめを教えてあげる。
鶴と亀が滑って、閉じた輪が廻り続ける歌。
[目敏く見つけた、小さな地球儀]
…それ、持ち歩いてたの。
[指を伸べ地球儀を回す
二人で思い描いて、世界中を廻った頃のままの仕草で]
……あのさ。あたしは、ギンスイを燃やさないよ。
[従兄弟のよく知る性格の悪い笑みを浮かべてから、背を向けた]
そうです。
[男性の言葉にひとつ頷いた。と、上げかけた視線が警棒を捉えて、緩みかけていた表情がふっと沈む]
そんなもの、人間には効いても、あいつらには効きません。
何せ“殺しても死なない”って…………あ。
[小さく、不安げな声を漏らす。
女にとっては知ってて当たり前のことが、他人にとってもそうとは限らない。
「あの化け物」についての知識があることで、かえって怪しまれたりしないだろうか。
「この女もまた、あの化け物の仲間ではないか」と]
[そんないらぬ心配が、次なる言葉を生んだ]
……どこかの雑誌にそう書いてあったような。
[あとは顔を俯けて、長年踏みしめられてきた土の道を見るともなく見るばかり**]
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