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仕事道具なら置き忘れたりしませんね。
[煙草を咥え、入れた覚えのない用紙を封筒から数枚取り出す]
誰のだ?
[めくっていくと、一つだけ名前が書かれた用紙に行き当たる]
ネギヤ。
[書かれていたのは、神男の名だった]
[その紙の下には、『死亡診断書』と書かれた用紙があった。
それにも同じく、ネギヤの名]
性質が悪いな、全く。
[残りの用紙は白紙だった。
文字が書かれている二枚だけを取り出し、テーブルへ投げる]
ネギヤ君は消えたよ。海辺で見た。
たまに居るがね。
[光るように消えたネギヤのことや、月明かりの元で見たプレーチェの瞳について思い返す]
科学者の言うことじゃないとは思うよ。
[ライデンにそう言い返し、灰を落とさぬ様気をつけて灰皿に煙草を押し付けた]
[何も書かれていない数枚の用紙を抜き出して、ゼンジに手渡す]
さぁね。
[自分の手紙だけが残った封筒の紐を巻いて閉じた]
たまに何か食べてますよ。
今ならそう、林檎飴。
[誰も座っていない席を指差した]
消えただの居るだの、何を言っているんだろうな。
疲れているのかもしれない。
[呟いて、窓に近づき空を見上げる。
月は明るさを増しているように思えた]
死亡。
死ぬと星になるって言うな。
[セイジに答えるでもなく言って、先ほどネギヤが居ると示した席を見やる]
また消えた。
[血の気が引いたような表情で呟いた]
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