[杏に駆け寄って安否を確認するが……首を振った]
なんで杏ちゃん達こんなコトに……ここは現実だぞ、ゲームじゃねえんだぞ!?
……ゲーム?りある…じんろうげーむ……
[ゲーマーだからこそ思いついてしまったある可能性……]
……イマリちゃんペケレさん。部屋に戻って絶対誰も入れるな!俺、ここに残る……部屋には戻らねえ。
[ゲーマーだからすぐ思い至る。娯楽作品によくある展開だと。しかし……]
マジで現実でこんなコトするかよ!くそっ……杏ちゃん……!!!
……結果通りに人が襲われるなら……部屋に戻らなければ俺は突然死扱い。標的だ。
俺のトコに来るはず……ふん捕まえてやる……
[その考えの甘さはゲーマー脳で。]
最悪でも刺し違えてやるよ……人の恋路を滅茶苦茶にしやがって!
やっだ、本当に死んで、ない…よね?
[ふらりペケレの横を抜け、床に落ちていたものを拾い上げる。僅かに汚れたメモ。整った文字。]
メールはもう残ってないから、さっき話したことの証拠はこれしかない。
あのね、私の占いで、ばっくんは人狼だった。
これと関係あるの…ばっくん?
[勢いに押されるように、後ろに下がった*]
一人で残るなんて言うの止めた方がいいよ?
二人でここ居て。
遺体や遺留品には触れない。お互いも近づかない。何かあったら大きな音出して呼んで。
いい?
[そう言ったのは1時間ほど前。
別荘中を探したが、外に出るルートが全く見つからなかった。
窓もない自室には戻らない]
―― 広間 ――
ネギ坊と、今日会ってないよね……
[ここに呼んだ張本人のことを思い返してみると、呼ばれたそのときに電話をしたきりだ。
ドラマでよくある隠し扉の類を探してみたが、本棚が動く気配すらなかった*]
……夜が来たら、どうする?
2騙りでンガムラさんはイマリちゃんに唆された…ゲーム的にはそんなところか。
…夜が来たら戻ってくれ。ゲームの展開に沿って起こる事件ってやつを……されてると思う。戻らないときっと襲われる。このテの物は『こだわり』があるはずだ。ゲーム的には今日が最終日。
戻らない俺は最優先で標的になる。その時――とっ捕まえてやる。
襲撃なしなら被害は減ったはずだ……無関係じゃねえ。なんとかしねえと……っ
……おっさんかチカノちゃん占い師、2騙りでイマリちゃんがンガムラさんを唆した、こんな時だけど、こう言うしかないよな。
だってさ、杏ちゃん……勝ちたいって言ってたもんな?
見立て殺人の一種かな……
背高さんみたいな成人男性まで殺した人とどう戦うの。
[スカシカシパンにつけたのと同じメモ用紙に、パターンを書いていく]
バク君がここに残って突然死を選ぶなら、あたしは部屋であなたに投票する。
[声にかぶさるように、夜を知らせるアラーム音が響く。
イマリを一瞥してから出て行った**]