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ザクロさん、あなた一体どういう料理を作ったんですか……。
ああ、行きますよ食堂。
[マチコに渡されたポットを手に食堂へ。
適当な席につくと、三つの湯のみに*茶を淹れる*]
どういう料理って……。
普通に砂糖とか塩を使って、爆発とか焦げもなく、見た目が普通な……ああ自分で言ってて悲しくなってきたわ。
簡単に言うと、あんまり美味しくなかったのよ。マチコは死ぬほどまずいって言ってただけ。
中学時代の調理実習の話なのにね。
お茶ありがとう。いただきます。
[旅の疲れからか、部屋に案内されるとすぐにうたた寝してしまっていたようだ。目を覚ますと、少し日が翳ってきている]
だいぶ長く寝ちゃったのかしら。
……お腹空いたわねぇ。
[部屋を出ると、食べ物の匂いに惹かれて、食堂へと歩いていった]
[途中、ロビーを通りかけ、ジロウの作った人狼オブジェを見つけると足を止める]
あら、こんなところに。さっきは気が付かなかったけど。
……ジロウちゃん、なかなか腕を上げたのねえ。
[うふふ。と、小さく笑うと、再び食堂向けて歩き出した]
―食堂―
ああ、つまりザクロさんもそれなりの年齢ってことですか。
これは失礼しました。
[茶の香りに、一息をついた]
こんにちは。
[現れた老婦人に笑顔で会釈し、名を名乗って茶を差し出した]
[少年が目を細めながら、人狼オブジェに触れていた]
誰の趣味だろう。
[さわさわと犬歯に触れて、ぽつり呟く]
プードル人間……の可能性はないよね……。
ー食堂ー
若旦那さん。それなりの年齢とか、酷い。
そりゃ確かに子供じゃないけど、むぅ。なんだか納得いかないわ。
[小さな声でぼそぼそと]
まさかジロウさんと同じ年だなんて思わなかったし。
いや、待てよ。ぼくまだ鍵貰ってないよ!
危うく臭い飯を食べるところだったね!
[少年は冷や汗をかきながら方向転換]
これだ受け取れ!とりゃー!
[宿泊チケットをスタッフの少女に叩きつけるようにして、鍵を貰う。
そして一度荷物を置きに部屋へ向かった*]
[耳をぴくりと動かし、断片的に聞こえた単語をオウム返しに呟く]
クサイメシ? コレウケトレトリャー?
……何だろ。チェックインかな?
元気の良さそうな声。後で会えるかしら?
はじめまして。よろしくねぇ。
[ゼンジとザクロに挨拶を返すと自己紹介を始める。腕に抱いた人形の頭を静かに撫でながら]
佐々木ボタンです。
ジロウちゃんたちとは、お人形作りが縁でお友達になってね。
まさか、こんなご招待をして貰えるなんて思わなかったわ。
[ゼンジとザクロの顔を交互に見ながら]
えぇと。あなた達も、ジロウちゃんのお知り合いなのよね?
……失礼だけど、ご夫婦かしら?
[ふと、傍らのルリを見つけて]
まぁ、可愛いお嬢さんもいらっしゃって。
[なにやら一人で納得して頷いている]
まぁ。綺麗なお人形さんですね。
ジロウさん人形作りが趣味だなんて意外だわ。
丸太を切ったりとか、そういう……大きな物を作る感じ、だったので。
[少し言いよどむと、視線をぐるりとさまよわせ、何か納得したかのように微笑んだ]
でも、そう言われてみれば、小物とか、窓枠の飾り彫りとか、しっかりとデザインされていて、綺麗ですね。
あ、私、マチコの友人の露草ざくろと言います。よろしくお願いしますね。
夫婦って……若旦那さんと……? いえいえ、夫婦じゃありませんっ!
ルリちゃんは、これからお父さまがいらっしゃるんです。
若旦那さんは、若旦那さんだから、旦那さんかもしれませんが、私はまだ、結婚はしてません。
[テレビから、「はらたいらさんに3000点」と言う声が聞こえている]
[人形を褒められて目を細める]
ありがとう。嬉しいわ、若い方にそう言って貰えると。
ジロウちゃんって、あぁ見えて結構器用なのよ?
確かに大きな丸太切ってそうな風貌だけれどね。
[くすくすと笑いながら、ザクロの自己紹介に対しては]
まぁ。マチコちゃんのお友達なのね。
綺麗な人ねぇ。
[わたわたと首を振るザクロに]
まぁまぁ、そうだったの。
じゃあ、私の勘違いなのねえ。
いやだわ。ほほほ。
お似合いだと思ったから、つい。
ごめんなさいね。
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