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わかった。アタシは別にいいよ。
出ておいでよ。ファミレスでまってっから。
[告げれば、はいはーい、と電話を切り]
まぁた、ファミレスかぁ
[へらりと笑う]
[携帯をポケットへしまい込んで、男性を見つめ]
じゃ、私は此れで。
修理より、新規の方が安く済みますよ!
[なんて男性の事情を鑑みず、適当な事を言い]
夜道には気をつけて!
[あはは、と笑い手を振りながら*去っていく*]
あぁ、君も気をつけて。
[呆気に取られたまま、少女を見送る。]
…新規、って訳にもなぁ…。
[液晶の画面を撫でる。
ストライプは変なグラデーションで明滅。]
[恐らくは携帯をしまい込んだ時に名刺を受け取り]
ズイハラ…
[言われる名前を反芻した]
ご親切にどうも…
[なんだか名刺の前に畏まる女]
パフェ。
そんな、お礼なんて別に。
そういう目的で手伝ったんじゃないし。
[手を振り、拒否らしいものを見せるも]
お夕飯もつけてください
[拒否ではなかったらしい]
さっきのアイツも呼んでおきますから
[奢りならば人が多い方が大胆になれるだろうという魂胆。どうやら天敵云々よりも、そちらが勝ったらしい]
あはは
[携帯を修理、には、*にこやかに笑った*]
-自宅-
[軽快な着信音が室内に響く]
…あぃス
[起き抜けにぼんやりした意識で電話を掴み]
[またしても妙な相槌を打つ]
…うん。………う?
[携帯を開き、メールを見て]
……うわ!!
[文面と、其処に表示される時間を見て]
[布団から勢い良く、飛び起きた]
やべえええええ!!!
[とっくに1時限目は開始している時間だった]
[ばたばたと走り回り準備をする]
あー、もー!
[こういう時に限って着替えがスムーズに行かず]
てめー!
[乱暴な言葉で一人、何者かに対してキレる女]
うぜぇ
[何故か朝からハァハァと息を荒げ]
…チッ
[悪態をついたまま乱暴に鞄を掴む]
[だだだ、と勢い良く玄関まで駆けて行き]
……いってきます!
[誰も居ない家に大きく声を投げれば]
――。
[いそいそと靴を履き、外へ]
あんまし、天気良くないなぁ
[雨こそ降っては居ないものの、雲が多く太陽は見えず。空気も何処か水気を帯び、湿って感じた。]
…念の為、傘もってこ。
[一度玄関に戻り、折り畳み傘を鞄に詰め込めば]
[急いで外へと出て、自転車に乗り*学校へと向かう*]
-書店-
[きょろきょろと辺りを窺いながら歩く]
…何処だろ
[目的の物はどの辺りなのだろうと棚に近づいては]
(…此処じゃ無いっぽいな)
[其処にある本を見て、首を捻る]
(聞いた方が早いかなぁ)
[聞けばすぐだろうと思うものの]
[其れを行動に移す前に出来うる限りの努力]
おぉ
[幾つ目かの棚に目的の本を発見]
…あったー
[そーっと本の背表紙を撫で、一冊手に取った]
これだこれだー
[ふふ、と笑い帯の説明を読んでみたりするも]
…7巻だけ無い
[その巻だけ抜けていて次は8から10までの番号を]
[こちらに向け、収まっている]
[辺りをきょろりと見回した]
……
[人はもうほとんど、居ない]
[店内は閑散としておりもうすぐ閉店かという所]
んー
[たまたま側を通りかかった店員に]
あのー
[声をかけ呼び止める]
これって、此処に有るので全部ですか?
[手の中の本を指差し、棚を指差し問いかける]
[問い掛けに店員は笑顔で棚へと近づき]
――。
[棚の下の引き出しになっている部分を引き]
[沢山本が詰まっている中をごそごと探り始めた]
(7が無いのに8から読むのもなぁ)
[ぼんやりと『8』の数字を見つめ考える]
あ。…はい、はい。
[その間に店員は引き出しから7巻を探しだした様で]
あ、それ。はい。
7巻です。それください。
[にこり、と微笑んだ]
[レジへと向かう店員の後について進む]
――。
[会計中もレジ周りにある、栞やらを見たり]
[オススメのポップなどを見たりと]
(…今度見てみようかな)
[視線は決して一点に定まりはしない]
[本と引き換えに代金を支払い]
[本を鞄へ仕舞い込めば店外へと足を向ける]
――。
[かぱりと携帯を開き、現時刻を確認し]
はぁ
[小さくため息をついた]
-商店街-
[すっかりと夜も更け。
商店街の8割は灯りを消し、今日を終えている。]
〜♪
[そんな通りに鼻歌交じり]
[てこてこと歩き続ける]
ぉ
[音色は携帯から流れる誰かの声に阻まれた]
はいはーい
[いつもの様に、携帯を取り出し耳に当てる]
うん。
[特別に高いテンションでも無く]
うん、元気。
[淡々と返答する]
別にそんな事してないよ。
家だよ?………うん。
ちょっと飲み物買いに出てるけど。
[空を見上げ]
だぁいじょうぶだってば。
…そっちは?……だいじょうぶ?
[薄く微笑み]
なら良かった。
ちゃんと食べて、ちゃんと寝て下さい。
…うん、うん。
だぁから。だいじょうぶだってば。
[苦笑い]
[いつもの身振り手振りも、ほとんど無い]
はい。……週末?
[暫し考え込み]
週末は無理かも。トモコん家に泊まり行くし。
[前髪を弄りながら返答する]
別にそんな気ぃ遣わなくて良いって。
アタシからも毎回お礼言ってるし。
逆に気を遣わせるだけになるから。
[言葉には少しの怒気を含み]
うん、わかった。
はい。……はい。………はい。
じゃね。
[最後の言葉の後]
[暫くは相手が通話を切るのを待ち]
――。
[確認後、そっと終了のボタンを押す]
[唐突に訪れる目覚め、呼吸は荒く寝汗も酷い]
……?
夢、なんだか嫌な夢、見たな。
[枕元にある時計を見る時刻はまだ深夜]
なんだよ、まだこんな時間か。
明日も学校だってのになんだってこんな時間に……
[ぶつくさと文句を言いながら、乱暴に時計を置いて再び*眠りに付く*]
─オフィス─
あぁ、お疲れさん。
…俺? コレ片付けたら上がるとこ。
ヤスさんも行くって?
[モニターから目を逸らさぬまま、既に帰り支度を整えた同僚に答える。
テンキーの上をカタカタと踊る指。]
ぁー、タクはダメだろ。新婚なんだし。
嫁さんに悪ィって。
…それにしても、なんであんなヤツにあんなキレイな嫁さんが来るんだろうなぁ。
[溜息は良いタイミングでハモる。]
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