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昨日、夢じゃないよね?
[手にしているチラシを一瞥し、近づいて差し出す]
アンと、あの先輩、これに参加してたって言ってた。
終業式の晩、ってしか書いてないけど。
こっくりさんでもやったのかな。
[チラシを差し出され、受け取って眺める]
狐狗狸ね。確かに大抵は狐だよな。こういうの。
でも。なんだ。上手く伝わる気しねえけど。
……まだ何かするつもりなのか?
『まだ』?
え、っと。私が……?
[からっぽになった両手を組んで、指先にぎゅっと力をこめる。
コウイチの表情を伺おうとするが、よく見えなかった]
そうだよ。来海はこれ以上何をしてやりたい?
なんつうか。なんだろな。責めてるとかじゃなくて。
[心配だよ、と。そう呟いた。チラシを茫洋と見つめたまま]
もし、どこかに連れていかれてるなら、そこから戻れるようにしてあげたい。
でも、どうしたらいいのかわかんない。
[俯きかけたまま、コウイチを見据えて]
怒ってるの?
そだな。それは、俺もそうしてやりてえ。
[視線に応えるように来海の目を見つめ返し]
何があっても俺がお前に怒ることはないよ。
心配だからあんまり一人ですんなってことだよ。
何かするなら、俺も付き合うよ。俺がいる限りは一緒にやるよ。
いる限り。
[その言葉は、自分が知らず祈っていた事柄を表層に浮き立たせる]
いなくならないで。
[自分の指先の怠慢な動きを目で追う。
コウイチのシャツの袖を、つい、と引っ張った]
[袖を引っ張る来海の手をとって、きゅうと握る。
少しだけ迷って、やはり根拠もなく約束した。
この状況で、それ以外できそうになかった]
大丈夫だよ。
[せめて自分が身代わりになれたら。思いながら決して言わない]
大丈夫じゃない。
[何者がどんな力を持ってそれを引き起こしているのかもわからないのに。
声が震えている気がしたが、ざわめきが大きすぎて定かではなかった]
……人の気も知らないで。
[握られた手を、振りほどこうとした]
かもな。上手く人の心が判らないみたいだ。
[振りほどこうとすれば、そのまま手を離す。]
でも万が一いなくなっても、すぐ戻る。
[言って、話し終えたように耕一は席を立った。
とりあえず出ようぜ、と言う]
[歩き出すコウイチを追って、手を伸べ、彼の指先を掴んだ]
怖いんだよ。
すごく不安で仕方ない……。
――そばにいてほしいって思ってることに、気付いて欲しかったんだよ?
[涙声が、情けなかった]
[手など握っていても、いなくなるときはきっと煙のようにすっと消えるのだろう。
思うと、手のひらにぎこちなく力が入った。
不安はますます大きくなる]
鞄……。
[そのまま3年教室へ置き去りだった鞄を取りに行き、ぐずぐずと鼻を鳴らす]
泣いてるんじゃないから!
[手は、依然としてひしっと握り締めている]
[来海の言葉に笑い出すのを我慢しながら、手を握りあって歩く。不安には掌で応えた]
そうだよ。誰が見ても泣いてねえよ。
[半笑いで言って、そのまま時間の許す限り、来海に付き合ったに*違いなかった*]
[笑われたことが恥ずかしくて、目をぎゅっとつぶった]
全然、これっぽっちも、泣いてないのに!!
[唸りながら鞄でコウイチを一叩きする]
みんな、どこいるのかな……。
[また何かが起きそうな夜だった。
生ぬるい風が頬を撫でる。
嫌な予感は、徐々に*肥大していく*]
入れないではないか。
[扉の前でぽつりと零す。行き場所なんて、学校ぐらいしか思いつかなかったので教室までは来てみたものの]
お邪魔虫は退散、っすよねー。
[くるり、踵を返して階段を下りる]
[ごろごろとしている内にすっかり日も傾いてきてしまっている。結局家から出られないでいた。]
どうしよう。
……みんなどうしているんだろう。
[そわそわと落ち着かない。しかし、部屋を出る気にはなれなかった。どこに居ても同じなのだろうけれど。]
肝試しってどこでやったのかな。
プール、とか?
………すげー、嫌な場所。
[傘たてに腰掛けて、そこに足を運ぶか考えあぐねる。神隠しについて近所のじいさんやらばあさんに聞いて見たものの、今までこの近辺でそれらしいことが起こったという証言は得られず]
夏休みの課題とか言っちまったけど、変なうわさになったらどーしよ。しくじったかもしれん。
[頭を抱えてうずくまる]
…何、やってんだろ。
[小さく。消えそうな音で呟いて、顔を上げる。こつんと昇降口の壁に頭を預けて、日の落ち始めた校庭を眺めた]
[窓枠に手をかける。暑いけれどどこか湿った空気が、再び夜の匂いを纏いつかせているのを感じている。]
かみかくし。
[みんな、どんな思いで今夜を迎えるのだろう。]
クルミちゃん……。
また泣いてないかな。
[ふいに顔が浮かんだ。笑顔が印象的な元気な子だとばかり思っていたのに。と、昨日の彼女の様子を思い出す。何となくまた今夜も出かける気がした。]
怖がりのくせに……。
[そして他の友人たちも、もしかしたら。]
駄目だよ。みんな。
夜は怖いからね……。
[祈るような気持ちで呟きながらも、どこにいたって変わらないという気もした。例え家の中にいたとしても……。
勢いよく窓を閉めると、暑さの中、布団に*くるまった*。]
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