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[こくり、と頷いて]
気にしないよ。
寿命なんて、彼らが自分で決める。
[ゆるゆると、足元の骨を拾いあげ]
僕は世界中を救おうとは思わない。
[見つめた先にいる男は、少しだけ唇を震わせていて。
紡がれた言葉は到底――]
……。
[無言のまま、かぶりを振る。差し出された手を拒絶するように、ぎゅうと小さい物を握りしめた]
そんなの駄目。
悲しいからって、死んじゃった人を呼んだら駄目。
[ゆるゆると首を振るのは、かつての自分がしたように]
困らせたら駄目なのよ。骨の人がゆっくり寝られない。
悲しいときはね、いっぱい泣いていいのよ。せめて向こうで幸せでいるようにって、思っていいのよ。
[ぽつり、ぽつりと言葉を落とす。次第に、握りしめる手に向けるように]
[ふる、と肩が揺れる。
指が白くなるほどに、拳が強く握られる。]
私は、……それでも、彼女を―――…
[はたり、と顔が臥せられ、
語尾が、掠れた。]
―― 弁当屋 ――
[足をX字にしてターンしたりしながら、弁当屋へ近づいた]
ここここ、この前の何でしたっけハンバーグ。
チョップスティック? チュッパチャップス?
あれ一つ下さい。
[と、顔を上げると弁当屋店主]
……ノリ弁当一つお願いします。
―― 空き地の片隅 ――
[ノリ弁当を持って立ち寄った空き地。
『きんぎょのばか』になっている板の前でしゃがみこんでいる]
誰だいたずら書きしやがったのは……
[ボールペンで一本書き足して『きんぎょのぼか』にした]
[握りしめられる男の拳も。
震える肩も。
思い出の底の泥が舞い上がるようで。
一度、唇にきゅ、と力を込めて。
持っていた鞄も、羊の人形も、黒い写真も、相棒に押しつける]
―― 三十日 雑貨屋 ――
そうそう。あの時のネキヤさんったらね?
もう可笑しくて可笑しくて。
[古びた雑貨屋に響く笑い声。
元に戻りつつある日常は、
確実に春を迎え入れようとしていた。]
そう言えば夢美堂のご主人は――…
……ん。
[言葉は、ない。
男に歩み寄ると、両手を広げる。
男の位置から見えるだろう、薄らと首に残る、男の手形]
終わったら、ちゃんと寝せてあげてね。
[手を広げたまま、言う]
[何も言わず、何も言えず、
否定もせず、肯定もせず、
少女から差し出されたものを、全て受取る。
どこか寂しそうに目を細めながら、
少女と男を見ている]
[店先に手折られて飾られた、梅の花。
春告げ草は恋告げ草。
鼻を近づけて香りをひとつ。
ニャーと、猫が声を上げた。]
あら、ハナシロ。今日もお散歩?
[目を細めて向かい入れる。
白い毛並みはいつもと変わらない。]
そう言えばあの空き地の看板。
誰かが変な落書きをしていたのよ。
『きんぎょのぼか』って。
一体誰だろうね? ねー、ハナシロ?
[抱き上げて。自分の飼い猫と等しく愛でる。
背中からは陽だまりのにおい。
恋し待つ、春のにおい]
そう言えばおばあちゃん知ってた?
四葉のクローバーのおまじない。
[少しだけ生い茂った空き地の葉を摘み、
ひらひらと翳し]
今ね、学生さんの間で…
密かに流行っているらしいのよ?
古風ね。でもちょっと、羨ましいかな。
ひとをそこまで、一途に思えるのって。
[店の前を一台の自転車が通り過ぎていく。
それを見守る人影に。
ツキハナはひとつ、小さな笑みを零した*]
ただいまー!
[久しぶりの我が家に帰宅すると、母親に思いっきり怒られた挙げ句、泣かれた。一体どこに行っていたの、と]
え、いやちょっと、遊んでたら迷子に……
[「迷子になるような村じゃないでしょう!」と母親に怒鳴られ、何と言い訳しようか途方に暮れた]
別にいいじゃん、どこ行ってたって俺の勝手じゃん!
[逆切れして自分の部屋へと駆け込んだが、母親とのやり取りに懐かしさを感じ、平凡な世界に帰って来れたという実感がわいて、声もなく*泣いた*]
[近づく気配。ふわりと香る、柔らかな匂い。
視線を上げた先に、両手を広げた少女の姿。
何か言おうとして。
なにも言えず。
頼りなく感じる指先を、彼女の首筋へ伸ばす。
自分が残した痕を確かめるように。
その行為を完遂しようとでもいうように。
その時、反対側の手の中で、
ぱきり、と乾いた音がした。]
―――……、…
[目が丸く見開かれ、唇が紡ぐのは、名前。
伸ばした手が、少女に、おず、と触れ、
躊躇いがちに、やがては強く、その体を抱きしめる。]
…すまない。
君を、死なせてしまって、
すまない ……―――――
[小さな、小さな声で紡がれる言葉。
その、最後の五文字は、音にすらならず。
しばらくの後、ようやく少女を解放する。]
……すまなかった。
ああ。君の言うことが、正しいのだろう。
私は……
[一瞬宙を見上げ、視線を横へ逸らす。]
……他の骨は、警察署だろう?
それも、一緒に。……頼む。
[それだけをぽつりと言って、
ゆっくり、背を向けた。]
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