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―― むかし ――
祭の夜に消えた者は、祭の夜にかえって来る。
さて、どうやって?
[祠の前に辿り着く。
酒まんじゅうをお供えして、両手を合わせた]
神様の考えていることがわかったら、苦労しないんですけどね。
[杜氏の手にある星の砂に気づくことはないまま、その手首を取った]
最初に女の子が消えたときから、あなたが何かを知っている気がしていました。
あなたがどこかに消えてしまえば、代わりに誰かがかえって来るんじゃないか。
私はそう思っています。
[ぱっと手の力を抜いてから、祠に向かって*呟く*]
それでも足りなければ、私があなたのところへ遊びに行きますよ。
―― いま ――
[御神輿が近づく声が聞こえる。
村の小学生たちは、この村に伝わる神隠しの話で盛り上がっていた]
何でまた、遅くまで遊んでも許される日にわざわざそういう話をするんだか。
[ビール味の酒まんじゅうを一口食べてから、自分は今何を食べたんだっけと中を見つめた…]
― むかし ―
[話を聞く。
自分たちの言い伝え。
話がうまいのか、興味が沸いたか、
(それとも、今更消えるのがいやだとでも?)
こっそりと笑う。
つい速度がゆるむのは、そう、相手の話がうまかった、そういうことにしておこう]
[供えられる酒まんじゅう。
手を合わせる相手。
自分は立ったまま、祠を見て]
そうだな。
俺も、苦労しないと思う。
[冗談なのかわからない相手の言葉。
だから漏れる、冗談めかした本音]
今は、知りたいとも思わないけれど。
[手首をとられて反射的に腕を引こうとするが、腕は引くことも奪うこともせず、ただつながったまま]
……。
俺に言えることは、
[黙って、予想を聞いて。
最後のつぶやきに、わずかに思案するような間を作る]
花を摘んだものがいれば、
自分が代償を送る。
[去年も、それまでも、そして今年も]
[解放されて自由になった手。
一度強く握ると、青い花が現れる]
さあ。そろそろ咲くよ。
願って、摘むといい。
送る「ひと」は、もう決めている。
[案内する、その場所へ]
[伸ばされる手を、見続ける]
……。
[花を渡す相手は決まっているの。
それは、この相手ではない。
僅かに手を引いたせいか、
ぷつり、と。
手元で茎が折れる感触。
花の咲く先は、化粧師の手の中で形を変えて]
でも、うすうすは気付いているだろう?
そう、アンタだって。
[近付く姿(>4:>+8)、眇めて。
ひとつ笑みを落として自らが謳うように送った少年を捉える。]
祠の裏、毎年祭りの日だけに咲く花は、願いをかなえる。
神隠しという禍を齎しながら。
[それが答えだと言わんばかりに。
あとはふたたび口を噤むのみ。]
―― 回想 あの世とこの世のはざまにて ――
[此方の聲が聴こえずとも。
むこうの「コエ」は聞こえる。]
忘れてしまったのなら。
願い事はあったと思っていた方が。
――きっと幸せじゃないか?
[手招かれないようにと。
渡した星の砂。まだ手許にあるならば。
僅かばかり彼のしあわせをかなえて欲しいと。
賺した瓶の中を覗き、願う。]
どんなふうに?
さぁ、けれど人のうわさは勝手で好き好きで。
きっと善くも悪くも伝わっていそうだね。
ま、アタシの場合はアンタほど善くないと思うけどな?
[人徳の差だ、と。
くつり――。愉悦に躍る様に滑らせる唇の弧は、赤く歪んで。]
――アンタが消えることが村の望みならば。
その先は知った事じゃないが。
[ふっとひととき。
溜息はまるで遠い未来を見透かすように。長く。]
それでもアンタの居た軌跡は、きっと語り継がれるだろうよ。
そうだな、その祠に青い花が咲くくらいには、な?
[聴こえる相手も居ないというのに。
それでも言葉は謳うように*紡がれていく*]
―― 回想 あの世とこの世のはざまにて 了――
……対価もなしに、願いだけが叶うなんて事は、在り得ないけど。
[自分が消えて、何が叶えられたんだろう]
[ずっと気になっているその答えは得られそうになくて]
…………。
[ふ、と、ため息をついた時]
[境界線自体が、ゆらいだような気がした]
…………。
[場にいるひとたちを振り返る]
[どうしますか、と問うように]
[他者の選択がどうであれ]
[あちら側に行く選択肢がない以上、選ぶ道は──ひとつ、だけど。*]
……。
[子供たちが特別に作ってくれたものだから、無下にはできないとは思う。思うのだが]
……えっと。
[さらに眉根が寄って]
飲む?
[どぶ色のそれ、さすがに差し出せずに聞く*]
…シンヤ君。
写真、見せてくれてありがとう。
ケン君もアンも、笑っていて、楽しそうで…
───…やっぱり僕、諦めたくないよ。
いなくなってしまったことを、受け入れたくないよ。
また皆で一緒にお祭りを楽しみたいし、シンヤ君にもっと笑顔の写真を撮ってもらいたい。
───…花を頼ることは、出来ないけれど。
どれ程時間がかかっても、皆帰ってきてくれるって信じ続けるよ。
神様が、この想いに応えてくれるまで**
祭りが無くなれば、花も咲かないのかしら。
花が咲かなければ、手折る人も居なくなるわ。
手折る人が居なくなれば、神隠しも起きやしない。
……でも、祭は戻る場所でもあるのよね。
[神隠しが起きても祭りが取り止められなかった理由。
神隠しを調べて分かったことを口にして、モミジは苦笑を浮かべた]
[境界が揺らぎ、どこかから声が届く]
祭りが続けられていると言うことは、戻ることを願われていると言うこと。
そのために誰かが対価に選ばれるのだとしても……。
戻れるのならば、私は戻りたいわ。
あの子の下へ。
[我が子を想う。
微笑みながらも目端に涙が浮かんだ*]
─ 平成26年 夏祭りの日 ─
なんでこーも暑いのよぅ、歩き疲れちゃったじゃないよー…
…はぁ、もう無理。ちょっと休む。
アンったら本当どこ行っちゃったのよぅ
暑い〜喉渇いた〜アイス食べた〜い!
ってかお祭り一緒に回るって言ったのアンのくせに〜…
人が混んできちゃったら回るのも大変になるじゃないよぅ…
─ 平成26年 夏祭りの日 ─
…もう。
どっか行くなら、私も一緒に連れてってくれてもいいのに。アンのばか。
あとでカキ氷{1}杯おごらせてやるんだから。**
─ 2014年 夏祭り ─
[ぐるり、見回す横を人が通り過ぎて行く。
肩からかけた荷物二つは、かなり邪魔]
……とりあえず。
[走るのは、見つけたかき氷の屋台。
色とりどりシロップの瓶が、光を弾いている]
レモンとイチゴ、一個ずつ!
[二個も食うのかと言われそうだが、選べなかったんだから仕方ない。
カップ二つを手に、近くの木蔭へと緊急退避]
……しかしほんとに、にぎやかだなあ。
[毎年の事だけど、と思いつつ、息を吐き。
見やるは二つのかき氷。
さて、どっちから攻略するか、と。
そんな悩みも、祭りならでは。**]
─ 平成26年 夏祭りの日 ─
あ〜もう暑い〜…死ぬ〜…
…あ?
あー、ケン君やっほー。
カキ氷二個って〜…あ、ここで待ち合わせ〜?
んじゃ私邪魔だね、すぐ退く〜。
あ、そだ。
ねぇねぇ、アン見なかった?
一緒にお祭り回ろうって約束したのに、どっか行っちゃったんだよ〜**
― いま ―
そうか。
[漸く見つけた絆創膏は、コミカルな[刃渡り15センチの軍用ナイフ]柄。それをモミジに手渡しつつ。
いやそうな声音に、だよなあ、と頭を掻いた]
全部シロップだから、甘いだけだろうけどね。
[まだ氷の残るそれを目の高さにあげてふらふらする]
……そうだな。俺、若先生探してくるよ。
[靴擦れ程度に大げさかもしれない。
さりとて残っても、見ていることくらいしかすることがない]
入れ違ったら、酒まんじゅうは残しとけって、伝言よろしく。
[ひら、と手を振ってテントを出る]
[ひょい、と戻ってきて顔を覗かせて]
モミジさん。
俺、サンダルに靴下はおばさんぽいからやめた方がいいと思うよ。
[言った*]
[踏み出した瞬間、あおい色が視界を過ったような気がしたけれど]
[迷う事無く、進む]
[一歩、二歩、進む足元はどこか不確か]
[変化は三歩目──かさり、と草の鳴る音が、耳に届いて]
…………。
[そのまま数歩、歩いたら]
[手に、良く知る感触が、現れた]
[消えた瞬間に、手にしていたもの──愛用の、弓]
……これ。
[それが手にある、という事の意味]
[耳に届く、風の音、遠いざわめき]
[それらに様々、思いめぐらせつつ、弓を構えて弦を引く]
[鳴弦の音が、祠の周囲に響いて、消えた。**]
……ま、あれだ。
多分、こっちくい終わる前に溶けそうだから。
良かったら、くってけ。
[軽い口調で言いながら、ずい、と差し出して]
このまま溶けて無残にするなら、その方がいいからなー。
[けらり、軽く笑った。**]
サンダルじゃなくてミュール!
ミュールに靴下が合わないのくらい解ってるわよ!!
足痛いんだからしょうがないでしょ!!
[まだ20代と言うのもあって、おばさんとの表現に過敏に反応した*]
― いま ―
[靴擦れ予防にはと口を開こうとして、
何路線を目指そうとしたのかわからない絆創膏の貼られたモミジの踵を見るわけだが]
おおっ!?
[大きくなって返ってくる声に、たじろいだ]
あ、いや、ええと?
[なにか地雷を踏んだらしい。
だが、当然のことを口にした以上の心当たりを思いつかない男は、目を白黒させるだけで]
あ、うん。
[頷く]
いってきまーす。
[退散を決め込んだ*]
……ったくもー、もっと言いようあるでしょうがっ。
あーもー、珍しくオシャレしようと思ってミュール買ったけどさぁ。
履き慣れないわ歩き難いわ靴擦れ起こすわ散々だわ。
挙句にサンダル呼ばわりとかなんなの。
そりゃあ私はお淑やかでも何でもないわよ。
家に引き篭って物語書いてるだけだし、ヒッキーもいいとこだわ。
お爺ちゃんがお婆ちゃんみたいになって欲しいって同じ名前つけてくれたけど、私生まれる前にお婆ちゃん死んじゃってるからどんな人だったか分かんないし。
同じ誕生日で同じ名前にしたからっておんなじようには育たないわよっ。
私は私だっつーの!
[零れ落ちる文句は段々と明後日の方向へ]
― いま ―
[最大ボリュームの追撃に、つんのめりそうになりながら]
さすがモミジさん。
[ぽり、と頭を掻いた後、とこらえきれずに笑う]
女子力っていうか、
女性らしい、とは思うけどね。書いている本とか。
[明後日の方向へと続いている文句は耳に届かないから、
安心してつぶやいた*]
[どうにかこうにか、アンと、それからケンの顔を見て理解する]
おかえりなさい、ですかね。
少しだけ、あなたたちより多く年を取ってしまいましたよ。
─ 2014年 夏祭り ─
え、ケン君それ二つとも一人で食べるの?
お腹壊さない?てか溶けちゃわない?
まぁでも待ち合わせじゃないなら良かったー。
アン探してたんだけど見つからなくてさ、ちょっと今動きたくなかったんだよ〜。
あの子携帯持ってないから連絡つけられないしさ〜。
はぐれた時用に待ち合わせ決めとけばよかったんだけど、決める前にいなくなっちゃってー。
ね、ケン君。この後暇だったらだけど、アン探すの手伝ってくんないかな〜。
お礼になんかおごるし、ほら、アンと合流できたらケン君両手に花だよ?
─ 2014年 夏祭り ─
と…え、いいの?
イチゴも食べたかったんじゃないの?
や、私も暑いし食べていいなら喜んでもらっちゃうけど。
…あー、うん。
折角冷たいのが溶けちゃうのは勿体無いね。
んじゃ遠慮なくもらっちゃう。
えへへ、ありがとねー。
しかしカキ氷のシロップってしっかり色ついちゃうよねー。
私ブルーハワイ好きなんだけどさ、あれってすっごい青になるじゃん、舌とかもろに。
その点イチゴはいいよね、唇赤になっても可愛いしー。
お化粧とか柄じゃないけど、口紅ひいてもらったりしたみたいじゃない?*
─ むかし 祠 ─
[鳴弦の響きの後、聞こえたのは何かが落ちるような音]
[視線巡らせた先にいたのは、一番最初に消えた少女と]
……あなた、は。
[知らぬ姿に、ぱちり、瞬く]
[戸惑う所に、アンが化粧師さん、とその人に呼びかけるのが聞こえた]
[それが微かな記憶を繋げて]
[祭りの時に訪れていた化粧師だと気づく]
[今世で握りつぶされ、散る花弁を視界に収め。
何かの終わりを察する。
祭りは、無くならないだろう。
花盗人も、いなくならないだろう。
しかし、そこに力が宿らなければ――。]
解った。この花と引き換えに。
帰る道を教えてあげる。
[彼女の本音。
くつり――。
紅く引いた紅で笑む唇。
青い星砂はサラサラと散りばめられて。]
さぁ、お帰りなさい。
戻ることを願われているのだから。
[やがて一筋の道が出来たのなら。
今世へ帰る、道しるべとなろう。]
―― 回想 はざまで 再会を望む時 ――
[青い小さな花を携えた姿は、誰かの姿を待つ。
同じ遣いを受けた、その姿を。]
戻ることを望まれているのならまた、
帰る場所に待つものも居なければ…
寂しいものじゃないのかね?
[さて、記憶が薄れていた「コエ」の持ち主は。
此方へ戻ってくるのか、それとも――*]
―― 2014年 8月 1日 ――
ちょっと! 栂村! これお釣り多いって!
[手渡された五百円玉二枚を返そうと、追いかけるがなかなか捕まえられず。]
くっそー、どうすんのよ、この小銭。
[口惜しそうにビール酒まんじゅうに齧り付く。
メイクが崩れたらあいつに直してもらおう。
そんなことを考えつつ――]
あ、綺麗なミュールね。
あなたにお似合いだわ。
[靴擦れを起こして休む姿を見かけ。
その足許に置いてある青いミュールに目を留める。
どこか懐かしい色。
目を細めて――]
─ 2014年 夏祭り ─
ああ、そういやあいつ、携帯持ってないんだっけ。
[おかげで連絡網とか面倒なんだよなあ、なんてちょっとだけ思いつつ]
ん、どうせぶらっと見て回る心算だったし、手伝うのは構わんぜー。
……両手に花は、ともかくとして。
[組み合わせ的にちょっとどうよ、なんて思ったのは口には出さず。
いいの、と聞かれると、ああ、と頷いた]
ブルーハワイも悪くないんだけど、あの色がなー。
ガキの頃は面白がってたけど。
[なんて軽く返しつつ、レモンをしゃくしゃく。
ひやり、冷たさが喉を落ちて行く感触が心地いい]
イチゴのシロップが化粧っぽい、って発想はなかったなあ……。
普段、そーういうのと縁遠そうだけど、自然に出てくる辺りはお前も女子なんだなあ。
[その冷たさを楽しみつつ、素で言った言葉が。
かなり酷い物言いなのには気づいていない、鈍感がひとり。*]
[カメラを提げた青年は、ぱたり、ぱたり、気怠げな歩みで熱気の中を進み、かき氷屋まで進んで]
……お?
[ふと見えた二つの人影、
ケンとマシロのそれに、立ち止まった。ややあってからにっと笑い、カメラを構えてファウンダーを覗き込んだ。 かしゃり。
ちょっとした隠し撮りに、気付かれたなら]
んー? やー、夏の熱愛発覚かと思ってんよ。
そんなんとは違ったけ?
なーん、いい記念になるやろいね。
[などと、軽口を叩いて笑っただろう]
― むかし ―
(ああそうか)
[ぷつり、と。
茎の折れる手応えを感じたのが、この世での最後の記憶。
なにかを悟る、とか、感慨にふけるとか]
(そう、走馬燈だ)
[何かを思い出す、なんてこともなく。
少しだけ気になると言った村の行く末どころか、ヤンキー座りするンガムラの姿さえ、見えず]
(これにて、おしまい――)
[物思う自我も、かき消えた*]
― あのよ ―
[ひら、]
[青い花びらが一枚。
下方へ落ちて、波紋を散らす]
[ぴちょん、]
[水滴が落ちるでもないのに、
いくらか先に、広がる波紋]
[ひとつ、もうひとつ]
赤ワインはインパクトが弱かったかな。
あーん。
美味しいんだけどなぁ。
星の砂さま、星の砂さま、どうか赤ワインの売り上げがぐぐっと伸びますように!!
あ、いらっしゃいませ。
[花が摘んだ人間の願いを叶えるならば、代価(花)もそれと同じだけの力がある……と願ってもそうははいかなかったことも、それが、自分自身の記憶を削るものであることも、それ故に、忘れてしまった。
ただ、送ることだけ、贈ることだけ、憶えている]
……。
[足音は、ないまま]
あ。
[さまよい歩いた足は、漸く止まる]
[道の上に立ち、参り道を逆に辿る]
…………
[一度歌姫を振り返った後、胸に青い花を抱いたままゆっくりと歩を進めた。
歩むにつれて近付くひかり。
胸に抱いた青い花は解けて、靄となり宙へと解け行く。
異質な場所にありながら消えることのなかった記憶。
ここまで来れば守るものが無くとも忘れはしない]
[先に戻ったケンに遅れて、モミジもまた時の進んだ世界へと舞い戻った*]
…そろそろ行くとするよ。
すぐ戻るって皆に言って来ているから、あんまり遅いと不安にさせてしまいそうだし。
シンヤ君、色々ありがとう。
それじゃ僕はこれ──…
この、音…?
…すまない、シンヤ君。
少し付き合ってくれるだろうか。
僕の勘違いでなければ、もしかしたら…いや、行けば解る。
一緒に行こう、迎えに行くんだ。
[青い花を携えたひとがいる。
見ている先は、青い星を敷き詰めた道の方だろうか。
ふ、と笑えば。
揺らいでいた存在が先ほどまでいた世界と同じように模った]
……かえりみち、どっちだっけ。
[そのひとにかける声音は、そっと*]
音が聞こえたのはこっちだったよね?
あぁもう、暗いと走り辛くていけないな。
早く…、あっと、ここ木の根が出てるから気をつけて。
───…あぁ。
やっぱり、勘違いじゃなかった。
アン、ケン君。
みんな、お帰り。
帰ってくるのを、待っていたよ。*
記念は、記念やろ。
……折角の夏祭りやさけ。
皆の姿が撮れたら、
後から見ても、こう……
いいと思わんけ?
[ケンに、口数は多くも悩み混じりに言っては、笑い]
学級新聞のネタにも最適やじ?
なんて、うち学級新聞ないけどー。
[照れ隠しに、そんな冗談を付け足した]
─ 2014年 夏祭り ─
そうそう、いい加減持って欲しいんだけどおばさんが駄目って言ってて〜
…あ、ほんと?手伝ってくれる?
ありがと助か…って、何よぅ私とアンに文句あるの〜。
これでも近所のおばちゃん達は綺麗になったって言ってくれてるんだから──…っ、
あー…カキ氷って美味しいけどなんでこー頭痛くなるんだろ。
うんそうそう、子供の頃は皆で舌見せあいっこしたりもしたけどね。
えー、だって唇まで赤くなるじゃん、コレ。
女子だからっていうかー、男の子だって化粧する子いるらしいよ。
ケン君もしてみる?リップ位なら今持ってるし塗れるよ?
これでもいちおー、女子、ですからー。
─ 2014年 夏祭り ─
ん?
なになにケン君、どうし…あ、シンヤ君だ。
やっほー。
って、え、何、やだばれちゃったー?
なんてねー、シンヤ君もカキ氷買いにきたのー?
イチゴで良かったらあるよ、私の食べかけだけどケン君からもらったのー。
あ、そだそだ。
シンヤ君さ、どの辺見てきたの?アン見なかった?
はぐれちゃってさ、探してたんだー。
折角のお祭りだしさ、少しでも一緒に遊ぶ時間欲しいじゃない。
アンも誰かと一緒にいるならいいんだけど。
一人はさみしいもんね*
― いま ―
結局手伝わないまま祭りは無事開始してるし。
[準備の手伝いを頼まれた。
盛大に遅れたのは、引き出しに入っていた、古い日記を読みふけっていたから]
日記、じゃないよな、あれ。
[えらく細かい字は、自分のものとそっくりで。
日記と言うよりは、備忘録――]
いや、
[記憶、か?
思いついた単語に首を振る]
―― あのよ ――
[耳を掠めた懐かしい声に。
目を細めては、尋ねられた言葉に。
くつり――。
いつもの訳ありの笑顔を浮かべ。]
かえるの? なら、案内するわ。
[その為に待っていた。
だって、アタシとアンタは相棒でしょう? と。
くすくすと立てる笑い声に。
続く道もまた、青くうつくしく、瞳に映し*だされていく*]
なんね、大胆やじー?
[食べかけのかき氷を見せるマシロには、はやすように、やはり冗談げに言って]
俺は、適当にここらうろついとるけど。
アンはー……来た時辺りには見た気するわ。
あいつ、なかなかふらふらするさかいね。
そやそや。
一人もいいけどー、ずっとはなあ。
― あのよ ―
[くつり、と聞こえる笑い声に、瞬きを返し]
……その声。
[懐かしい音。
語りかけては、ずっと、待っていた声だ。
握っていた手を開く。
手のひらにのっているのは、声の主が消えた日に、拾った、青い星だ]
やっぱ、賑やかなのが一番やさけな。
[そう付け足しては、また笑って。
ケンの提案に、頷いた。
じりじりと、賑やかに蝉が鳴く声を聞きながら**]
[星から相手に視線を戻す。
楽しげに笑う声はまた、歌うようでもあり、耳に心地よく響く]
(なんてことはない)
(俺の願いを叶えてくれたのは――)
[青い星を握りしめる]
ありがとう。
かえろうか。
[相棒、そんな言葉が照れくさい。
どこにかえるか、などとは問わない。
彼女が帰る場所が自分の帰る場所]
ああそうだ。
[改めて、見やる、相棒の姿。
くすり、笑って告げる**]
[袂から取り出した、年季の入ったフェイスブラシを指でなでる。
近づいていくのは、祠の裏手にある狐の像]
年に一度の、おまじないです。
[石像の鼻筋にふんわり赤乗せて、両手を合わせて祈りを捧げる。
また来年も、こうして無事にお祭が執り行われますよう――**]
─ むかし/境内 ─
[モミジは走った。
履き古した青いサンダルが石畳を叩く]
────……あぁ
[見つけた小さな姿。
記憶のあの時よりは大きくなった、愛しい我が子]
カエデ、あなた……!
[幼子を連れていた夫の下へ駆ける。
涙を零しながら、愛する家族へと抱きついた**]
[手招かなくとも、やってきた相棒から
「かえろうか」と言われたのならまた笑みながら一つ頷き。]
あぁ、お帰り。
待ち草臥れるかと思ったよ。
[帰りを告げる言葉に。
出迎えの言葉を重ねて。
さぁ、還る場所へふたりで*向おうか*]
― いま ―
[屋台で買った酒まんじゅう(赤ワイン)を手に、向かうのは神社の裏。まあ、向かったと言うよりは人混みに押し流されたという方が正しいが]
……?
[流されてたどり着いた先。
神社の裏にある祠に、花が、一輪咲いている**]
青い花なんて、めずらしいな?
学級新聞は私も勘弁だなー、スクープは秘めるから美味しいんだよー。
でもシンヤ君の気持ちは解るなー。
写真は見たらその時のこと思い出せるもんね。
私シンヤ君の写真好きだよ、笑顔多いし。
…うん、探しにいこっか。
それでさ、皆でお祭りまわろうよ。
やっぱ賑やかなほうがさ、神様だって楽しいだろうし。
折角のお祭りだもん、みんな一緒に楽しみたいよ**
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