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…今年も祭りはやるんだな。
三年続けて、人が居なくなっているって言うのに。
モミジさんなんて、あんな小さな子を置いて。
ザクロって人も、随分人気のあった歌手だったって聞いた。
二人とも、自分から居なくなるなんて有り得ないのに。
…なんで僕の願いは、叶えてもらえないんだろう。
花は、一体誰が摘んでいるんだろう。
…ん。
ううん、大丈夫。
ちょっと暑さに眩んだだけだし、少し休んだからもう動けるよ。
さ、皆。
まずはどの屋台から覗こうか**
そうだね、今日は妙に蒸し暑いから。
カキ氷…アイスキャンディーでもいいな、冷たいものを食べたいね。
うん?あっち?…あぁ、本当だ。
ダンケ兄さんに…化粧師の、お兄さん。
……ううん、ごめん。
やっぱりまだ駄目みたいで…少しあちらの長椅子で休んでるよ。
すぐ戻ってくるから、皆この辺りで遊んでいてくれるかい?
…ふぅ。
──…おや?
シンヤ君じゃないか。
久しぶりだね、卒業式以来かな?
…と、ごめん。
少し暑さにやられたみたいでね。
隣、座らせてもらうよ。
…シンヤ君。
君は今年のこの祭り、楽しみだったかい?
僕はね、嫌だった。
アンもいない、ケン君もいない、知っている人も知らない人も、いなくなってしまった人がいるのに、何でって。
また今年も誰かいなくなるんじゃないかって、怖くて。
あの言い伝えに縋ろうと思ったけど、結局駄目だった。
兄さんが案内してくれるって言ったのに、僕は、怖くて逃げてしまった。
皆を返して欲しいと願いたかったのに、その代わりに誰かが死なせるなんて嫌で。
皆返して欲しいんだ。
でも、また誰かがいなくなるのも、もう嫌なんだ。
僕はただ、皆がいる日常を取り戻したいだけなのに。
なんで、それを叶える術が見つからないんだろう**
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