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−昨夜・居室−
[手紙をしたためると、何度か読み返して、瓶の中に入れた。それを窓辺に置いて食堂へ戻るが]
え?まだジロウちゃんたち帰ってないの?
[所在なげに再び部屋へ戻り、小瓶を眺めているうち、いつの間にか眠ってしまっていた**]
[昨晩は具が大きいカレーを食べて早々に寝た]
ジロウどこ行ってんだ?
[そうして、浅い夢の中で鳥の声を聞いた。
髪の長い女が、赤い花が咲く木の下で、赤い実を食べていた]
―自室―
[目覚めて自分の居場所を認識する頃、物音がした]
また鳥か?
[見やった窓辺には、身に覚えのない小枝が置かれていた。
ただし今朝は、手紙を入れるはずの小瓶にささっている。
小さな赤い葉が芽吹く枝が、室内に現れていた]
誰か入って来たのか……?
[ぞっとした。
窓は施錠されたまま、外には鳥一羽も見当たらない]
[こんなときでさえいつもと同じように身支度をするのは、幼い頃に身についた性だった]
ジロウいないか?
[ロビーを覗くが人影はない。
応接セットの傍らにある本棚から、植物図鑑を引き出してめくる。赤い若葉の小枝を“ザクロ”のページに挟みこんだ]
―ペンションと洞窟の間―
アンちゃん、ザクロさん。
[裸足で横たわっていたのは、二人の女性。
顔は判別がついたが、他は見るも無惨だった]
熊でも出るのか?
[顔をしかめて茫然と立ちすくんでいたものの、カラスの鳴き声が聞こえて我に帰った]
ああ、そうだ警察。
[自分に言い聞かせるように呟き、ペンションへ。
道すがら見上げると、上空を大きなカラスが*旋回していた*]
[いざ書こうと思うと、何を書いていいかわからなくて。短い手紙を書いて、ビンの中に入れました。
ビンを抱いたまま、小さなため息をつきました]
…どうして、突然居なくなっちゃったんだろう…
急にママが居なくなって…
パパに聞いたら、凄く難しい顔をして…何も教えてくれなかった…
何でだろう…
[つぶやいて、目を伏せました]
[夜、みんなでご飯を食べたりして待ってましたが、パパも来ませんし、ジロウおにいさんもマチコおねえさんも帰ってきません。
どうしたんだろうと思いながら、お部屋に帰りました。
ビンを置いた窓際は、月明かりが差し込んでいて綺麗でした。近寄って、窓の外を見てみます。
お空には、まあるいお月様が浮かんでました]
ママにお手紙、届くといいなあ。
[ビンをそっとなで、空をみあげます。まあるい、まあるい、おつきさま]
なんかおなかすいたなあ。お団子食べたくなってきちゃった。
『うーさぎ、うさぎ。何見てはねるー♪』
[小さく歌いながら、部屋の中に戻って行ったのでした]
―朝―
おはようございますー
[今日も元気よくあいさつをして、食堂に行きました。
しかしテーブルの上には、なにもありません。]
あれ?アンおねえちゃんまだご飯作ってるの?
今日もお手伝いしたほうがいいのかな?
[台所をのぞいてみました。しかし、誰もいません]
おかしいなー?
[首をかしげてみたものの。どうしようもなく]
おなかもすいてないことだし、もう少しアンおねえちゃん待とうかな?
[そのままちょこんと、椅子の上に*座りました*]
―ロビー―
117違う……119…?
ひゃくとおばんだから、110だろ。
[受話器を持ち上げ、警察へダイヤルした]
もしもし?
[聞こえてきたのは『はぁいあたしリカちゃん。お電話ありがとー!』という陽気な声だった]
すみません間違えました。
−朝・居室−
[再び目覚めると、すっかり日が高くなっていた]
私としたことが。もうこんな時間じゃないの。
ここに来てから、何故だか良く眠れるわねぇ。
[暢気に呟きながら、食堂へと向かう。そこにはいつもの和やかな雰囲気はなく、酷く寒々しかった。
ルリが一人で座っているのに気付いて]
ルリちゃん?おはよう。
他のみんなはどうしたの?
[――自室。
薄汚れた小瓶から、変色した手紙を取り出した]
素敵です。
僕もそう思った。
[昨日の会話を思い出しながら呟き、紙片を灰皿の上に置く。
横にあったマッチをすって、そっと火をつけた]
あら?ゼンジさん、どちらへ!?
[出かけるゼンジに気付いて声をかけるが、軽く手を上げて行ってしまう。その表情は、軽口とは裏腹にどこか緊迫していた]
ルリちゃん、ゼンジさんどこへ行ったのかしら?
[問うが、少女も行く先は知らない様子だ]
え?外には出るなって?
……そう。
じゃあ、待つことにしましょうか。
[いたずらに不安を煽るまいと、にっこりルリに笑いかけながら**]
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