情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了
[1] [2] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
〔覆った手は、手持ちランプの灯りを消した。
直後、慣れない闇が杏奈を飲み込むが。〕
―――。
〔立ち尽くし、前方を凝視する事、3分。〕
…やっぱり。
〔納得した様に呟いたのは思惑通りだったから。
手持ちランプの灯り以外に無い雪道は、
かえって灯りの無い方が視界がはっきりする。〕
〔地を覆う、幻想的な白。
其れは進む道に敷き詰められ、続いている。
まるで杏奈という姫を迎える為に敷かれた、
"居城"までの絨毯の様だ。〕
……ふふ。
〔文学部の部長は、表出している性格と反し。
内面はそんな夢見がち少女。
自分だけの絨毯を踏みしめ、我が物顔に胸を張る。〕
灯りが足りなくてよ、セバスチャン。
もっと足元を照らして頂戴。
本当に気の効かない執事だこと。
〔そんな雰囲気に酔ってか、一人芝居。
しゃくしゃくと踏みしめ、おほほ、と笑う。〕
……。
〔笑いの数秒後。芝居を止め立ち尽くしては、〕
……バッカみたい。
〔現実に戻る言の葉を一枚、雪道へ降らす。
その程度の分別はついた、夢の様だ。〕
……ついたら、ゆっくりしよう。
続き、読まなくちゃ。
〔しゃくしゃくと歩みを再開し。
呟きながら鞄の中へ伸びていく、手。〕
楽しみ…。
〔ほぅ、と息を吐き。
瞳は再び、夢見がちな色で染まっていく。
鞄から這い出た手が所持するのは一冊の本。〕
[1] [2] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了