情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了
[1] [2] [3] [4] [5] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
……もどってきたんかぁ。
[いつもどおりの腰の痛みが現実感を伴う。
眩暈の感覚を覚えて、手近の大きな石へ寄りかかり、ぼおっとしていた。]
[己の内からナニカが浮き上がる気配。]
[ふわり。
ソレは、タカハルを覗き込む。]
『どうしちゃったのかしら。
どうしちゃったのかしら。
ここにいるのに、なんだか遠いみたい。
どうして こうなっちゃうの。
わかんないわ、わかんないよぉ。』
『ヌイには、願いを叶えない手だって、ゆわれたの。
アンには、とおせんぼ されたの。
[「晴れたらあーそーぼー
晴れたらまたあーそーぼー」
内がわで、蘇りこだまするアンの歌声。]
どうしよう。
これから 好きになってもらいたいのに、遊んでもらいたいのに、
このあと どうすればいいか わからないわ……』
[彷徨いの中。聞こえてくるのは、ナニかの声]
『……望み、は。我らの望み、は』
(オレは、そとに、いきたい)
『我は、縛から、逃れたい』
[なら、一緒に目指す。
切欠なんて、その程度。
けれど]
(越えらんなかった、な)
『越えられなかった、な』
(……このまま……消えちゃうんかな)
『……消えたい、か?』
[疑問に返るのは、問い]
(消えたら。
……どこか、いける?)
『消えたら。
……なくなるだけ、だろう』
(……そっかぁ)
『……そう、だ』
[ゆら、ゆらり。
揺らぐ、ゆらぐ。
ゆらぎは侵蝕をほんの少しずつ、緩めて。
本来二つの存在だったソレらを、あるべき姿へ戻してゆく]
(なくなったら……)
『……望みは、二度と、叶わぬ、な』
(それ、やーだなぁ……)
『……なら……どうする?』
(…………わっかんね)
『……我も……わからぬ』
[互いに、わらう。声はない、けど]
[どこからか、聞こえる泣き声。
沈んでいたモノたちがゆれる、ゆらぐ]
『……喧しい……』
[何気に、酷い物言いの後。
ゆらり、立ち上る、ぎんいろのひかり。
それは陽炎のよにしばし揺らめいて。
やがて、半透明の姿を形作る]
『……つかれた。ねむい』
[誰にともなく、一方的な言葉をぶつけて。
現れたソレ──銀灰色の、三本尻尾の小さな狐は、眠る少年の横で、身体を丸めた**]
[――雨上がり。
濡れた河原に、移民の男は両足を投げ出し呆けている。
浅く起こした上体は、後ろへついた両腕で支えている。
ロケット花火が炸裂した音の余韻は、まだ耳奥。
転覆した舟は、壊れながら遠く流されていった。
タカハルは少し離れたところへ横たわり、
匿われていたたましいたちは器と共に還り来て。
事態の収束。眠気に身を任せるセイジ。見守るアン。
我を取り戻した態のボタン。喜び合うギンスイとホズミ。
一通り見渡して、ゆるゆると、深々と、溜め息をついた。]
…
ンガムラさん。
[『タカハルは?』尋ねた化粧師には、誰か答えたろうか。
やがて立ち上がる男は、ンガムラが岸辺に脱ぎ捨てた服と
借りたこうもり傘を拾って来てそろりと彼の膝元へ置く。]
舟、ひとりじゃ 岸に寄せられんかった。
ありがと
[もうひとつ、拾ってきたのは着慣れたサマーセーター。
やはり生きて戻り来たキクコのほうへ歩を寄せながら、
ぎゅうと絞る。びたびたと落ちる水に、男は眉を寄せ]
キク嬢ちゃん――
せっかく 乾かせっ くいやったとに すんません。
[かくん、と 頭を下げる。しばらくはそのままに――]
…
ご無事で 宜しゅ ごわした。
[低い声が、胸裡を押し出すようにキクコの帰還を慶んだ。]
[不安定だったひとつはふたつに戻り。
やがて、目が覚める]
……んー……。
[目蓋越し、感じる光が、眩しい。
何度か瞬いてから、起き上がった。
身体が重いのは、濡れたからか、それ以外の要因のためか。
ぼんやりしながら周囲を見回したなら、目に入るのは、三尾の銀狐]
…………。
[傘を飛ばして、何もない、左手。
そっと伸ばして、ソレを抱え込んだ]
あー……。
[左腕には、銀狐。右手には、てるてる]
どーすっか、なぁ……。
[まだ少しぼーっとしたまま、空を見上げて。
ぽつり、小さく呟いた**]
[――晴らし神のなきごえ。
――銀ぎつねの淡い寝息。
同調していたタカハルの、つぶやき。
耳にして、振り返った移民の男の面差しには
まだ静かな憤りが…確かに息づいていた。]
…
[落ちていた櫂を拾い上げ、絡む白布を解くと
無言のまま元あった船着場へと置きに行く。]
[己の所業、反省もせずに、身勝手に泣いていた ひとならざるモノは、]
[混じり合っていた気配が変容するのを感じとり。]
……あれ。
[少年と、三本尻尾の狐へ、忙しなく頭を振り向け]
もう いいの?
[ぽつり、問いという程でもない。]
[どーすっか、なぁ……という、先をおもう、少年の声の響きに、ふらりと揺れ。」
[振りかえったヌイの顔色を認めて悄然と縮めると、
いよいよ老婆から離れ、川面へと風に流されて行く* ]
[キクコに背を向けて、歩を進めながら
神を宿していた疲れから眠るセイジと寄り添うアンに微笑んだ。
大きな石へ凭れるボタンに手を貸し、腰が楽なように座らせた。
そそくさ と和服を着込むンガムラの顔は、見ないふりをした。
紫色の蝶々を追いかけそうになったギンスイを留めるホズミと、
束の間だけ目が合った。何か言いかける彼女を、視線で制する。
長い櫂を、船小屋へ丁寧にしまうと、
遅れてきたネギヤとすれ違って――移民の男は河原を後にした。
ぶ ぶうん…
ほぐれた虹のようないろだった、蜂の群れも何れ*どこかへ*。]
[黄蜂ぶーん]
[なぜかそばで、ロケット花火ばーん。]
……やかましかっ!
[原因を悟り、ンガムラの無事を認めれば。ホズミと、ついでにンガムラも怒鳴りつけた。
それから]
…わしゃ、蜂は、好かんわ。
[耳元を過ぎて空へ上って行く蜂。
それでもまだどこかから羽音が聞こえるよう。]
[きらめく蜂の羽が飛び行くのが、どこか流れ星にも似て見えて。]
いべんとの、あんころ餅の当たりが、
あたりますように。
[小さく小さく、そんな願いごとを口にした。]
[自分の、いべんと、の言葉に、ふと]
今年ももう、トランクス音頭の時期じゃのう。
アンやおキクたちのトランクス姿が楽しみじゃわ。
[トランクス音頭を踊る際には、トランクス着用するみたい*]
[1] [2] [3] [4] [5] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了