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[ こぽり ]
[ こぽり ]
[気が付けば、暗い水底から乏しい光が揺れる空を見上げて居た。
手を伸ばしても、地上には届かない。
叫び声を上げたくとも、生臭い海の水が肺腑を満たすだけ。]
…………ぐぁ、あッ
[ こぽり ]
[ こぽり ]
[耳の奥まで染み込む水の冷たさ。
湧き上がる水音に紛れてキィーンッと不快な金属音が頭蓋を揺さぶる。
浅瀬で破れた網を投げては巻いて居たはずが、何故倒れた程度でこんなに深い場所まで流されてしまったのだろう。]
(……誰か、
助けて、く…………)
れ
[開いてしまったヘイノの口に、悪意と言う名の意思をそれが持っているかのよう、大きな藻の塊が入り込んで来る。]
(俺は、このま、ま……
此処で、故郷に帰る事も出来ず、
あ、呆気なく
……兄弟の仇を)
[手足が上手く動かない。誰かがヘイノの脚をガシリと掴んでいるかのよう。]
(………死んで、しまう)
[ラウリの帽子は無くして居て、ただ休んで居たエリッキの小屋からくすねた網が絡まりヘイノの身体を縛って居る。道化とはヘイノの事を言うのだろう。]
(弟の、父の、一族の、
仇がこの村に居るはずなのに…………俺は、)
[それでもどうにか海底へ首を捻ると、淀んだ闇の奥から浮かび上がるモノと──目が合う。]
[ こぽり ]
[ こぽり ]
[眼差しが発する害意に当てられた様に苦しい息を詰め。誰だ、と問うたのちの短い沈黙。
ヘイノの頭に浮かんだのは、ドラウグと言う海から来る化け物の名前。]
…………俺の魂を、
お前にくれてやれば、せめてかの敵にまみえたい、
と言う願いは叶う、か?
[ こぽり ]
否、まみえるだけでは、足らず。
あれを思い付く限り、あらゆるやり方で辱めて、最後はあれの肉で腹を満たして、
やりたい。
親兄弟一族を無くし、コソ泥で命を繋ぐ惨めな男ひとり。
俺で足りぬなら、
陸の者の魂を幾つ捧げれば、 …………叶うの、だ。
[陸へはどう戻ったのか。
魚の死骸が絡まった襤褸ぼろの網がエリッキの小屋に投げ込まれる。
村の道には、潮で濡れた大きな塊を引きずった様な跡が其処彼処に**。]
/*
ヘイノに自分の出したお題がいってる?
しかし、朝投下する気だったけど、
網投げ込まれたのどうしようか思い浮かばないから、
明日というか夜にしていいですか。
移動しておいた方がいいのか。
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