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リウは「消えて」しまったから。
帽子屋に聞いても
見つからないよ、 アリス。
見つからないのかな。会えない。
私はアリスではないけれど。
[血の色で書いた黒板の文字を、遠目に見]
それでも、不確定だ。
赤い……字だ。
リウ、消えてしまった……?
帽子屋に会っても
……ア?
──犬のお巡りさんなら、迷子のフユキさんを家まで送ってくれるかもしれないのにね。
[窓の外をぼんやりと見つめる。
落雷した樹から煙が上がっている]
/*
2日目。
ネ ヤ
ても
見つから
3日目。
リ 消え し た
帽 屋に ても
見 な よ、 ア
先頭は普通に空欄一文字かな?
リ――消え、し――
帽――
――な、――
[赤く染まった白墨を置き、書いた文字を読み上げるが、そのほとんどは葉擦れのようなざわめきとして聞こえるだろうか。ソラとレンの言葉には、それぞれ頷いて]
家まで。送ってくれるかな。
迎えにきてくれるだろうか。
[犬のおまわりさん、というのに、ぽつりと。つられて窓外を、煙を上げる木を見やった]
/*
2日目
ネ■ヤ
■■■■■■■■■ても
■見つから
3日目。
リ■■■消え■し■■た
■帽■屋に■■ても
■見■■な■よ、■■ア
……こんな感じか? 文末は不明だけどさ。
[夕暮れ時の森の中、学校帰りの少女が一人。
あたりにカラスの鳴く声がいくつも聞こえる]
カラスさん、たくさん鳴いてる……。
静かにして。
[鞄からガラスを取り出し、爪で引っ掻く。
キーという嫌な音が響くと
カラスが一斉に飛び立つ羽音に上書きされていく]
いなくなった。
[飛び去る黒い影を無表情で見つめた後
再び歩き始める。
やがて一軒の日本家屋へと入っていく]
帰りたい。どうだろう。
どこかへ行こうとはしていた筈なんだよ。
どこへ行こうとしていたのか、思い出せなくてね。
帰ろうとしていた、のかな?
[ソラの問いに、取りこぼされたチョークを目で追いつつ、疑問形で返し]
帽子屋じゃないよ。
だからさ……言ってるじゃないか。
オレ、駿河の羊羹問屋の若旦那だって……。
……フユキさんは道がわかるといいね。
[なぜかよわよわしく告げて、視線は広間の入り口を*向いたまま*]
あたしが連れて行ってあげましょうか?
[フユキの目を見つめて、ふっと笑う。
白墨に汚れたままの指先を、男の口角に押し当てて、ぐっと横に引いた]
どこへ。
[自嘲するような笑みを浮かべ、窓際へ*近づいた*]
ああ。わかるといい、のかな。
[レンの弱い言葉に、こちらも曖昧に答え。ソラに見つめられると少し黙り――口角に押し当て引かれた指先に、幾分驚いたように瞬く]
……
[その跡に、軽く指先で触れ]
……どこに?
[空に問いかけるように独りごち。
卓の傍に正座して、束からノートと筆入れを、筆入れから一本の鉛筆を取り出し]
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