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[口を尖らせ、文句を1つ。
父親との関係を聞かれれば、皮肉気に片眉上げて]
あぁ、こっちのオッサン? 家じゃ死んだ事になってる幽霊サン。足がある幽霊って珍しいでしょ。サインでも貰うことをお勧めするね。
[口元に乗せたわずかな笑みも、続く言葉にみるみる歪む]
………別に。俺、義姉さんじゃないしね。
ガッコ行くのやめただけだし、元気なんじゃねぇの?
[義父の連れ子だった人の死は、奇妙に現実感がなく。
握手を求められても、気恥ずかしさと両手に抱えている
押し付けられたチョコの行方を考え、一瞬戸惑って]
はっはっは。
このテレやさんめ。まぁ元気そうで何よりだ。
[きょろきょろと辺りを見回し。]
ここにいるだろうと思ったんだがなぁ。
何処に逃げたんだか、風雪センセは。
…………。
……………ばっかじゃねぇの
[ただ、それだけだったのに。
自分にか、言った相手にか。顔をしかめて吐き捨てる。
記帳している彼の背中に甘い匂いの包みを1つ押し付けて]
……先行ってるから。それ、持ってきといてよ。
食べたら、あのオッサンに恨まれると思うけど。
[ちょっと肩をいからせてバッグを抱え直せば
人の少なくなった管理棟の扉をキィと開けて出て行った。
出際にちょっと強面の爺さんとすれ違い、軽く会釈をしたりして]
―― 管理棟 → どこかの廃屋 ――
おあいこか。こりゃ、一本取られたわい。ふぉふぉふぉ。
……空の向こうに、ですか。
なかなかに興味深い話ですね。地球は狙われていると。
[孝治と名乗った青年の説明を真剣な顔で聞き、思わず言葉が素に戻る。これは次の作品に使えるかもしれませんね、と小さく漏らし]
しかし、それは……ただの定規に見えますが。それで、救われるのですか?
[不思議そうに地面の先と定規を見つめていた]
ちょっと、原稿回収ついでにチョコの配送も兼ねていてねぇ。
風雪センセあてのチョコはどうしようかねぇ。
行方をくらましたままなら没収かなぁ。別の作家センセに渡してしまおうかふふふふふ。
[と、不気味に笑っていたが。
ふと気配を感じ、カウンターの方を見た。見覚えのある横顔。]
おおっと、ペケレセンセじゃないですかー?
奇遇ですなぁ。センセの“目”もお元気ですかねぇ?
[つれない態度の獏をさらりと見送った後、笑顔で清水に声を掛ける。
“目”というのはカメラのことらしい。]
ああ……そうか。お客さん。
そんな話を村長に聞いたような気もするなァ……。
[どこかばつが悪そうにひげの三つ編みを弄ぶ]
やァ皆さんコンバンハ。
オレはこのネギ大福の主治医で、こいつが薬を忘れたから持ってきたんですよ。
[打って変わってさわやかな笑顔になり、挨拶と簡単な自己紹介]
[突然現れた老人の一喝には少し驚いたが、ほどなくいつもの暑苦しい笑顔で挨拶を返す。]
やぁ、元気そうなおじいさん。
なかなか素敵なお声ですなぁ。惚れ惚れしますよ。
私、栗田と申します。しがない編集者でして。
ちょいと、とある作家センセを探し求めて三千里。
弱い二十歳少し過ぎで、眼鏡をかけた色男なんですがねぇ。
どーこいったんだか。
[清水が記帳していた宿帳を覗き込む。]
………記帳はなし、か。
とはいえ気配はさっきまであった気がしたんだがなぁ。
―― 管理棟 → どこかの家屋入り口 ――
[管理棟を出て、自分の足と気分に任せて村の中を進む。
うっすら積もった雪をがっしがっし蹴りながら歩くことしばし。
今は住民がいないだろう家屋の1つに着けば]
………あー。しくった。
テンマのオッサンに、俺たちの泊まる家聞くの忘れた。
[管理棟に戻る気にもならず入り口のたたきに荷物と共に腰下ろし、
しばしのんびりすることにした]
……これ、何の木だろ………
[目に入るのは家屋の庭先に生えている1本の木。
まだ花をつけないその木を、ぼうっと眺めている**]
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