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[雪の静けさと神聖さが生み出す荒れた静寂の世界
かつてはたくさんの人がここで祈り泣き笑い熱気をみせた場所。そして自分の産まれたところ。
注連縄もなくただそこにあるだけの大きな大きな木私はそこの下にいる]
[数人の死体がある場を離れ、一度、己の割り当てられた家屋に戻った。ビニール紐とセロハンテープ、ライターと複数の蝋燭を荷物から出し、大きめのビニール袋に入れて]
……、
[再び外に出て歩いていく。冷えた空気の中、歩みに合わせて黒い傘が揺れる。一つの家屋の前で立ち止まると、その扉の中央辺りにセロハンテープでビニール紐の広げた端を貼り付け]
/*
おー。生木、燃やすんだ。
適当に切り倒してから燃やすんだと思ってた<鉈と斧
まーいっか。静かに壊れていってるっぽいよね。
結果オーライ。
多分。
/*
どうしよっかなー。
・ソロール
・タカハルと儀式の手伝い
・ニキとドウゼンのところ行く
3番目はないなー。
C心境ではやりたいんだけど、でしゃばり過ぎだし、ptキツイし。
1番目のソロールは、エピでやればいいかなー?
よし、2番目で。でも、タカハルどこにいるんだろ?
─参道─
[息切れする]
重い……。腰が痛い。
[ポリタンクを下ろし、立ち止まる。疲れだけでなく、足取りが重い]
[騒然と咲き乱れるハナミズキたちを眺める]
ご先祖さんたちは【カザガミサマ】に恩恵を受けていたんだろうに──なんで、こんなことになったんだろうなァ。
[行き違う一方通行の思いたち]
『私の想いを受けてください』
[そんな花言葉の木々を、自らの死体の上に植えた村人たちを思った]
ごめんなさい。ごめん。ごめん、なさい。
[父親、義兄、そして最後にフユキさん。
1人1人丁寧に、他の人の所へ運んでいく。
命を失った体は重い。
最初のネギヤの時は見ることも怖くて出来なかった、遺体の数々。
時折香る、ハナミズキの香りに励まされるように、作業を終えた]
………ごめん、なさい………
[パタン、と遺体が収容された部屋の扉を閉じると、
目を閉じ、額を扉につけて最後に1度呟いた。
まるで、祈るみたいに]
[風がざわめきだす
花が風に乗って兎に知らせる]
ニンゲンガオッテキタ.....
ニンゲンガオッテキタ.....
[神社の鳥居を潜る時に、ぞわりと怖気を感じた]
[それでも、足を止めずに、まっすぐに歩く。
ひとつだけ花が咲いていない、異様に古いハナミズキの前にたどり着く]
望ちゃん……危ないからそこをどいてくれねェか?
[木の横にたたずむニキに、声を掛ける]
日本の神様ってのはねぇ、祀れば恵みを、ないがしろにすれば祟りをもたらすもんです。
まぁ、今回のケースはその一つなんでしょうねぇ。
今更、祀るなんてもんでもないでしょうが。
[声に私は振り向く。いや私ではなく私を動かしている兎が振り向かせたと言うべきか。猟銃を持つ翁。かつての過去と同じ。ボクを殺そうと傷を負わせた猟師と同じ匂い私の意思とは関係なくまた口は開く。]
ドウゼンさん......
やめて.......
私死にたくない.......
兎を殺さないで.......
[ふう、と大きく息をつく]
………………
雨園君、手伝わないと………
[先だっての激昂の興奮はもうすっかり消え、
重い体を引きずってタカハルを探しに踏み出した。
目印は、黒い傘。
時折くらくらと襲い来る眩暈にしゃがみこむ。
その度に吹く小さな風。しばらくふらふら歩きまわり、
その傘がある空き家の前に留まっているのを見つけた]
ごめん、遅れた。手伝うこと、ある?
[呼吸を整えると、ぐいと袖で汗を拭いながら聞いた]
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