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[口を開けど、ただ掠れた吐息が漏れるのみで。 胸元を握り首を振れど、その仕草が誰かに伝わることはない。
目覚めた鷹野が、村瀬に向かって何度も頭を下げてから喋り出したのを聞き、息を呑んで]
──ま、──……っ、……て。
[絞り出した吐息も、思考に沈む村瀬には届かない。
最初の投票の時と同じく、全身が心臓にでもなったかのように動機が激しく、目の前がぐらぐらと揺れた。
──ああ、彼女もやはり命をなくしてしまうのだろうか]
『あたしで決まりですかね?』
[軽やかに隣車両に歩を進めていく鷹野]
──あ、
[小鳥遊が鷹野の後を追い、隣車両に消えたところでようやく身体が動いた。
ぐらり、ぐらりと、バランスを崩し、通路横の座席を掴みながら、小春も二人の後を追う。
人と付き合うことを苦手とする小春にとって、下の名で呼び合う相手など、数えるほどしか居ない。
初めて言葉を交わした折、敬語の抜けきらぬ己に対して、緊張を解すように気さくに話しかけてくれた。
──ついさっきのことのはずなのに、もう何日も昔の出来事のよう。
屈託のない彼女の笑顔や声色は、まだ瞼の裏に、耳元に、残っていた]
──くるみ、ちゃん……!
[ガタンッ! 列車のジョイントにもたれるようにながら扉を開けば、漂ってきたのは新しい血液の匂い]
『Who killed Cock Robin?』
[マザーグースの一節が響き、振り返った小鳥遊の愉しげな瞳を前に、全てを理解した。
倒れ込んでいる鷹野の身体を確認するまでもない]
………………っふ、ふふ、………あはっ。
[くすくすくす、と思わず肩が震える。
小鳥遊の笑い声と相まって、一時軽やかなユニゾンが流れた]
……ふふっ、そうだよね。
──こういう……ことなんだ。
[どれほどそうしていただろう。
鷹野の死を確認した途端、目眩は嘘のように収まり、小春はしっかりとした足取りで、テープレコーダーのある車両まで戻った。
かつて、近藤の座っていた席に腰を掛け、辺りを見回して緩く微笑む]
……ああ、胡桃ちゃんの他にはだれも殺されなかったんですね。 よかった。
[投票用紙が開示されているのを見やり、一つ頷いて、長澤が此方に来るのを待った]
─回想・成瀬の返答に対して─
[首を傾げる成瀬と同じ方向に首を傾げて、瞬く]
うん、別々に考えていいと思うけれど、セットで考えても主張として一貫しているし、普通に好みの問題じゃないかな……?
そこは寺崎くんが鬼でも違っても変わらない気がしたよ。
逆に、梨羽ちゃんは寺崎くんの主張、正体由来だと思うの……?
─回想・櫻木の質問に対して─
[喉元に手をやり、皆のやり取りを見ていたところ、櫻木から声をかけられる。
不思議そうに櫻木を見てから、かすれた声で返答した]
声の聴き方、見方、その人の見る目……?
ごめんなさい、櫻木さんが何を聞きたいのか、よく分からなくて。
何を疑問に思ったのか、どういうことを聞きたいのか、もう少し補足してもらえるかな。
[ちらと投票箱に目をやる]
投票の後にでもまた、改めて。
/*
占霊の潜伏の手伝いをしたい、って言ってしまったから、非狩透けてるかなー……。
うーんと、9(6:3)>7(4:3)>5(3:2)>3(2:1)>EP
全部で4縄、余裕が1縄。
確霊1確白1占2片白2完灰3。
占真狂と考えているので、情報量保持の面から考えても、占吊りには消極的。
占ロラを考えるなら、どちらを先吊りするかで狩透けの懸念有り。
完灰吊り、吊り狩回避有り、護衛先に投票で狩COはどうだろう。
自由占いの時点で、灰全体に色つけて推理の手がかりにするってやり方の方が向いてる気がするんだけども。
いや、むしろ狩ロラ出来る手数のある本日のうちに、狩COを促す……?
[かざされる長澤の掌を前に、瞼を伏せた。
──いくら待てども、特別何かが起こることもなく──]
――なぁんだ。
[伏せた瞼を開いて、軽く唇を尖らせる。
弓槻や、村瀬の結果発表も聞こえてきた]
概ね予想通りで、思考の進みも何も──ああ。
[少しばかり不満気に呟きかけ、何かしらに気づいたように宙を見る]
そういえば、今度は処刑を行なっても、鬼は誰も襲わなかったんですね。
いいえ、……襲えなかった、……かな?
[くすくす、と笑いながら言葉を継ぐ]
ねぇ、六花ちゃん。
鬼から他者を守る手を、今、場に出してしまうか──
次の投票で、投票用紙にさっき守った人の名前を書き込むことで、力を持っていることを告白させるか──しない?
[立ち上がり、順番に成瀬、須藤、寺崎に視線を移していく]
誰からも調べられていない人……梨羽ちゃん、須藤先生、寺崎くんのうちの誰かを処刑して、残りの2人を弓槻くんと美空くんに調べてもらうの。
そうすれば、全員に誰かしらの調査結果がつき、見分ける目を持つ人目線では、大体誰が鬼だか分かると思うんだ。
[村瀬から近藤のスケッチブックを受け取って、ありがとう、と嬉しげに笑った]
詳細なシュミレーションはまだだから、いま出てもらうのがいいか、投票で出て貰うのがいいかは決められていないのだけど……六花ちゃんも、よく検討してみて。
活発に話し合うことは、難しい話題だから。
[気持ちが落ち着かぬ様子の村瀬に手を伸ばしかけて躊躇い、そのまま下ろす]
私も、そんな力は持っていないよ。
[寺崎の視線の促しに沿って口を開いた。
と、いうことは──と、櫻木を見る]
[櫻木の告白を聞いて、頷いた]
私はこのまま、須藤先生・梨羽ちゃん・寺崎くんのうち誰かを処刑にかけ、残りの二人を別々に調査してもらう方法を希望するよ。
処刑先希望は、須藤先生か梨羽ちゃん。
その理由については、これから話すね。
[レコーダーを巻き戻し、『その理由は納得いかない』と須藤の言葉を再生する]
はい、さっき挙げた部分はほんの切っ掛けです。
先生の発言を聞き直して、他の人についての心証と比べて、先生が鬼なんじゃないかなって思いました。
……今共通点に気づいたばかりなんですが、私が誰かを鬼じゃなさそうだと思う時って、その人の無防備さを見たり、言葉の後ろにある思考の広がりを感じた時なんですね。
[言いつつ、手帳を捲り始める]
櫻木さんの場合は、『何か欲しい』と動けないで居ることを素直に見せる無防備さ。
胡桃ちゃんの場合は、『もしこの二人が鬼だったとしたら…』なんて、もしも…を疑う理由にしてしまう無防備さ。
主観で誰々が怪しいと突っ走るほうが遥かに思考の組立が易しく怪しまれにくいだろうに、客観情報を推理の主軸に据えて思考を進めたいって思考が投票間際に見えたのも、彼女が潔白であると思った理由の一つです。
寺崎くんの場合は、やりたい投票方法や、調べ方の主張を貫き通す無防備さ。
疑惑を集めても周りに流されず、希望を裏付ける自身の思考もブレが無い。
これだけだったら、嘘をつくのが得意なら鬼でもやり通せる範囲かなって思うのですが、梨羽ちゃんに違和感を持った部分が、私と同じだったので先の投票時には希望から外しました。
六花ちゃんから胡桃ちゃんが鬼ではないって聞いてからは、須藤先生・梨羽ちゃん・小鳥遊先生の誰からも評判を落とし続けられていたことから、鬼では無いのかなと思っています。
[一息に喋って、手帳のページを捲った]
小鳥遊先生の場合は、順序立てずに考えたことをぼろぼろ話してしまう無防備さ。
新しい情報が出る度に飛びついて、思考を伸ばしているのですね。
彼女は以前から一貫して、力を持っている人の見極めに興味が向いています。
小鳥遊先生が興味を持ってるところって、多分鬼も興味を持ちやすいところだと思います。
だから、寺崎くんが小鳥遊先生を疑ったのも分かる。
でも私、小鳥遊先生が鬼だったら、もっと周りに理解されやすいように喋ることが出来そうな気がしていて。
『そっちの方が、偽占い師さんの出す結果が楽しみだもの?』って意地悪っぷりもいいですね。
弓槻くんが鬼っぽくないって説明がぽんと出てきたところなんかも、喋れなくても推理しながら場を見ていたんだと、鬼らしくなく感じました。
ちゃんと弓槻くんが鬼である可能性を潰す要素を探してきたところが、ただ見える者の中に鬼がいる疑惑を撒きたいだけの、考えてるポーズじゃないなって。
多分、小鳥遊先生も大丈夫な気がしています。
でも須藤先生と梨羽ちゃんからは、他の皆から感じた、鬼らしくないところを見つけられなくて。
プラス、首を傾げた部分もあり、二人ともかばい合っているように見えて、鬼同士なのかなって思ったんです。
[こほん、と一つ咳払い]
まず、須藤先生について。
気になりだした切っ掛けについては、先に話したので省略します。
一言で言うと、無難。 分かりやすくはありますが、それだけでした。
順序立てて話をしすぎていて、興味のあるところにまず飛びついて、言葉にするのが追いつかない感じがない。 発言を作っている風にも聞こえたんです。
[例えば、と手帳のページを捲る]
椎名くんの処刑が終わった後。
状況把握と六花ちゃんからの質問に答えた後、『ここまでで、先生が思った事を言ってみる』とまず話し始めたのが、見る者についての見立てで。
小鳥遊先生のように、見る者に興味が有るのかと思ったのに、出てきたのは『タイプが違って比較が難しい』『どっちもあり得る』なんて、毒にも薬にもならない意見。
推理を周りに訴えるっていうよりも、自分の考えを周りに聞かせているって印象を持ちました。
先生の発言を聞いてみると、総じて流れには沿っている、という感想です。
挙げた引っ掛かりと、鬼っぽくないと思える箇所を見つけられなかったこと、他の人達は鬼っぽくないと思える部分を見つけられたことも合わせて、先生を怪しんでいます。
[と、須藤に向けて話した]
次に、梨羽ちゃんについて。
[成瀬に視線を向ける]
まず、疑いの向け方。 特に私に対してだね。
櫻木さんのフォローに関して、『確かりぅしかまだ誰って言ってないのに違和感を感じた』って言っていたから、他にも居たよって把握間違いを訂正したの。
六花ちゃんへの返答で、私がフォローした当時気になった理由はわかったけれど、その引っ掛かりが訂正されて、どう思考が動いたかの明言がなかった。 有耶無耶にしたいのかな、とも感じたんだ。
『正体由来ってどういう意味?』っていうのは、つまり、寺崎くんが伏せ投票と統一調査を希望したのは、正体が鬼だからだと考えてるの?ってこと。
私は、あれ、寺崎くんの正体が何であれ、単なる好みによるものだと感じていたから。
寺崎くんの気になった箇所への同意の部分は──自分なりにも説明したいのだけど、喉を痛めそうなんで省略させてもらうね。
須藤先生と梨羽ちゃんは、お互いにかばい合っている風に見えたの。
梨羽ちゃんが沈黙を破った後、先生の『よく考えているなって感心したんだ』ってフォローから始まり、最初の投票はお互い希望を避ける形。
2回目の投票前は、二人とも寺崎くんへ疑惑を向け、須藤先生は小鳥遊先生を怪しみ、梨羽ちゃんが私と胡桃ちゃんを怪しんだ。 二人の疑いの方向を合わせてみると、見事に須藤先生と梨羽ちゃん以外を落とす方向で一致している。
須藤先生の『もっと他の意見も聞きたいな』『見る者の偽者について、その正体を何だと予想しているんだ?』という呼びかけも、やり取りするため、梨羽ちゃんを引き上げるためのものに見えたし、梨羽ちゃんから先生については『安心していい人』という評価で、お互いに警戒心がないように感じた。
[怒涛の勢いで喋った後、息をついた]
……櫻木さんの質問に対しても、これまで話したもので足りるかな。
見方はそんなに変わっていないと思う。
/*
んー……やっぱり、須藤先生と梨羽ちゃんは思考が遅い、ような……。
弓槻くんのCOは、彼の正体が何であれ、不味い、気がする。
多分鬼ではないし、弓槻くんが鬼でも、小鳥遊先生が仲間だということだけは無いと思う。
/*
◎須藤・成瀬
×須藤・寺崎
△須藤・小鳥遊
?須藤・弓槻
×成瀬・寺崎
×成瀬・小鳥遊
△成瀬・弓槻
△寺崎・小鳥遊
△寺崎・弓槻
×小鳥遊・弓槻
/*
弓槻くんが鬼の場合、偽COはしない方が良かった。
弓槻真の可能性を残していた方が、放置もされやすいし三枝が鬼である可能性も残せるから。
小鳥遊先生の拾った要素も合わせ、ほぼ補佐者と考えて良いはず。
/*
須藤先生と寺崎くんが仲間の可能性はあるのかな。
出力という面でみると、
○小鳥遊>成瀬>寺崎>須藤
……かな?今のところ。
小鳥遊先生は人間だと思う。
[長澤の『矛盾した意見だけどよ』という言葉に顔を上げた]
弓槻くんが鬼の場合、偽者だって宣言はしない方が良かったと思うよ。
弓槻くんが本物である可能性を残していた方が放置されやすいし、私が鬼である可能性も残せるから。
偽者だって確実に分かっちゃったら、今回仲間が処刑を免れても、次の回で十中八九自分が死ぬ。
特に、小鳥遊先生と弓槻くんが鬼同士である可能性は万に一つもないと思う。
/*
◎須藤・成瀬
>>91参照。
本日の方針希望が全くかぶっていたのも、弱いライン要素。
処刑投票範囲についてだけでなく、本日狩COかつ候補が2人出た場合の対処は狩吊りという意見まで一緒だった。
鬼同士は赤ログにて勝ち筋を相談するため、状況の把握の仕方が似やすい。
△須藤・寺崎
1日目の質疑で、疑問部分が解決しそうだったのに、また2日目須藤先生が寺崎くんへの新たな疑問点を挙げ、薄っすら位置を落としていく感じだったのが非ラインぽい。
質疑が、彼の位置を上げる意図を持ったものなのか、下げる意図を持ったものなのかは再度検討が必要かもしれないが、第一印象からは疑惑(疑い)が濃い言及の仕方であったと感じた。
/*
△寺崎・小鳥遊
『小鳥遊先生が、シンヤに対して、「あの言動が場を霍乱する心算のものだったのなら完全に失敗よ」と言ったのは何故ですか?どうして失敗だと思ったのか、そのあたりの考えを聞いてみたい』は、切れ?
二人がつながっていたら、赤ログにて「弓槻くんが偽COしたことについての愚痴」くらい出そうなもの。
偽装可能性もあるにはあるけれど、その感覚を共有していないってことは、非ラインっぽい。
/*
×小鳥遊・弓槻
弓槻くんが鬼の場合、偽COはしない方が良かった。
弓槻真の可能性を残していた方が、放置もされやすいし三枝が鬼である可能性も残せるから。
『失敗だと思った理由?簡単よ、三枝さんに鬼疑惑を被せられなくなったから。
つまり客観視点での鬼達の組み合わせが狭くなったから。
鬼達が逃げ切るには不確定情報を増やすことが肝要、よ。先生はそう思う。』
という感覚を持っている小鳥遊先生が、弓槻くんと鬼同士だったら、偽COは止めていたはず。
そもそも、弓槻くんが偽確定すれば、小鳥遊先生を囲った意味がなくなる。強い非ライン。
/*
△須藤・小鳥遊
1日目は互いにほぼ放置、2日目は須藤から小鳥遊へ強い疑いがあった。
小鳥遊から須藤へはほぼノータッチで、鷹野の方に目が向いている。
1日目に小鳥遊は希望を集めていたので、ライン切りを行ったにしにしては、小鳥遊から須藤への反応が薄すぎる気がする。
非ライン?
?須藤・弓槻
ライン切りにもならない、真贋判断にも影響しない程度の質疑が何を意味するのかにも寄る?
「仲間にノータッチは怖い」という鬼心理は有り得るか否か。
/*
☓寺崎・弓槻
一日目、弓槻からの『寺崎君の投票先を伏せる件は少し同意しかねるな』は非ライン。
弓槻は占騙りが得意な鬼っぽくない。決め打ち狙いで出たのとは違う気がする。
唯一の潜伏鬼を下げる動きはとらないはず。
/*
×成瀬・寺崎
須藤の疑問に乗っかって寺崎を落とす感じが非ラインぽい。
寺崎変じゃないよ、という意見も多くあったし、成瀬も完全に安全位置でもなかったので、危険度が高く理不尽な動き。
×成瀬・小鳥遊
斬り合うと両方死ぬだろうpa02。
/*
成瀬・小鳥遊ペアは、どちらかが早期に死ぬなら、強いライン切りも無くはない範囲なのかな……。襲撃も霊能者でなく占い師だったし。
[長澤を見た]
弓槻くんが鬼の場合、偽者だって宣言はしない方が良かったと思うよ。
特に、小鳥遊先生と弓槻くんが鬼同士である可能性は万に一つもないと思う。
[次に村瀬を見て]
守る先は、定めない方が絶対にいい。
全員分の組み合わせを考えてみたけれど、やっぱり須藤先生と梨羽ちゃんが一番鬼同士らしかった。
処刑と調べ先は、このどちらか。
混乱が起きなさそうな方に数えて貰っていい。
個人的には処刑先須藤先生、調べ先梨羽ちゃん。
/*
ああ、でもラインからみたら梨羽ちゃん処刑の方がよかった……かなあ……?
いやでも、能力者に欠けが出たらって考えると……うーんうーん。
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