[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
―藍住中央公園―
[眠ることもなく、ただ昇る雪を見送る。
吐く息が白くなることもなく。
ただ自分だけが世界から見捨てられたかのような。
いや、最初から存在していなかったような。
そう思うと何故か身震いがした。]
………………。
[寒い。
それだけは感じる。
1人がこんなに怖いものだなんて知らなかった。]
俺はクリームシチューが好きだなぁー。
食べたいなぁー?
[美夏とリビングへ移動して]
あぁ、俺はずっと側にいるよ。
多分、俺を必要としてくれる人がいるなら。
俺は必ず助けに行く。
一人に残したり、しないさ。
[ふと、今日の夢を思い出した]
クリームシチューね。
おっけーだよ!ちょっと待っててね。
[とんとんと包丁を使い、リクエスト通りシチューを作っていく。]
ジュンタは優しいね。
彼女にもきっと優しかったんだろうね。
[そんなことを彼に聞こえるか聞こえないかの声で呟き、何か考えている風なジュンタをそのままに、食事が出来上がれば]
もうすぐできるよー。
スプーンとか出してね。
[そう声をかけ、テーブルにできた料理を並べた。]
おー、すげークリームシチューだ!
[出来上がった料理を見て、子供のように喜んでみて。微かに聞こえた美夏の呟きには、小さな呟きで返した。]
俺は優しくないさ。
失うのが怖いだけだ。
臆病なだけだ。
弱い…だけだ……
[ふるふる、首をふって。食器などを並べて]
[彼が何か呟いた気がして]
ん?何か言った?
[こてり首を傾げ、喜ぶ彼にはくすりと笑い]
さてっと、食べようか?
シチューだから多分、失敗はしてないと思うよ。
[いたずらっぽくそう言ってスプーンを手に取って、いただきますと料理に口をつけ始める。]
ご飯食べたらどうしようか?
また外に出てみる?
ん?なーんでもなーい!いただきまぁーっす!
[美夏の言葉には、なんでもないと答えて。喜んでシチューを食べ始めて。懐かしい、そんな味がしたと思う。]
うまい………や………。
あはは………久しぶりにうまい………
[氷が溶けていく。心の氷が溶けていく。なんでもない日常の、暖かい一コマが、俺を溶かしていくんだ。]
ん………そうだな。
少し散歩しようか?他に人がいるかも知れないしさ。
[うまいと言われてにこりと笑い、自分も口をつける。]
こうしてると皆が消えちゃったなんて嘘みたいだよね。
あー。でも皆が消えてなかったら、ジュンタにご飯作ってあげることなんてなかったのかぁ。
[散歩という言葉には]
そうだね。他にも人がいるかもしれないし、また少し歩いてみようか?
イマリ先輩やマシロさんもどうしてるか気になるし。
歩いてたら会えるかもしれないもんね?
[食べ終われば、食器を片づけ、おまたせと彼へと声をかけるだろう。]
―コンビニ―
おっさん…。
飲み物、これでいいか?
[手にしたスポーツドリンクとグレープフルーツソーダを
見せながら声をかけて]
[気味も居たねとイマリに言う言葉を聞いて
やっぱり誰もいねーのかと外をまた見た]
雪、上にのぼってくって、なんでだ。
[ズイハラが手に取らなかった方の飲み物を持ったまま
コンビニの外に出て空を見上げた]
へんなのー!
どーなってんだ、よー!!
[不意の大声。しかしそれは雪に吸い込まれた]
-コンビニ-
[小さなデンゴが飲み物を探し。
元気にズイハラさんの側で飲み物を差し出すのを、
若干の微笑みで見守るだろう。
しかし、次ぐズイハラさんの声に]
…頭痛ですか。カゼ、ですか?
持病とかじゃないですよね?
[目を閉じる彼にそれだけ問うだろうか。
何が出来る訳でもないが、何か出来はしないかと。
彼の様子を見守り、側に座り込んだ。]
そうだな、消えたから今美夏ちゃんがここにいるんだよな。
女の子なんか連れてきた日には、親父に何言われるか……
あー、いなくて良かったぁー!
[食器を片付ける彼女を、微笑ましくみていて。お待たせ、と走りよって来たなら]
うし、散歩にいこーぜ。
はぐれないようにしなきゃな?
[適当な理由を言って、右手を差し出してみる]
あはは。いなくて良かったって!
でも、きっと元通りになるよね。そのうち。
[最後の言葉は自信なさげに呟くように言って]
いこうか?
そうだね。はぐれないようにしなくちゃね。
[差し出された右手を左手で握り、伝わってくる暖かさにほっとして一緒に外へと。]
いやー、うちの親父女性不信気味だからさー。
後でグチグチ言いそうで嫌なんだよ。
んー……俺は、別にこのままでもいいけど。
美夏ちゃん、独り占めできるしぃ?
[本音と冗談の入り交じった返事をして]
おーし、いこーいこー。昇る雪の中へー!
[手を繋いでいないと、消えちゃいそうで。誰かを失うのは、もう絶対に嫌だから。同じ思いをさせるのも嫌だから。繋いだ手を離さないように、優しくしっかり握っていて]
[外に居るデンゴの大声は。
人気の無いせいか、店内にもこだまする。
ズイハラさんに向けていた視線を剥がし、其方へ。
小さな彼は空へと還る空の下、空を見上げていた]
こら、デンゴくんー!
カゼひくよー!
[其れでも少し焦点のズレた言葉を投げる]
―とある交差点―
[ここは、私の終わった場所。そして、終わらぬ今日の始まった場所。私が、最後のメールを送った場所。私の終わりは近い。もう、体を止めてはいられなくなる。私は、もうすぐ帰らなきゃいけなくなる。私の最後の願いは、叶わぬままに。]
………ジュンタ………私はここにいる………
ずっと………貴方を見ていた………
[薄れていく、私の意識。あぁ、私の終わりは近い。最後にもう一度、あの人に会いたい。それはもう叶わぬ想いなのだろうか。私は、彼に伝えたい言葉があったのに。]
お父さん、女性不信なんだ?
じゃあ、びっくりしちゃうね。
[くすくす笑いながら、独り占めの言葉には少し顔を赤くして]
あはは。ほんとにそう思ってるー?
[照れ隠しのようにそう言う。]
ほんっとに雪が昇ってるね。
こんな体験してるの私達だけなんだろうねー。元に戻って、こんな話しても誰も信じてくれなさそう。
時間も戻ってるし。
[そう言って携帯の液晶を見せる。
優しく握られる手を嬉しく思いながら、隣にいる彼が消えてしまわない事を祈りながら、その手を離さないように自分もしっかり握った。]
[空へ上る雪を塞ぐように手をかざす。
掌に触れる雪は冷たくて]
…つめ、てー。
やっぱ雪だよな、これ。
[そう言ってダウンジャケットの前を閉じようとする。
しかし去年着ていたサイズのそれはすでに小さくて
半分までしかジッパーが上がらなかった]
さーみー。
[ふるっと身を震わせたところでイマリの声が届いて]
あーもどるー。
[肩をすくめて店の中へ]
[肩を竦め店内に入る彼を見つめ。
小さく、くすりと笑った。随分とぱつんぱつんに、
きつそうにしてきているジャケットだ、と。]
ねぇ、デンゴくん。
[彼に手招きをして]
こっち。
お姉ちゃんの側おいで。
色々聞きたい事があるの。
少しお話しよう?
[にこにこと笑顔で自分の側、
空いているほうのコンビニの床をぺしぺし叩く]
そそ、びっくりしちゃうぜぇー?
[手を繋いだまま、肩をすくめて]
んー?本当に思ってるってー!
可愛い女の子を独占してるって、結構幸せだよー?
[あはは、と笑ってみる。]
そうだな、俺達だけだろうなぁ。
こんな状況じゃなきゃ、神秘的なのにさー。
[それでも、携帯のムービーで世界をとっておく。隣のあの人と繋いだ、暖かい手も。明るい声も。全てを記録したいから。]
え?
[側に来いというイマリに一瞬身構えて
でもそのにこにこ顔に負けて横に体育座り]
聞きたいことって、なんだよ?
[恥ずかしいのかぶすっとした表情でイマリへ]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ