10 じんろうさまのかみかくし村
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タカハル
いち、にぃ、さん、し…。
あそこにいるのは？
[プール越しの人影は、仄暗い灯の元には識別出来ず。傘を開くと、肩に預けて、人影に*近づいた*]
クルミ
[近づく気配に顔を向ける。
何よりも先に目に付いたのは傘]
あめ？
[ん、と上空を見上げた。
その拍子に足元が一歩ふらつき、蝋燭を蹴り倒すに至る]
ど、ドミノーーーーー！？
[並んでいた蝋燭は次々と倒れていく。
それはもうリズミカルに]
クルミ
[深くなった闇に慌て、倒れた蝋燭を拾い上げると無事だった炎を拾い移していく]
百物語でもするんですかこれ……？
[元あった場所へと蝋燭を立て直していった]
あ、燃えてもすぐ水があるからここでやるんですかね。
[すばらしいひらめきだ！と思った。
耳元を、蚊の羽音が*掠め飛ぶ*]
【独】 クルミ
気付いてしまった。
過去未来を血縁関係にするなら苗字同じにしときゃわかりやすいよね、と思ってクルミを苗字にしたが
これだとばーちゃん婿取ったわけで。
男兄弟いなきゃ普通か？
タカハル
[声を発するよりも僅かに早く、ろうそくが倒れる。足元の灯りが消える直前につま先で止めた]
こんばんは。
[焔を灯しながら近づいた少女に向け、口元に笑みを作る]
百物語…、そうかもしれないね。
きみは怖い話好き？
コウイチ
[用紙には寝転びながら書いたとしか思えないような雑な文字。
所々に何か雫で濡れた跡。]
■木下 康一郎（きのした こういちろう）
■二年生
■ある日、俺が昼に学食から帰ってきたとき、机に物凄な接着剤塗られてたんだ。以来俺はこうしている。神は死んだ。
コウイチ
[瞑っていた瞼の片方を開けて、会話に混ざる]
百物語の時はもともと火と併せて鏡を置いたらしい。
思うに、水、鏡、闇、そういったものは昔から彼岸と関係があるとされていたんだな。もう一つの世界に繋がる窓というわけだ。
待ち合わせがプールの傍なのはそういうことなのかもしれないな。
――雰囲気出るだろ？
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