155 六月燈の思い出屋
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作家 フユキが接続メモを更新しました。(07/06 00:00)
[追憶に意識が吸い込まれそうになる、
その刹那を掬うように声をかけられた。
我に返る作家は、
会釈に足りない身動ぎと目礼をする。]
ああ、すまない。
(6) 2014/07/06(日) 22:00:19
[目の前の若者に、"会った"とも
"見かけた"とも言うのは何か違う気がして]
思い出の中に、
君がいた気がしたんだ。
[作家の補足は奇妙な言い回しになった*。]
(7) 2014/07/06(日) 22:01:08
[昨日のことであれ、
過ぎ去った時間の記憶はみな思い出だ。]
商品にはならない、思い出だけれども。
[自身のものであるという事実が肝要だ。]
(*0) 2014/07/06(日) 22:06:22
作家 フユキが接続メモを更新しました。(07/06 23:33)
……
[瞬く作家が無言で首を横に振ったのは、
詮無い謝罪合戦になるのを防ぐ些細な業か
はたまた『今のこの僕』を否定したものか。
まじと見つめられても、掠めた思い出は
未だ相手と共有するものではなくて――]
(11) 2014/07/07(月) 14:24:17
…
いか焼き・福引き・お面売り。
[漏らすうわさは、唐突に。]
この順に屋台がならぶ界隈に、
思い出屋がいると聞いたんだ。
(12) 2014/07/07(月) 14:25:35
[福引屋が呼ばわる。
福を引いてお行きなさい。――――
ごそり、作家の片手がボケットを探る。
つかみ出した500円玉をおもむろに
福引屋へ渡しながら、若者を見遣った。]
よかったら。
…君も、ひとつ*どうだろう*。
(13) 2014/07/07(月) 14:27:55
作家 フユキが接続メモを更新しました。(07/07 14:29)
そう、噂に聞いてね。
[問い返す若者の反応に、
作家の眉尻が少し下がる。]
目当ては、そうだな…
アレがいいな 僕は。
(18) 2014/07/07(月) 22:44:41
[景品を見回した作家が指さすのは、
重ねてぴっちりとラミネートされた
分厚い『シツジノ学習帳17冊セット』。
…前日のご婦人が通りすぎるのは、
新井式廻轉抽籤器の回し取っ手を
慣れぬげに摘んだ作家の背後。]
(19) 2014/07/07(月) 22:45:15
作家 フユキが接続メモを更新しました。(07/07 22:55)
… 美味しそうだ。
[福引き屋が食べるイカ焼きについては、
うまそうであることに作家も同意した。
感想を付け加えるに、]
正面から買うイカ焼きよりも、
たぶん、ずっと。
[隣屋台から手を伸ばす其れゆえに、
きっとあれは旨いのだろう――と]
(21) 2014/07/07(月) 23:11:54
[『1等が出たら、ごちそうするよ』。
――福引屋が、もちりと不敵に笑う。
『なんだったら、
"思い出屋"から買った思い出の話も』。]
… む、…
(22) 2014/07/07(月) 23:12:20
[がらがらがら。
こっころこん。
受け皿へ転がる玉はみどりいろ。
作家の手元へ渡るのは、
六等の2Bえんぴつ1ダース箱。]
(23) 2014/07/07(月) 23:22:49
… いや、文筆業というやつだ。
[若者の問いには、遅れて応える。]
だから、これも"あたり"なんだ。
[堅物なりに判り難く道化てみせた。]
(24) 2014/07/07(月) 23:25:56
作家 フユキは、迷い子 バクに抽選器の前を譲るように一歩*ずれた*。
2014/07/07(月) 23:27:07
…
欲を出しては いけないらしい。
[抽選器を回す直前、福引屋の言葉に揺れた。
自覚したのに止められなかった右手を握る。]
(*1) 2014/07/07(月) 23:32:52
会えるといい。
ドウギョウシャ
…六月燈の思い出屋。
(*2) 2014/07/07(月) 23:37:33
作家 フユキが接続メモを更新しました。(07/07 23:39)
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