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[ペンションの前にタクシーが着く。
少女は胸に下げたポシェットからお金をだし、おつりを受け取ると、勢いよく飛び出した]
『お嬢ちゃん、荷物忘れてるよ!』
[運転手さんの声に、あわてて戻り、ぺこりと頭を下げた]
おじちゃん、ありがとう!
[あわてて荷物を持ち、ペンションへと駆けていく]
[中に入ると、バイトらしき少女─アンに出会った]
あ。おねえちゃんここの人?
えっと、はい、宿泊チケット。
パパは、お仕事であとから来るんだって。
しばらくよろしくおねがいします。
[ぺこりと頭を下げると、アンに案内された部屋に*向かった*]
-ペンションの前-
[一台の車が止まり、後部座席から舞台衣装らしい派手なドレスの女が出てきた。大きく伸びをする]
ああよかった。間に合ったのね。いい空気。
[ボストンバックをえいやっと引っ張り出して扉をばたんと締める]
え? うん。ちゃああんと帰ってくるわよ。ちゃあんとね。
私みたいなぽっと出なんて、帰らないと仕事なくなっちゃうじゃない。
帰りも迎えに来てくれるの? ……うん。ありがとね。
[しばらく運転手となにやら話をしていたが、にっこりと笑って去っていく車を見送った]
あー。あー。
[喉に手を当てて小さく声を出してみる]
歌いすぎかしら、それとも営業周りのしすぎかしら? 営業周りのし過ぎね、きっと。
せっかくのマチコの誘いだし、のんびりさせてもらっちゃおーっと。
えっ。
ジロウさん……整形したの?
再婚な分けないわよね? ハガキにはジロウ&マチコ(はーと)って書いてあるし。
旦那さん。変わったお名前なのかしら?
なんだ、ジロウ知ってんのか。つまらん。
[よっぽど暇だったらしい]
駅前の旅館「鶴賀」のゼンジと申します。
若旦那若旦那って呼ばれてるんで思わず、ね。
[からから笑いながら、何だかんだでギョウザ作りはし続けている]
なっ……もう冗談はやめてよ。びっくりしたじゃない。
私、マチコの友達だもの。ジロウさんの顔くらい知ってるわ。
[むぅと膨れたあとに苦笑する]
露草ザクロよ。いちおう、歌手やってるわ。
若旦那さんなの?
器用なのね。
若旦那さんって色々できるのね。
私も何か手伝おうっかなー。
え? マチコなんで止めるのよ。ひどい。
今までに料理で病人なんて出したこと無いわよ!
祖父も父も現役バリバリなんで、影薄い若旦那です。
ああ、どこかで見たお顔だと思ったら、歌手の!
[じっとザクロの顔を見つめた]
すみません適当言いました。記憶にございません。
[粉がついた手を叩いて水道水でゆすぐ。
ギョウザが並んだ皿をマチコに渡すと、タスキを解いた]
[一瞬だけ嬉しそうな顔をしてしゅんとしたあと、気を取り直すように笑った]
うん。まだバリバリ無名だから!
若旦那さんが影薄いなんて、ずいぶん激しいお爺様とお父様なのね。
鶴賀ってきっと素敵な宿なんでしょうね。
こんばんはー。今日の晩御飯なにかなー?
[勢いよく飛び込んでくると、餃子のお皿が目に入る]
わーい!餃子だー♪ぎょーざ、ぎょーざ♪
[そこで、初めて見慣れない人たちがいることに気がついた]
あ、はじめまして。みなせるりといいます。
[ぺこりと頭をさげた]
あらら、可愛いお客様ね。
はじめまして、こんばんは。
私は 露草ざくろって言うのよ。よろしくね。
[にっこりと微笑んで丁寧にお辞儀した]
切り盛りしてるのは大女将ですけどね。
[現れた少女に微笑みながらしゃがんで、目線をあわせた]
おや、初めまして。つるがぜんじです。
一人?
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