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[目の前で作られた茄子の味噌汁を有り難く受け取って、一口啜る]
うん、美味しい。
……ああ、子供たちは元気だよ。
夏場はちょっと森に入れば虫が捕れるし、川遊びも出来るからはしゃぎ回ってるんだ。
ただ、授業中はもっと大人しくして欲しいかな?
[言って、苦笑する]
とは言え、こっちの言った通りに練習するばかりじゃ、あいつらも詰まらないんだろうな。
音楽って、何かの役に立てるための勉強でもないしね。
[笑顔には軽く自嘲も混ざっていた]
大変……か。
いや、ダンケさんほどではないと思うよ。
食べ物がなくちゃ生活が成り立たないんだから、責任重大だ。
[ダンケの無理矢理な励ましにくすりと笑い]
ありがとう。学校があるんだから、教養や娯楽だって、きっと必要とされてる……って、思う事にするさ。
[教室の片隅に置かれた、古びたオルガンを思い呟いた]
……ご馳走様、ポルテさん。美味しかった。
[出された料理を平らげた所で、席を立つ]
貰ってばかりも何だし、何か手伝う事があったら言ってよ。
……お役に立てるかわからないけど。
[料理の腕は言うまでもないし、オルガン奏者らしい細い指は力仕事にも向いていない。
それでも、感謝の気持ちだけは伝えたくて、そう口にした**]
―翌朝・自宅―
[朝焼けの赤が空から消える頃、清治は目を覚ました。
大きく伸びをした後、布団を置き出し服を着替える。
学校の仕事は休みとはいえ、家で寝ている訳にもいかない]
ふー、今日もあっついなー。
あ、アンさん、おはよう。
[ガラリと引き戸を開け、目の前を横切っていった人影に声を駆ける。
女学生のような姿だが実際はもう少し年嵩で、あの服は単にお気に入りのようだ]
忙しいのかなあ。
……そういえば、アンさんちの隣の爺さん、寝込んでるんだっけ?
[しばらく娘の去った先を見詰めてから、本日の仕事のために歩き始めた]
―診療所前―
[井戸から水を汲んで、老人や女子供しかいない家へと運ぶ作業の途中。
診療所から駆け出して来る子供を見付けた]
あ、テンゴ。
おーい、あんまり走るとまた転ぶぞー。
[声を掛けるが、テンゴは『わかってるよー』と答えるだけで、振り向きもせずに行ってしまった]
やれやれ、あいつ一人でワカバさんの仕事増やしてそうだよな。
[呟いてから、桶を担ぎ直し]
こんにちはー。ワカバさん、水使います?
[診療所の中に向けて声を掛けた]
あ、おはようございます。
[現れた若葉に挨拶を返す。
彼女にも学校に通う年齢の子供が居たはずだが、既に見える所にはいなくなっていた]
いや……こっちが具合悪い時は、お世話になってますから。お互い様ですよ。
[柔らかな笑みを向けられて、少し戸惑ったような表情を浮かべる。
実年齢は彼女の方が年上のはずだが、顔だけ見るととてもそうは思えなくて、どうも接し方に迷ってしまうのだ]
そういえば、さっきテンゴが診療所から出て行ったでしょう。
あんなにしょっちゅう世話をしていたら、子供が二人居るようなものでは?
[冗談めかした表情で訊いてみる]
はい。……よいしょっと。
[桶の中身を甕へあけながら、若葉の笑う声を聞く]
う?
うーん、そういうものなんだ。すごいなあ……。
僕なんて、生徒が一人増えたらそれだけで随分と苦労するのに。
[自分の学校での経験を思い出し、頭を掻く]
え、あ……はい。
[頭の上に、小さな手が置かれるのを感じた。
子供に対するようなそれに、顔が赤くなるのを感じて視線を逸らす]
うん……でも、妊娠、とか、子育ても、いろいろ大変だと思うし。
無理して産む事も、ないんじゃないかな……。
[弟妹のいない自分には、女性の妊娠や出産は余り身近な出来事ではなく。
男の自分がどういう態度を取ればいいのかもわからなかった]
ああ、でも、子供が増えるのは良い事だよね、うん。
それじゃ、また明日来ます!
[若葉に向けて片手を上げると、診療所を出て行った]
[必要な所へ水を運び終えると、仕事を探しに畑へと向かった。
と、片袖を風に揺らす人影が見えた。
少し離れて、畑の中にダンケの姿もある]
こんにちはー。
栂村さん、どうも。ダンケさんは昨日ぶり。
[二人に向けて挨拶をする]
―現在・自宅付近―
[ダンケ、栂村と別れて、一旦家に向かって歩いて行く途中。
ふわり、と、ポルテの店とはまた違う香りを嗅いだ]
うん?
なんだろう……ダシの匂い?
[匂いの方向に顔を向けると、大振りの鍋が焚き火に掛けられ、周囲を4、5人が囲んでいた]
『あ、清治くん。良かったらどうだい?』
[どうやら振る舞われているのは、だし汁に醤油などで味付けし、葱などの野菜を入れて煮たもののようだ]
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