情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
[丁寧に、『――支払う、――で待つ』と、大層な金額と場所まで記されていたそれ。]
……チッ。
[その文面を全てそのまま信じるわけではないが、廃業した情報屋を頼ってくる馬鹿の顔を見てみようかと。
きっと、そこに行ってみようとしているのは、そんな気持ちの筈だ。
もやもやとした感情を蹴散らすかのように盛大に舌打ちしても、何も変わらないまま。
生きる人間はもう少ない、壊れかけた世界。
足を向けるのは、書かれていた場所は、壊れかけたビル群を抜けた先**]
[一般人には伏せられ、秘密裏に存在していた某所研究施設の実験体。その研究室は、10年には届かないが5年以上前に、周囲20km圏に汚染物質が蔓延した為に閉鎖・破棄が決定。
研究者達は無事逃げたが、実験体達は、逃げられもせず餓えにもがき苦しみながら、一人、また一人と死んでいった。長い時をかけながら。
―――生き残れたのは、
何も運が良かったからではない。]
[薄暗く、昏く、腐敗臭が充満する中。
部屋の全面に、何処からか這入り込んだ蛆虫達がのたうつ中、同じく蛆のたかる同じ実験体の屍体を食べて生き残った。]
[―――砂塵と強い日差し、容赦ない雨風に晒されたように色素の抜けた色をした頭髪。血は滴っていないものの、両眼に巻かれた布は真新しくはない。]
どう…して……。
[小柄な人影に>>0、向けられた言葉。
会話をしていた訳ではなく、離れた場所から呟かれた独白であり、周囲に人の気配もあった。]
貴方も彼女と同じかしら。
誰かの為に、なんて。安っぽいヒロイズムで自分を捨てられるお馬鹿さん?
[くすくす]
[くすくす]
[風に乗り、嗤う声は遠く何処までも。
こんな時代だからこそ、誰を犠牲にしても生きねばならないのに]
――……本当に、馬鹿な子。
[まるで妹のように可愛がってきた少女へと。
呟く声は酷く苦いものだった]
―――………
[女の声>>8>>9に喚起された、胸中の言葉にならない言葉を音にしようとして、僅かに唇が開きかけるが開くだけに留まる。
鼻腔を擽るのは少女の甘い香り。嘲弄の中に微か遣り切れぬ感情の棘を感じたのは気のせいか。]
[口を開き掛ける男の言葉を待つけれども、答えはなく。
改めてその容姿を見れば、この辺では見ない顔だと気付く]
貴方珍しい格好しているわね。
[目を覆う古い包帯と色の抜けた髪にどうしても目は行きがちになるけれど、その下の服装もまた、この辺ではあまり見ないもの]
ひょっとして――…
[風の噂に聞いた事がある、闇に葬られた施設の話を思い出す]
[特殊な人間を作るための、交配組織。
そこでは非人道的な実験が幾重にも繰り返されたと言う。
そこも今では、何か事故でもあったのか汚染されて廃墟と化したと聞くけれども]
……まさかね。
[膝を突く男の姿を見ながら一人語散る。
生存者は誰もいなかったと、聞いていたから。
こんな話し、今は廃業した情報屋が酔った時に口にした与太話だろうから]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了