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ふうん
[聞こえよがしの蔑みが降ってくる。
軽業を為す男は銜へかけた指を一度戻す。
其のひとが羽ばたく風が、道化た帽子の
尾を揺らし…男は首を傾げてみせる。]
したよ、心配
…もうあんまりいないからね、「ただの人間」
[口を開けばまた煤煙の黒が宙へ流れる。]
汚れるの、嫌かい?
[煤を厭う素振りに、ざらついた声がわらう。
捻れた梁を蹴り上がると、その上を歩き
軽業師は見目よき翼人のほうへ歩を寄せる。]
わざわざ、こんなところまで降りてきて
『あーあ、こうはなりたくないわよねー。』
[銜へかけた指を戻す。とん、とん、とん
片手の指を動かしながら片掌へ打ちつける。
――わざわざ、一文字ずつに区切った手話は]
へーぇ、そうなんだ。
バケモノばっかりってこと?
[首を傾げる男に目を細める。
有翼人も、元を辿れば人間から枝分かれした「人間以外」なのだが、地上のそれらと己を同類とは見做していない]
そこの変な格好したあんたもそうなのかしら。
――ま、どっちでもいいわ。
一応感謝しといたげる。
[高度を落とし、それでも煤煙が翼に触れぬ程度の距離を保ったままホバリングし]
どうも、あ・り・が・と。
[目を細め、唇の端を片方釣り上げた、気品の欠片もない表情で言葉ばかり礼を言った]
嫌に決まってるでしょう。
地上人みたいなみすぼらしいカッコなんて。
[ホバリングのまま男を睨み付ける。
そうしているうち、梁を歩く男に接近され、空中で僅かに身構えた]
わざわざ、って――
[苦虫を噛み潰した顔で男の声を聞き、手話の文字を読み取る]
あ、あの、
あたしは、ねぇ――
[男を睨み反論しかけるが、それより男の跳躍が早く。
宙空で擦れ違った長身を、はっと息を呑んで振り返る]
/*
クレオソートってなんだい?
多分防腐剤。かな?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%82%AA%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%88
[互いに芽生えぬ殺気の故か、
読ませる態な指動きの故か。
銜噛む男は、其の人の留まる高みへ僅かに至る。
振り返る動作は男も同じこと――視線は交錯し]
…
[有翼人を観る目元は、眩しげに細められる。]
― 壊れかけたビル街 中心地 ―
[ゴム製の厚底が、ざりり、と踏みしめるのは、砂であり細かく砕けたガラス片であり。
自然に発生したものでは無い香りと上から眺めてくる視線には、薄ら気付いても気付かぬ振り。
漸く、とそちらに視線を向けたのは予測する場所から気配が消え、遥か遠くなった後だった。]
……狙われてンのかね。俺は。
[誰に向けるでもない問いと目付きの悪い睨みを残し、再び目的地へと足を向ける。
不意な崩壊に巻き込まれるのを避け辿り着く先は、街の中心地。
とはいっても、それは繁栄した頃の話。
今はこの街の中でも、建物の損傷が酷く、普通の人間ならば立ち入ろうともしない場所。]
うん
[跳び移るさきは、向かいのひしゃげた窓。
割れた硝子を儘に掴めば、じわり滲む黒。
険しい視線が刺さるかの如き、益体もない傷]
うん 違うらしいか
[背に叩きつけられた台詞を、暫し咀嚼して]
[曰く、]
違ってもいいから、
汚されてみたくなったら 俺と遊んで
[真白い羽を抜き取り損ねた空き手を、
ふらり揺らして 暗い窓へと姿を消した*]
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