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[取り出しかけたプレイヤーをしまい、空いた手でボールを拾って]
ほい、と。
[姿勢を正した時、相手との距離はどれくらいだったか。
軽く投げるか、直接手渡しか、とにかく渡そうとした**]
/*
盛大に性別も無茶振った気がした。
多分男で良いと思うんだが、胸無いし(
紛らわしい場合は注意書きすると思うし、な。
場所は駅前の広場、と駅前の公園、で分かれてると思ったんだが、どうなんだろう。
詰まり、
| 広 |道| 公 |
駅| | | |
| 場 |路| 園 |
みたいな。
―― 数日前・自宅 ――
えーっ?
おばあちゃんが?
大丈夫なの?
[仕事から帰って告げられたのは少しばかり離れた場所に居を構える祖母が足の骨を折ったとの知らせ。]
それならよかったけど……。
また元気なつもりで無茶したんでしょ。
[命に別状はなく、本人もかくしゃくとしたものだという母親の言葉を聞き、ほっと息をつく。
明日にでも病院を訪れようかと算段していると、どこか浮かない母親の顔]
どうしたの?
……あー、風音荘か。
[祖母は自宅から通うのが難しい学生のために昔ながらの下宿を営んでいた。]
[案の定、母親の懸念はそれだったようで。]
食事の準備とかいろいろあるものね。
[仕事はあるもののそこは小さな店のこと、事情を話せば融通はきかせてくれるだろう。]
お母さんも仕事そうそう休めないでしょう。
交代でするしかないわね。
[祖母は何度一緒に暮らそういってもあの海辺を離れようとはしなかった。
入院中も気にせずにはいられないだろうから。]
すみません、ありがとうございます。
[職場へとかけた電話は快く受け入れられ、むしろ心配をかけてしまったよう。
電話を置くと、忙しくなりそうだと、ふぅと息を吐いた**]
ったく、あのばーさんも、俺の仕事なんだと思ってんだか……。
[遠い目しながら呟いて、それから]
……そういうお前はどーすんだよ、貢?
[ふと浮かんだ疑問を投げかけてみた]
― 海辺の道 ―
……そうそう、そこでストップ。
大人しくしててよ。
動かないでよ ね。
[カメラを構え、そうっと忍び足。
ほんの僅かでも音でも立てれば逃げてしまうとでもいうかのように。
今の所被写体は沈黙を保っている。
―――今のうち。今のうちだ。]
…………あ。
[カシャッ。]
[シャッター音とほぼ時を同じくして、ひゅうと風が駆け抜けた。レンズの先を睨んでいた瞳がぱち、と見開かれる。]
ああ、 ぁ。
[掻き乱された癖っ毛を整えもせず、溜息吐いて肩を落とした。緊張の糸だってもう、切れた。
爽やかな葉擦れの音色や新緑の香りすら、今は少し恨めしい。]
も、毎回毎回。
こんなに言う事聞かない子は、キミが始めてだよ。
[被写体は、何食わぬ顔で風に戦いでいる。
責任を問うべきは風であり、被写体に文句を言うのはお門違いであるのだが。
それよりも何よりも、海辺に続く道の一角で、何の変哲も無い一本の木に話しかけ、指差して怒る自分の方が余程奇異だなどとは未だ思い至らぬのだった。*]
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