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[さぁっ、と風が吹いた。女、辺りを見回す]
気のせいかしら。
呼ばれたような気がしたけれど。
[男が去ってみればいつもと同じ一人の夜の庭園]
さっきの男の方と一緒に話していた小さな娘。
あの娘はどっちに行ったのかしら。
[女は立ち上がると気の向くままに歩き始めた]
[この庭園を見るのは初めてだった。それなのに生垣を縫って歩くうちに『聞き知った』置物が、柵が、植え込みが目に飛び込んでくる]
………ママの庭。
[小さい頃、何度もねだった夜の庭園のお話。何年か毎にひょっこり現れる不思議な闖入者たちのお話]
じゃあ、これは……夢?
むー、なんか気分が乗らない。
なんでだろう。
単純にここんとこ忙しいから?
原作読み込めてないのに中途半端に設定使ってるから?
その上、「しまった。最初に年齢や風貌書いておかないと成長RPできない」とか気付いたから?
うーん。モチベーション上がらないのはRPerとして致命的だなぁ。むむむむ。
足りねぇ。
[呟いて、最後の一瓶を開けた]
[ふと、胸ポケットから実を取り出す]
はは。
[実からは、根のような物が伸びていた。
男はそれを瓶の中に押し込む]
標本みたいだな。
[ガラスの向うを、金の髪の女性が歩いて行きます]
ねえ……!
[少女の叫びはガラスを震わせただけでした。]
ねえ……!
私の声が、聞こえないの……?
[遠く、酒瓶を持って座り込む男も、異国の男も、眠る少女も。
だれも、自分に気付きません。
俯いて、土を蹴りました。]
誰も気付いてくれない……。
[風が温室のガラスを震わせました。
その音にびくりと肩を震わせて、揺れるガラスを見上げました。
空には依然、まるいお月様が輝いています。]
出口はどこかしら……。
[呟いて、温室を見回しました。
古びた温室には、見慣れない植物が、揺らめく影のようにその葉を伸ばしていました。
あまり手入れをされていないのでしょう。植物達は思いのままに枝を伸ばし、少女の道を遮っていました。
少女は不安げにもう一度、月を見上げました。
せめて誰か、一緒にいてくれたら。声を聞いてくれたら。
心細さを振り払うように、少女は動揺を口ずさみました。]
Hey diddle diddle...
The cat and the fiddle,
The cow jumped over the moon...
[細い声が、陽気な旋律を奏でます。
応えるように、ガラスが鳴り、温室に風が吹きました]
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