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人狼だなんだなんて、嫌なお話。
もうすぐお嫁入りなのに困ったものねぇ。
[空いた皿を盆に片しながら、短くため息。
チカノの席の前まで進むと、杯を手にしばし思案して]
お嬢様?
[後頭部に、軽く手刀]
え、なに!? 出た!?
[自分の言葉に慌てだすツキハナに、びくりとして後ろを振り返ったりするものの、チカノ、ンガムラと言葉を掛けられるたびに声を裏返すから、ただただ瞬き繰り返した]
確かにねーちゃん、洋装も似合いそうだけどな。
帝都の人はもう、みんな洋装なのかな?
[ンガムラと帝都の話をしていたグリタに、首を傾げてみる。
直後、びしりと手刀を繰り出したゲッカが見えて、がたと椅子を鳴らして後じさった]
やましいことでも?
[>>22距離を測るバクに薄く笑ってから、台所へ。
お茶の用意を手伝うツキハナの横に並び、ンガムラの羊羹を切り分けて一人ずつ小皿を配ってゆく]
大分、風が出てきましたね。
隙間風が酷くてお恥ずかしい。
[頬に手を添えて、困り顔で首を傾げた]
あん…
らって、禁酒令は…やぶるはめにはるの…よ
[ふらふらと揺れる三つ編みのまんなかを、ゲッカにぶたれて不服そうに振り返る。返して欲しいと、奪われた杯に伸ばす手もそのままに、がたんっ…と派手な音を立てて少女は膳につっぷした。すっかり空となった三合の徳利が、ころころと転がっている。]
飲まずにはやっていられませんわ…
だって、わたしくし…死にたくないんですもの…
でも、やるわ。
そう…バレないように…無理かも…しれないけれど……
[おでこに衝突した膳の痛みに、ぐぅと小さく、唸りながら。]
ない!
ていうかふつーに驚いた!
[マタギ、仕事中、酒のまない!
思わず片言になりつつ、薄く笑うゲッカに勢いよく頭を振る。
羊羹とお茶が出てくる頃には落ち着いて、未だ席にある人を見回すけれど]
あれ……そういえばアンは?
[上着から封書取り出すと中を確認する。
名簿の名前、一人足らない]
アンちゃん、そういえば遅いわね。
逃げてしまった……とか?
[扇ぐ手は止めずに、バクへ首を振って窓を見やる]
いずれにせよ、この天気では外歩きは危ないわ。
[大丈夫かしら、と小さく呟いた]
こんなことになるなら、句会に出ていればよかったわ。
[森の中で無残な遺体が発見された、あの前日は、村で月に一度の会合があった。
いつも顔を出すそれを欠席し、隣村へ行って帰ってきてからは容疑者の一人扱いである]
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添え膳!膳はぶっ壊れたけど膳は膳!
…このへたれ着物どもめ(くわっ
ということで誰かお姫様だっこでテントに送ってくれないかしらん
[ぎらん]
ででででてないし、よよよ洋装っ…
[追い打ちをかける少年の言葉にひっくり返りそうになりながら台所へ。
手際よく差し入れの羊羹を切り分ける姉の手を見、いづれはこの姉をも疑わなければならないのかと、辛く想う。]
お姉ちゃま、お湯はわたしが運ぶわ。
お湯――…っ
[先に食堂へ戻った姉の姿を見送り、逡巡。
再び食堂に戻った頃には頬の赤味も治まり。適度に温めた湯をゼンジへと差し出した。]
お兄ちゃまお湯をどうぞ。
[そして次々と不安に上がる名を案ずる。]
アンちゃんは*一体…*
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