[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
……はぁーもう何なん今の……
わっけわからん。
[顔を顰めつつ、がしがしと頭を掻いた。
見上げるとそこにある藤の群れは、さっきと違って目を擦っても消えない]
……はぁ、とりあえず探すか。
おーい。
さっきのウサ公ー、じゃなくても誰でもいいけどぉ。
誰かおらんのー?
[深々と吐いた溜息の後。
とりあえずその辺をうろつきながら、張り上げる声は何処まで届くか**]
[公園のベンチから立ち上がった時。
くらりと感じた、めまい。
貧血かな? と呑気な事を思っていたら――]
お家に、帰ってきちゃったんだ…。
[目の前は一面藤色に囲まれていて。
鼻先をくすぐる甘いにおいは、いつもかぎ慣れているものだったから。
つい、そんなことを漏らしていても。]
かぎ? ねじ? さがす?
[てんてんと跳ねるうさぎ。
こんどはたくさん話しかけてきて。
よく解らないけれど。
よく解らないままに。
うなづきを繰り返すと、一方的な話は終わり。]
あ、まってうさぎ――っひゃっ!
[もっと詳しく聞こうと、走り去ろうとするうさぎを追いかけて。
藤の小高い丘を転げ落ちた。]
いたたた…。
[さいわい、硬いものにぶつからなかったらしく。
花まみれになりながらようやく身を起こすと、鞄から転げ落ちたスマートフォン。
画面を見ると、時計の表示も日にちもまるで不思議な模様のようで。
それでも十三回の鐘がなる前。
公園に居た時に届いていたらしい実家からのメールは、普通に表示されている。]
あ、お家にも八重藤ってあったんだ…。
[見落としていた本文と写真には。
花つきが悪くなってしまった八重藤と、綴られた近々樹木医を招くという短い近況がもうひとつ。]
/*
杏奈ちゃんの所に行く前に…。
素敵な結城先生の声を聞いてみました。
だって西のお言葉。
そしてうさぎさんを捉まえようとするワイルドさ…
――素敵。
[ぽっと頬を赤らめた]
[呼びかけた後、もう一度、胸元に手を当てる]
……これ以上悪化したら、間違いなく呼び戻されるよなぁ。
でも、そしたらこっちで進学できないし……。
[そうしないと危ない、けれど、そうすると望む進路に行けない。
どっちも大事な事で、だから、どっちが自分の正解なのかわからない思考ループは、考えてはぽい、とし続けてきたもの]
……ま、今ここで考えてても仕方ない、か。
[幾度目かのループの後、思考はまたぽいされる。
そうやって繰り返していること、その想いが何かと響き合っているなんて気づく由もなく]
……この林、どこまで続いてるんだろーなぁ。
[意識を向けるのは、そんな事]
/*
八重藤のメールが来たならば、
「あ、そう言えば。樹木医の樹村さんって知ってるでしょ? 今あなたが住んでいる所の近くにいらっしゃるみたいよ?」
と、連絡があっても不思議じゃないと思うのですが、お母様…。
/*
たいへんです! 進矢さんのお体が!
心配です。
話は戻って。
でも二十歳くらいの子が、十年振りに何のきっかけもなく会いに行くってどうなのでしょう。
わたしが居る時に、実家へお仕事で来られた友幸さんとお話する、というのなら何となくわかりますが。
住んでいる所が近いから、と言って会いに行くのは…恥ずかしいのです。
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ