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月は、迷いや疑い、不安の色をしている。
[ぽつり呟いて。ふわり、下を眺める。]
太陽の色とは違う。
太陽は、誕生や希望、勇気の色をしている。
――ばく?
[ごはんに必要なものは階下に揃っている
そう声からきき、螺旋階段へ行けば、
月光を浴びる人影が]
ごはん、らしいですよ、
食べましたか?
まだでしたら、食べにいきませんか。
どうやらそうらしい。
[レンの確認に頷き。眠ってもいいかというのに]
ああ、考えてみるに、もう遅い時間のようだし……
……私もそろそろ眠いようだ。
お先に失礼するよ。
[応えた時には相手は既に眠っていただろうか。食べ終えたカレーの皿を片付けてから、室内の面々に向けひらと手を振り。お休みと言い残してキッチンを後にする。
廊下に出ると、暗くなった周囲を一望し]
――……デン。ライデン。
[「声」が私を呼ぶ]
ライデン。
[今度は掠れず、明瞭に聞こえた]
始まりました。
「何がだね……?」
[声は答えない。沈黙。
周りの闇も、静まり返って]
[和気藹々と食事を摂る者たちの声が漏れ聴こえる扉を
過ぎながら、想いのみは馳せ…とろりと眠たげに瞬く。
死者の魂が纏っていた欠片ほどの温もりは、いまは
姿を黒い上着に変えて、眠るペケレの傍らを暖める。]
――欲張りな方…と評しては、いけませんかね?
[堪えるもなく、ふくりと燻らせる笑みはやわらかい。
亡霊は大地との繋がりを保ちたいかの如く、重さの無い
身を頑なに歩ませて――死者の在るべき白壁の墓所へ。]
[声をかけられれば、振り返って。そこに立つ、一人の少女をみとめた。世界は、孤独の色を変えていた。]
あぁ、ルリルリ。
ごはん?まだ喰ってない。
俺も、行っていいのか?
……
Night time sharpens,heightens each sensation.
Darkness stirs and wakes imagination...
[ふと、口から零れる歌声。低くも高らかに、静かながらはっきりと、歌劇か何かのように。声はキッチンや、近い場所には響いて聞こえたかもしれない。
歌を口ずさみつつ「声」に導かれ、己の目覚めた部屋へと*戻り*]
……ああ。
何という歌だったか忘れてしまったが……
少しだけ、思い出したような気がする。
歌というのは、確か……よく歌っていた。
[部屋の中、「声」にぼんやりと話しかけつつ]
……だから何だという事でも、ないのだろうがね。
お休み。子守唄は君が歌ってはくれないかね?
……、寝物語でもいいが、その話は難しいね。
[徐々に眠りへと*落ちていった*]
[スプーンを咥えたまま、ぼんやりと椅子にかけている。]
…へぇ。
それで、キミが…カナメ。
そうだね、休息は必要。
[かふ、とあくびをかみ殺し、廊下へ。]
…歌?
[聞こえた声に耳をすませる。
硝子の天蓋から満天の星は見えるだろうか?
さもそれが当然だったかのように迷うことなく、自分の揺り籠である部屋へ*]
ごちそーさまっ。美味しかったー!
[食べ終わると率直な感想が口を出る。
しかし、それを作った当人は既に眠りの中へ]
……うーん、起こすのも悪いし。
[せめて自分の使った分だけでも片付けようと、
スケッチブックと色鉛筆をテーブルに置いてシンクに向かう]
はい、きっといいですよ。
いえ、きっと食べるのが、よいのでしょうから。
[わざわざテンマが教えてくれた、
そう思考して、ふいに下の方を覗き込んだ――。
テンマ? 唇だけで呟き]
ごはんは、したのほうですよ。
[獏が頷くなら、共に階下へと向かう]
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