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[老婆の手のあたたかさに、目を細めて]
怖いとか、そういうんじゃないの。
ただ、ちょっとだけ、さみしい。
[次の涙があふれることはなく、少女は鼻をすすって息を吐き出した]
ありがとう、おばあちゃん。
寂しいか…無理もあるまい。
婆で良ければ今しばらく傍に居てやろうぞ。
[顔の皺を深めて笑みを浮かべ。少女の傍の椅子に座る。しばらくの間あやすように背中をぽんぽんと叩いてやる*ことだろう*]
[心許したのか、老婆にあやされているうちにうとうとし始めて]
おばあちゃんも、さみしい?
[寝言のような不確かさでそう言って、膝を抱えたまま身体は老婆の方へと傾く]
[やがて、永遠に続くかのような夜の静寂の中、少女の微かな寝息が*響き出した*]
[お菓子の家の壁に掛かった鏡の中を黒いフードを目深に被った老人の姿が通り過ぎる、と鏡が歌い始めた]
『まっくら森は こころのめいろ
はやいはおそい
まっくらクライクライ』
[そして、再び訪れる*沈黙*]
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