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[その後、何人かに同じ事を試したが、誰からも返事が返ってくる事は無かった。
中庭から受付へ。
受付からラウンジへ。
病棟、病室、ナースセンター。
どこへ行こうと。
結果は同じ。]
[気が付くと、普段は来ないような奥深くまで入り込んでしまっていた。
彼女は知らなかったけれど、そこは病院の中でももっとも暗くて冷たい場所。
霊安室の、すぐ傍。
そこで彼女は見ることとなる。
目にハンカチを当てている母親の姿と、布をかぶせられ、車へ運ばれようとする――自分の遺体。]
あ…
[ぞくり。
背中に寒さが伝った。
立っていられない。
目の前がくらくらする。
いくら布がかぶせられていても、直接見ることが出来なくても。
アレが自分である事は、何故か疑いようも無いほどに分かってしまった。
そうだ。
なんで忘れていたんだろう?
昨日、帰り道、急に強い光が向けられて、その後意識が暗転して、そして――]
私…
死んじゃった…のか…
[口にしてみても、実感は無い。
唇が乾く感覚だって、まるで生きてる時のようなのに。
けれど、彼女の本能が、彼女の記憶が、何より娘に気付かず敷地から離れようとしている母親の姿が、彼女の死を肯定していた。
声をかける。
そんな行動すら出来ず、ただ、母親が遺体と共にどこかへ行くのを呆然と見守るしか出来なかった。]
[誰も居なくなった出入り口を見つめながら、ぼんやりと思う。
母は、今頃家に向かう最中なのだろう。
そしてそこで葬式を行うつもりなのだ。
父はきっと、その準備の為に忙しいのだろう。
実家に住んでいる頃、時折見かけた光景が頭に浮かぶ。
幼い頃から見慣れていた十字架。
その前で、悲しげに沈んだ表情の喪服姿。
流れるのは清らかに澄んだ声の賛美歌。
他の人に混じって歌った事だって、何度も何度もある。]
――…慈しみ深き 友なるイエスは
我らの弱さを 知りて哀れむ…――
[か細い声で口ずさまれるそれは。
昨夜も自ら歌った、聖なる歌。
鎮魂の、あるいは祝福の、祈りを捧げる為の歌。]
/*
さ、賛美歌だから著作権は多分大丈夫と思うのよ…(どきどき。
死体ヒャッハーしすぎて表の誰より喋ってんだけど、まあ突っ走ろう。
/*
うむーん
そもわからなくなってきたから
ちょっと思考を中断して ばあちゃん設定詰めておこう。
もしかしたら絡むの最小限にしたいのかなあとか渦巻いちゃって よい考えがうかばにゃい
[ぼんやりと海を見つめながら、思うこと。
それは、入院患者たちのことだった。]
……全員と、話をしてみたいんだけどなあ。
……僕ちょっと、……要領が悪いみたいで、……。
[『患者に対して必要以上の感情移入をしてはいけない』
生前、父はそう言っていたけれど。
自分はまだ、うまく切り分けることができていない。
だからこそ、患者たちの死に深い絶望を覚えてしまうのかもしれずに]
/*
悩んだ末に。
今確実にいる人に絡みに行ったほうがいい気もするも、
そこはそこ同士でも絡めそうだったからねえ
この機会をなくしちゃコハルと絡めることないかもって思ったのも事実だけども
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