― 夕刻:食堂 ―
[三度の食事も、砂を噛むような味しかしなかった。]
別に、幽閉されとるわけやなし。
こないな村、皆で逃げ出してもうたら……、
[言いかけ、宿を飛び出したアンの死を思い出す。]
いや、……お嬢ちゃんの二の舞、か。
獣にせよ獣以外にせよ、危険なモンが居るのは事実。
[呟いて、大きな掛け時計を見遣る。
刻一刻と、自警団のやってくる時刻が迫っていた。*]
[聞き耳を立てて得た、姉と自警団員の会話に、新たな犠牲者の名前を知る。]
――そ、んな…
[言葉を失いつつ、ふと何かに気付いたように、急ぎ足で音を立てずに戻る部屋へ幽かに掠める衣擦れの音。]
せんせい、行っちゃうのね。
[医者が出向く。そして彼が戻る頃。
少女の安否が疑惑から確定に変わる。]
[ふと周りを見渡せば、都会からやってきたという編集者の男の姿が見えた]
グリタさん、でしたっけ?どうなさいました?
[グリタの部屋の方へと向かい、部屋を覗き込んだ]
そういえばグリタさん、どうしてわざわざこんな村までいらっしゃったんですか?
[笑顔を作って、グリタに話しかける。客商売なので笑顔は手馴れたものではあるが、若干口の端は引きつっているようだ]
この村で、今までこんな騒ぎ起こった事は記憶にないんですよ。本当に人狼とやらがいるのなら、外からやってきたんじゃないか、そんな気がするんですよ…
[そういって、じっとグリタを見つめた**]
[ふと視線の先に止める、水の張られた入れ物を覗き込む。
昨夜、部屋に持ち込んだ刻には、まだ仄温かかった液体は、昨夜と変わらず澄んだ水底から自分自身を覗き込んでいた。]
だからと言ってこれを証明出来る術がわたしには…
[自警団は告げていた。疑わしい者を差し出せと。
では、疑わしくない者を先に見つけ出し尽くせば。
しかし――]
もし、信用を得たとしても。
闇雲に素性を明かした所で、隠れ蓑にならない方の安否だって…わたしには――
[おぼこい思考ですら解り切ったこと。
誰に打ち明けられようか。]
誰かに…
[呟いて、部屋を出る。
3度の食事の支度は気丈に振る舞う姉と共に行った。
昨夜、照れ隠しに背中で受け止めた男達の軽口が、今はとても懐かしくさえ感じる。]
誰かに――…
[留まる人々を次々盗み見てはまだ、声をかけるものも見つからず*]
おねえやんを占いたいんだけど、怖いから占えない占い師。
ンガムラさん、占いたいんだよなー。霊っぽいか狼っぽいか。
悲鳴の所が気になったので。
でも初回呪狼引き当てても、霊いるから大丈夫だったなーと後悔する占い師。
あと、村建てなのに突然死しそうになる占い師。
さて、そして微妙にコアが合わない村建て。
参加者さんは更新間際の駆け込み乗車が多いようなイメージです。
お風呂入ってくる。
[壁時計が十一時を告げるのとほぼ同時に、畏敬弾が催促にやってきた。
ごくりと生唾を飲む。
玄関で応対する若女将は、眉根を寄せて低い声で自警団員へ問いかけた]
話し合いの結果ではなく、自分で挙手するのは可能ですか?
─ 自室 ─
どうしてこの村に、と?
[村の男──昨夜他の者に「ゼンジ」と呼ばれていたような記憶がある──に問いかけられる。]
親父とお袋が、この村の出でしてね。私が身体を壊してしまったもので、転地療養って事で、親父の実家に世話になりに来たのですよ。
[自分はさぞかし怪しく見えるのだろうな、
探るかのようなゼンジの視線を見返しながらそう思う。]