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[一度は三階に行こうかと考えた。
どんな状態でなくなっているのか、ということはメイドは言わなかったからだ。
けれど武器庫があると聞かされたのもあって、どちらを優先するか迷い。
――どんな武器があるのかもわからずにいるほうが、不安だった。
だから、すでに死んでしまった娘を見に行くよりも、と階段を下りていく]
ろくでもないなあ、ほんと……
[ため息をつきつつ、一階で一度立ち止まって周囲を見渡した*]
[三階を見に行く必要はない。
自らの手で起こしたことだから。
行動しているときは半ば衝動で動いているようなものだったが。
覚えていないわけではないのだ]
[紅い月を呆然と見上げていたのはどれほどの時間だったか。
不意に、影のようなものが月の上に浮かび上がったような気がして瞬いた]
……なん、だ?
[文字通り、瞬きの刹那に消えたもの。
それが何なのかを確かめる術はなく]
……戻るか。
[今は、休息を取るべきだろう、と割り切って。
踵を返し、向かうは二階の個室。*]
[個室に戻った後は、諸々の疲れから眠り込み。
目が覚めて、最初に確認したのは窓の向こう。
やはりというか、雨はまだ降っていた]
……ぁー……。
[さて、どうしたものか、と。
そんな事を考えていると、ドアがノックされ。
訝りながらどうぞ、と応じれば、現れたのはメイド。
メイドは淡々と、黒衣の娘の死と、地下の武器庫の開放を伝えてきた]
……いや、その、なんていうか。
……冷静過ぎない、あんたたち。
[仮にも主が死んだというのに、何故こんなに冷静なのか。
それが取り決めだからと言わんばかりの態度は、人間離れしていて背筋がうすら寒い。
とはいえ、そこに囚われていたらヤバイ――という認識もまた、確かにあって]
……色々は、りょーかい……。
あ、申し訳ないんだけど、何か軽く食べられるもの、頼める?
[まずは体力つけないとまずい、と。
思い至ったのは、そこ。
食欲があるとは言えないが、いざという時に力が出ないのはまずいから。*]
[メイドから届けられた食事を取りつつ、持っていた荷物を開ける]
あー……まさか、こんなとこで使う必要出るとかねー。
[荷物の奥底から取り出すのは、布に包まれたもの。
包みを解けば、現れるのは護身用にと持ち歩いている短剣]
…………いやほんと、勘弁してって感じだわ。
[ぼやくように言いつつ、それを上着の内側に潜ませて。
食事を済ませると、食器くらいは下げるか、と思い、盆を片手に廊下に出た。
当の盆は、歩き出してすぐに現れたメイドによって速やかに階下に下げられたりしたのだが]
……さて……上に行くか、下に行くか。
[階段の前に立ち、巡らせるのは次の行き先。*]
[来訪者が立ち去った後、部屋の中は静寂に包まれ。
からくりの鳥は扉の前でじっとしていた。
その静寂が破られたのは、メイドが報せをもたらした時]
「あ……ああ」
「……そん、な」
[掠れた声が零れ、部屋に引きこもっていた人物が動き出す。
黒服を着こみ、更に分厚いマントで顔を隠した人物は、マントの裾をずりずりと引きずりながら三階へと向かう。
あとに残された鳥は、こて、と首を傾いでその背を見送った]
[ちょうど、廊下には人影のない頃合い。
もっとも、誰かいたとしても黒衣の視界には入らない子だろうが。
這うように三階へと上がった黒衣は、主の寝室へ。
娘の亡骸は、寝台の上。
胸を開かれ<鼓動の源を失いつつも、その表情は柔らかく]
「……っ!!!!!!」
「ああ……あああああっ!」
「殺された、殺させた…………殺してあげなきゃいけなかったのに……!!!!!」
[上がるのは、恐らくは当事者以外には意味不明の叫び]
「ああ……始まった、始めてしまった……」
「殺さなきゃ、殺さなきゃ……」
[絶叫の後、繰り返されるのは物騒な内容の呟きのみ。**]
― 地下・武器庫 ―
[結局、気になった武器庫へと足を運んだ。
昨日はいけなかったという武器庫に入れば、いろんな武器が置いてある。
倉庫の広さはそれなりにあるのだろうが、武器が多くて狭く感じるほど。
剣や斧といったものから、鉈などもあり。
刃物や武器に分類されるものなら大体はありそうだ]
――なにこれ、本気?
うわあ……
[これはいっそ扉を厳重に封印しておきたい。
やばいものがいっぱいで、なぜ開いた、と思いつつ、殺し合いをさせるためか、と一人で納得する]
やばいなー……なんか持っとくべき?
[護身用のナイフぐらいなら、持ってはいるが。
ここにある武器に対抗できるかというと怪しい。
戦うことが前提になりはじめていることには、まだ気づいていなかった*]
[取りあえず、下に行くか、と思った直後に、上から何か聞こえた気がした。>>16]
なんだ……?
[嫌な予感がする。
ヤバい仕事に巻き込まれた時に感じるタイプのそれは、大体ロクでもない事が起きている事を示唆していた]
っても、行かないわけにゃいかんか……。
[小さく呟き、歩み向けるは三階]
[三階まで上がれば、微かに大気に異臭が混ざる。
それが何を意味しているかは、何となく察しがついていた]
……うぇ……。
[呻くような声を上げつつ歩みを進めれば、先にも聞こえた声がまた耳に届く。
何かを執拗に繰り返すそれは、どこか不穏なものを感じさせた]
……っと、ここか……って。
[さすがにそーっと、慎重に覗き込んだ室内。
目に入ったのは、寝台に横たわる亡骸と、そこの傍らで何やらぶつぶつと呟いている黒衣の姿]
…………。
[思わず、扉を閉めて何も見なかった、とかやりたくなったのは、已む無しとしてほしかった。*]
[諦めのようなため息を吐いて席を立つ]
武器も手にしておくべきか。
[手首の内側、靴の中。ナイフより細い刃は既にある。
それとは別に、ポーズとして襲いにくいものだと示すべきかと考える。
逆に刺激してしまう可能性もあるから、地下への階段前で暫し悩む]
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